◎"幸せ"の裏にあるもの




人間は『矛盾』の塊であり、そしてわたしは『ないものねだり』で無意識に他人と自分を比較し、そして落ち込む。


これは妊娠22週(6か月)の推し活命な妊婦の妊娠発覚から今日までの忘備録。



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わたしは自慢できるほどの家庭環境でないにも関わらず、

『結婚』は幸せなものだと勝手に思い込んでいたし、

(今思えば、ただ誰かと一緒に暮らしてあの家庭環境から離れたかっただけなのかもしれない)

結婚したらなんの問題もなく、『妊娠』ができると思っていた。


でも、現実はそんなに甘くはなく…

婦人科に通って、タイミング法を中心に年内授からなかったらステップアップするか専門のクリニックに転院するか、を検討していた5周期目に妊娠がわかった(休憩期間をいれ、自己流タイミング法期間を経て約2年)。

一応、タイミング法といっても、自然妊娠なので、排卵した日とか詳しいことはわからないのだけど、ちょうど仕事を辞めることが決まってブログに書いてから一週間後とかにわかったので、ほんとにわかりやすい身体してるなと思う。


様々な不妊治療のやり方がある中で、わたしはかなり序盤のタイミング法(HCG注射、クロミッド服用、卵胞&内膜確認)で授かり、かつ、特に身体に問題もなかったので、どちらかと言うと『体質改善』のほうが言葉的にあってるのかなと思っている。

医療にお手伝いしてもらいながら、健康的な身体に近づけるように。

性格的に『効率の良さ』を求めてしまうので、病院に通ったことは結果的に良かったし、妊娠の難しさや自分が子どもを授かれることのありがたさを教えてもらえたことも自分の中では大きかった。


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忘れもしない、妊娠がわかった10月6日。

パート中、いつもはおいしそうに感じる料理の匂いが不快だった。

気のせいかな、と思いつつ、このまま期待して生理がきたらへこむなーと思って、帰ってすぐにフライング検査。くっきりと検査薬に2本線が。

初めて見た2本線に飛び跳ねるくらいうれしかったし、感動した。

夫に知らせたときのなんとも言えない幸福感がたまらなかった。

……

けど、すぐににおい悪阻が始まって、妊娠の厳しさを痛感した。

5週の段階で船酔いのような気持ち悪さが始まり、ごはんの匂いがしんどくて、飲食店で働く者としてはかなりきつかった。

何より一番きつかったのは、胎嚢確認も心拍確認もできていないから、しんどいことを誰にも言えなかったこと、4時間立ってるだけで精一杯、眠れてない日も多々あり、で「助けて」と言えなかったこと。

妊娠初期こそ、休暇制度を設けるべきだと思うし、わたしは運よく退社が決まっていたから頑張れたけど、悪阻と闘いながら働いている全国の妊婦のすごさを感じた。

自分がどんなにしんどくても、もっとしんどい妊婦はたくさんいるんだから家にいるだけのわたしが弱音吐いちゃだめだ、なんて思ってしまって。

1日過ぎるのが非常に遅くて、なんだったら過酷すぎたことしか覚えていなくて、何をして過ごしていたのか疑問なんだけど、映像も文字も酔うから見れなくて耳から聞こえる推しの声(=ラジオ)にひたすら癒されたことはやんわり覚えている。


睡眠命のわたしにとって寝れない日々はかなりつらくて…
妊娠が発覚してから今日まで1度も起きることなくノンストップで寝れたことはない。寝れたなーって思って3時間…。基本的に2時間に1回は起きる。

尚且つ、思うようにオタ活もできず、でも周りのオタ友はJUMPのコンサートやら、スノのコンサートやら楽しんでいて、楽しみにしてた虎者も集中してみれず、あいみょん武道館も泣く泣くチケトレに流し…

精神的にやられてしまい、初めてヘルプを求めて産婦人科に駆け込んで、院長(主治医)と助産師さんに泣きながら話をしたことを昨日のことのように覚えている。

院長に受診をすすめられて、久しぶりに会った心療内科の主治医も受付のひとたちもみんな変わらず優しくて救われた。

夫は今まで以上に優しくて(むしろ過保護)、悪阻のしんどさに耐えられなくて大泣きした夜中も、寝れなくて八つ当たりしてしまったときも、ずっと優しくしてくれて。たぶん妊娠後期、産まれたらなおさら、またこういうことが増えるんだろうなと思うと申し訳ないけど…。

妊娠してる時にされたことってずっと覚えてる、みたいなことを悪い意味でよく言うけれども、良い意味でもそう思うと思う。この期間に優しくされたことは一生忘れない。すでに感謝の気持ちしかない。この人と結婚してよかったと、夫じゃなければ途中で妊娠をあきらめてただろうな、と恥ずかしながら思っております。



