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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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記事一覧

押し寄せる「利下げ」の "波"

押し寄せる「利下げ」の "波"

 G7の先陣を切ってカナダが▼0.25%「利下げ」(@5.00%→@4.75%)。市場ではほぼ予想通りだったが今後の追加「利下げ」に含みを持たせた

 これで2月のスイス、5月のスウェーデンに次ぐ「利下げ」となり "波" は着実に押し寄せている。これは元・宗主国のイギリスや今日(6/6)▼0.25%「利下げ」を "予定" しているECBも同じ気持ちだろう。ただ一方で:

 これも共通の悩みであり隣

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「金利」が下がっているうちは大丈夫

「金利」が下がっているうちは大丈夫

 苦闘するドル円などのFX、株式市場を横目に "我関せず" とばかり上昇を続けるビットコイン(BTC)。気が付けばまた@70,000ドル台。円貨換算では@1,000万円前後をうろちょろしている

 まさに「過剰流動性」が生んだ "怪物" ビットコイン|損切丸 (note.com) 確かに4京円もの「過剰債務」で激しい「インフレ」に見舞われ価値が激減しているドル、ユーロ、円などの「法定通貨」を取り巻

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実は「正常化」が進む「日銀バランスシート」ー 鍵は「売現先」

実は「正常化」が進む「日銀バランスシート」ー 鍵は「売現先」

 3月の「マイナス金利解除」で@0.077~0.078%まで上がったTONAR(無担保コールO/N金利)。それまでは市場残高が20兆円近くで ”張り詰めていた” 国内コール市場も調達圧力が減じて11~12兆円台に落ち着いている( ↑ 標題添付グラフ)。まあ手術後の休養みたいなものだろう

 さてそれから3ヶ月経つが手術はこれで終わりではない

 「損切丸」では「日銀バランスシート」を逐次チェックし

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 "バリアー” が破れる時

"バリアー” が破れる時

 何度も何度も下値トライして 思ったより分厚い「円売り」 ー 「介入」と「外為特会」と「米国債」 |損切丸 (note.com) に跳ね返されてきたドル円。米ISM製造業指数の悪化 ↑ を受けてようやく@156.50を下抜け「キャリートレード」の「損切り」を誘った

 タイミングを合わせるように@75ドルを割れたWTI(NY原油先物)や@80ドルを割り込んだ北海ブレントも似たような動き。OPECの

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「5年ルール」と「125%ルール」 ー 「異次元」からの脱却に向けて

「5年ルール」と「125%ルール」 ー 「異次元」からの脱却に向けて

 はて?「利上げ」が目前に迫って「固定金利」か「変動金利」か騒がしくなってきた「住宅ローン」。日本では後者が約7割といわれているが本当に大丈夫なのだろうか。ちょっと調べてみた

 30年以上前、筆者が邦銀支店で「住宅ローン」を担当していた時にはこんなルールは無かった。もっとも当時は金利が@6~8%が当たり前で「固定金利」が一般的だったから必要もなかったのだが、これだけ長期に渡って低金利が続いて「変

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ヨーロッパでも燻る「インフレ」の ”種火” ー 世界は「お金」の取り合いへ

ヨーロッパでも燻る「インフレ」の ”種火” ー 世界は「お金」の取り合いへ

 (参照) やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。|損切丸 (note.com)

 続・「高金利時代」再び? - もう期待できない日本の「バズーカ」|損切丸 (note.com) を想起させる材料がまあ次から次へと出て来ること、出て来ること。次はドイツだ。予想に反して4月CPIが反転上昇 ↑

 面子に拘るECBはそれでも6月「利下げ」は止めないのだろうが、ラガルド総裁等からも言い

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続・「高金利時代」再び? - もう期待できない日本の「バズーカ」

続・「高金利時代」再び? - もう期待できない日本の「バズーカ」

 「レンジ相場」で仕掛ける第2の「キャリートレード」 ”ボラティリティー・ショート” |損切丸 (note.com) なんて書いていたら米国債が動いた。
要因は国債入札。5年債 ↑ 、2年債とも思ったより札が入らず急落(金利急上昇)の引き金となった

 ただ市場の反応を見ると2022~2023のようにファンドが嬉々として売っているのではなく、どちらかというと虚を突かれて嫌々売っている感じ。FXも同

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「レンジ相場」で仕掛ける第2の「キャリートレード」 ”ボラティリティー・ショート”

「レンジ相場」で仕掛ける第2の「キャリートレード」 ”ボラティリティー・ショート”

 何だか相場が急に大人しくなってきた。ドル円に関しては「介入」警戒で上値に蓋をされている様相だが、まあおそらくユーロ円、ポンド円辺りにスイッチ(入替)しているのだろう

 「キャリートレード」というと「金利差」と考える人がほとんどだが、実は「時間」に賭ける方法もある。それがオプション(買う権利・売り権利)における ”ボラティリティー・ショート” 。簡単に言えば相場がおとなしくなって「レンジ取引」に

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さあ何を買う?「AI」ー ドルかユーロか、ナスダックか日経か、それともBTC?

