きみのおめめ ちくりと痛い #22
「娘ちゃん、前のやつも泣かなかったから大丈夫だよ」
病院までの道のり、お気に入りのぬいぐるみをぎゅっと抱えながら何度も繰り返した。
夫と私はその度に、おお、すごいねと目配せしながら返す。
自動ドアを開け、カウンターに駆け寄り背伸びして受付の方へ名前を伝えていた。追って私もフルネームを伝える。
「インフルエンザの予防接種ですね」
はい、と答えながら娘を見ると、壁に貼ってあるポスターをじっと見つめていた。
長椅子に座って、手渡された問診票へ名前、住所などを順に書いていく。
「は