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人を選ぶ技術(著・小野壮介)

人事って何ができる人?
約20年続けてきた人事という仕事ですが、その専門性や特殊性を表現できない自分がいました。特に面接や面談といった直接人と相対する場面の対応は少しだけ自信もあったのですが、うまくそれを体系化・言語化できませんでした。
本書はそんな「人を見る」「人を選ぶ」が一冊にまとまっています。見えてなかったものが見え、言葉にできなかったことが言語化され、わたしの中では印象に残る一冊となりました。

質問① あなたは「人を見る目」があるほうだと思いますか?

人を選ぶ技術(著・小野壮彦)

本書では6割以上の方が「人を見る目がある」と答えたとあります。読書中のわたしも小さなプライドがあるのか、少し不安になりながらも「ある」と答えていました。(笑)ただ、説明できない不安感が増幅するのを感じながら読み進めていくことになりました。

人を見る目は、科学的に捉えることができるし、トレーニングできる。

人を選ぶ技術(著・小野壮彦)

この一文がわたしをワクワクさせました。

この後、著者がエゴンゼンダー(グローバル・サーチファーム)で得た経験や知識を体系立てて説明されていて腹に落ちながら納得感のある読書となりました。

その中でも一番のフレーズは

実は、もっとも厄介なのがこのタイプだ。

人を選ぶ技術(著・小野壮彦)

本書には人のタイプを4つに分類して説明してくれているところがあります。「人として優秀か平凡か」「人として善と悪」の4象限です。著者が「もっとも厄介」と言ったのが、「優秀で有害(悪)な人」でした。
わかりやすく目に見える業績を上げ続ける優秀さが有害性を見過ごさせてしまうのだと思います。

人は「4つの階層」で構成されている

人を選ぶ技術(著・小野壮彦)

後半は「人を見る」「人を選ぶ」の実践がつぎつぎと書き記されています。その中でも「4つの階層」はわかりやすく、人を見る時は見えているもの以外の地下の階層(B1~B3)が重要であると再認識しました。見えている部分をファクトベースで捉えることも重要ですが、その人物の地下を見ることが私の人生で大切なキーワードとなりました。

最後の章では、「いい人」についても触れています。求める人材像やスキル、ペルソナ的な絞り込みなどについても人を見るシチュエーションの大きなテーマとなりますが、zozo時代のエピソードを交えてまたおもしろい考察がありました。

新しい出会いがあるたびに読み返す一冊です。

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