さあ何を買う?「AI」ー ドルかユーロか、ナスダックか日経か、それともBTC?

 日本なら日銀短観に相当するPMI( Purchasing Managers' Index、購買担当者景気指数)の反転上昇は予想外で、これではとても年内「利下げ」を言い出せる状況になく、米国債は大きく売られた

 大統領選が近いとは言えさすがに ”バイデンフレーション” の衝撃。|損切丸 (note.com) のトラウマが消えないのか「FRBの独立性を支持する」。政治的にも株価<「インフレ」の比重

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11年振り「国債買入」オペの "札割れ" ー 銀行は何を考えているのか

11年振り「国債買入」オペの "札割れ" ー 銀行は何を考えているのか

  "札割れ" を大分久しぶりに見た。通常だと「国債買入」の "札割れ" は「銀行が国債を持っておらず市場に足りない」≓「需給」の引き締まりから「金利低下」要因となる。だが今回はどうも様子が違う

 銀行が「損」を確定させるのを嫌がったからではないか

 2年JGBは概ね@0.33~0.34%で取引されているが、この水準は2年以内に日銀が+0.5%「利上げ」することを織り込んだ水準。「そんなに利上

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「円安」が「円高」を呼ぶ ー 「キャリートレード」だって本当は怖い

「円安」が「円高」を呼ぶ ー 「キャリートレード」だって本当は怖い

 これは20年程前「損切丸」が勤め先のロンドン本社で行ったプレゼンの中の一節。当時はドル円が@80円を割れたり「円高」がまだ当り前の時代で、聞いている方は何だかキョトンとしていたが「円高」圧力で日本企業が生産拠点の海外移転を余儀なくされていた事が主題

 実際自動車なら販売先のアメリカやそれに近いメキシコ、それ以外の産品の工場は中国へと次々と移転。結果日本国内は労働力が余りデフレに突入した。幸か不

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「金利」は時に「為替」より怖ろしい

「金利」は時に「為替」より怖ろしい

 突然出てきたこのニュース。ほとんどの日本人は「?」だったかもしれない。だが筆者のように外資系、特に「金利」に関わったある者なら「やっぱりね...」が正直な感想。外債絡みの地銀の損失は報じられていたが、やっと ”本丸” が出てきた

 外債セールスの連中はこれを合い言葉にせっせと "N" 参り。どんなジャンク債でも「金利」が高ければ買ってくれる、いわば "ラストリゾート" 的外債投資家だった。構図

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まるで ”蜜に群がる蟻” ー AIは「円安」パターンを学習してしまった(?)

まるで ”蜜に群がる蟻” ー AIは「円安」パターンを学習してしまった(?)

 前稿.遂に「ドル売り」転換? ー 怖いのは日銀の "心変わり" (再び)|損切丸 (note.com) を書いてドル円の動きを注視していたが、いやもう「円売り」が湧いてくるわ湧いてくるわ。 またもや 思ったより分厚い「円売り」 ー 「介入」と「外為特会」と「米国債」 |損切丸 (note.com) を思い知らされた

 これは最近の相場全般に言える事だが、特に「HFT」(高頻度取引)が席巻する株

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遂に「ドル売り」転換? ー 怖いのは日銀の "心変わり" (再び)

遂に「ドル売り」転換? ー 怖いのは日銀の "心変わり" (再び)

 注目の4月米CPI。指標発表前に既にユーロドルを中心に「ドル売り」に転じていたが、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアベースで前月比の伸びが6カ月ぶりに鈍化。NY FED指数も悪化し恰好の材料となった

 これで米国債は短期ゾーンを中心に急伸(金利は低下)。「利下げ」開始時期は9月、ターミナルレート(政策金利の到達点)は@4%まで低下した。 金利の ”着地点” と「中立金利」|損切丸 (not

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