望んだ妊娠だったとしても、想像以上のあまりの過酷さにあきらめてしまおうかと初期はよく思っていた。

こんなこと思うなんて母親失格だな、と今でも思う。


産まれたら、いくらしんどくても顔が見れたら安心すると思うし、寝てるときや笑顔は天使なんだろうと思えるけど、目に見えないものと闘っているのは心身共につらかった。

なんせ、全部「ホルモンバランスのせい」で片づけられて、必ずこれが効くよっていう解決策がない。


嘔吐恐怖症のわたしにとって、悪阻や首周りの違和感はつらく、吐きたいけど怖いから喉が勝手に拒否して吐けない日々を繰り返して、それでも今日までに5回は吐いた。全部泣きながら。リビングで盛大にもどしたこともあった。

自分が母親になれるのか、産むことの恐怖、よりも、いつこの気持ち悪い生活から解放されるのか、日々を生き抜くことに必死で、想像していたマタニティライフとは全然違うかった(今も違うけど)。

…まあ、悪阻はあっても、ごはんは食べれたし水分も摂れたのでそこはありがたかった。



悪阻の存在が消えたのは年末。

年始のあけおめ~狼煙~は非常に楽しめた(着ブロ、スタンド1列目の神席)(控えめにいって最高)。


そこからしばらくはわりと快適に過ごせた。

6か月を迎えて、性別がわかった時はうれしかったし、わくわくした。

ここまできたら絶対に産声聞くぞ!と強く思った瞬間だ。

そして日に日に大きくなるお腹に対して、元々あった腰痛が悪化、足の浮腫みのマイナートラブルがちらつく…し、自然なこととは言えど、体重が増えることが怖い。とは言え、食べないと自分も赤子もしんどくなることはわかっているので食事制限をしたりはしないけど、体重計にのるときは今でも緊張する。

わりと初期から院長に妊娠糖尿病、高血圧、産前産後うつについての注意を口酸っぱく言われているので(たぶんみんなに言ってる)、栄養士が食指導されないように引っかからずに妊婦期間を終えたい、と思っているから余計にそうなのかもしれない。


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少しずつ、推したちの現場が解禁されていく中で、世の中の情勢的にも、時期的にも、申し込む権利さえないことが悲しくてたまらない。これまた母親失格な感情だ。

妊婦生活の最後に行けると思っていたコンサートは中止になって、結局JUMPに会えないまま。

感染した彼らに罪はないし、推しが元気でいてくれればそれでいいのだけれど、どうしてもわたしだけFabの世界に直接触れ合えなかったことがショックすぎて、何を支えに出産まで頑張ればいいんだろう、と思ってしまった。

せっかく性別もわかって、いろいろ買いだしたり、今のうちに夫との時間をいろんなところに行って楽しみたいと思っていたのに、多方面からの制限に疲れてるところで、SNSでのリア友の遊びに行った報告や好きなように過ごしてる様子を見るのがつらいのも本音だ。


でも、誰も悪くない。

わたしがすぐに他人と比べてないものねだりをするからつらいだけ。


わかってる。


みんなが幸せそうにしている裏では、つらく悲しい気持ちになっていたり、傷ついたり、社会にもまれて頑張っていることも知っている。


それと同時に、


ずっとキラキラして幸せそうに見えていた妊婦が、こんなにも大変で、嬉しいことばかりだけでなく、心身ともにつらい日々も送っていることを妊婦になってから初めて知った。



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先日、妊婦になって初めてお腹に激痛が走った。夜中それで起きたのも初めてだった。痛みの時間がものすごく長く感じた。出血はなかったし、破水のようなものもない。それでもお腹の張りの間隔が長くならなくて、焦って夫を叩き起こした。「微弱陣痛かも」「いま産まれたら赤子は生きてられない」と思って怖かった。徐々に間隔は遠のいて、1時間後には張りはなくなったけど、とにかく怖かった。


念のため受診。診察までの時間に悪いことしか思い浮かばなくて、泣きそうだった。

何も異常がないことを確認して、めちゃくちゃに安心した。


「あ、なんだ、わたし、ちゃんと産みたいんだ」


とエコーで元気にうつる我が子をみて、その日1日いつも以上に動き回っているのを胎動で感じて、今更思った。


正直、毎回、検診で我が子をみるまでは、周りと自分をすぐに比べて、情緒不安定なことが多くてしんどいのだけど、今回のことをきっかけにもっと我が子のことを考えてあげないといけないな、と反省した。

…こうやって少しずつ母親になっていくのかな、なんて。


妊婦に安定期なんてなくて、産まれてくるまで何が起こるかわからなくて、今も不安でいっぱいではあるけど、こんなに頑張ってお腹で育てているのに自分の行動のせいで生きている我が子に会えないのは悲しいし一生後悔する。


6月に元気な姿で会いたいから。



これからもこうやって、矛盾してるなと思いながら、自分の気持ちと葛藤することも増えるだろう。

他人と無意識に比べて羨んでしまうこともあるだろう。

想像したくないけど、推しに会えなくて悔しくて泣いてしまう日もきっとある。。。



でも、それらを乗り越えて、我が子に会える幸せな日を迎えるんだ。


絶対に。



お互い健康な状態で会えますように。










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