【八幡平】数年に一度しか咲かない花
高山に咲く花は気高さを感じる。それは「高嶺の花」という慣用句の印象なのかもしれないが、実際に下界とは交わらず、そうかといって下界を蔑んでいるわけではなく、厳しい環境とわかっていながら選んだ場所で強かに生きるその姿は、貴ばれるべきものだと思う。
そんなふうに力説しておきながら、私が標高1,600m超の火山・八幡平を訪れたのは、高山の花々を愛おしむためではなかった。もともとは「八幡平ドラゴンアイ」を拝むためである。5月下旬から6月上旬にかけて、雪解けによって「鏡沼」という池が