海雲 大輝

しがない物書きです。 「王神愁位伝(おうしんしゅういでん)」という小説を投稿してます。…

海雲 大輝

しがない物書きです。 「王神愁位伝(おうしんしゅういでん)」という小説を投稿してます。 少しでも気になれば読んでみてください。 Instagramでは、「王神愁位伝」関連のイラストも投稿してます。

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  • 【連載小説②】王神愁位伝 ー第2章 太陽の泉ー

    舞台は太陽族領地北部のシャムス地方。 太陽が昇り暖かい気候が多い太陽族領地の中でも、唯一この土地は年中雪が降り、太陽が姿を隠す極寒の地域である。 そんな極寒のシャムス地方最北端には、”どんな傷や病気も治すといわれる奇跡の泉”、《太陽の泉》があった。 奴隷として生きてきた主人公のボロボロな身体を治すため、コウモリ部隊の仲間たちと”太陽の泉”に向かうが、シャムス地方の”不穏な状況”に巻き込まれていく・・・。

  • 【連載小説⓪】王神愁位伝 ープロローグー (完)

    太陽族・月族に分かれ、争いの絶えないこの世界。 名前のない非力な少年は、月族の奴隷として虐げられる日々を過ごしていた。 奴隷として暮らす中、自分が誰なのか・どこから来たのか・どうして奴隷となったのか、何も分からない少年。 しかし、とある出来事がきっかけで少年の日常はがらりと変化し、少年の再起の物語が幕を開けるー。

  • 【連載小説①】王神愁位伝 ー第1章 太陽のコウモリー(完)

    空に光り輝く太陽が昇る太陽族領地の中心地、”太陽の心臓”。 そこに構える太陽城の太陽族本部に”とある一本の通報”が入る。 通報者は子供で、通報内容は「お空から太陽が落とし物をした」とのこと。 太陽族本部の誰もが”いたずら”だと考え無視したが、”太陽王直下の調査部隊 通称コウモリ部隊の隊長 坂上”が通報者の元へ事情を聞き現場に向かうと、そこには”光り輝くボロボロの少年の姿”があった。

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王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】あとがき

あとがき:こんにちははは ーー前回のあとがきーー ーーーーーーーーーーー 皆さん、こんにちは。 海雲 大輝です。 最近、寒暖差が激しいですが体調は大丈夫でしょうか? 私は最近体調崩しやすく・・・。新年度も始まり、環境も少々変わったからでしょうか。 体力も衰えている気がして、休日にちょこっとランニングを始めました。 始めて数週間なので、効果はまだ分かりませんが・・・。 体調管理、しっかりしたいです。 いつの間にか、noteを始めてもう半年経とうとしてることに、この記事

    • 王神愁位伝 第2章【太陽の泉】 第3話

      第3話 アンコントロール ーー前回ーー ーーーーーー どこもかしこも一面に広がる真っ白な世界。 ここは太陽族領地北部のシャムス地方。 太陽族領地は年中太陽が空に昇り大地を照らしているため暖かく、雨は降れど寒い気候になることは無い。 しかし、そんな領地の特性とかけ離れた唯一の場所が、シャムス地方である。太陽族領地でありながらも、シャムス地方は基本寒い。 ”太陽が姿を隠す土地”と言われ、代わりにどんよりとした曇り空から年中雪が降る。寒さに凍えながら暮らすしかないこの土

      • 王神愁位伝 第2章【太陽の泉】 第2話

        第2話 コウモリの翼 ーー前回ーー ーーーーーー ”タッタッタッタッタッ!!” 「さっちゃん!こっちこっち!」 太陽光を反射し、キラキラと輝く湖の船場。 太陽城の正門を抜け、雲の宮殿から船場まで緩やかな下り坂が続く。 そのまま歩いていくと、船乗り場管理人の𦪷がムスっとした表情で出迎える。 その下り坂を、思いっきり走る者たちがー。 「ひゃっほ~~!!!太陽の泉まで一直線や~!!!」 「おっ休み~♪おっ休み~♪太陽の泉で癒される~♪らんらんら~ん♪」 無抵抗の幸十を引っ

        • 王神愁位伝 第2章【太陽の泉】 第1話

          第1話 3番の検体ーー前回ーー ーーーーーー 鬱蒼とした森が生い茂り、空からの太陽光が遮断されている場所。 一帯は薄暗く、中央にそびえたつ苗とヒナギクの花が絡まった大きな塔で、うめき声が響いていた。 「うぅ~~~あぁぁぁああああ!!もう!」 そこにいたのは、煌びやかな月のブローチを肩に着けたオルカだった。 ヒナギクの塔の最上階で、何やら石盤を片手に、大きな椅子の上でもどかしそうに身体をひねらせていた。 「オルカさマ。ドウチまチた?」 オルカのいる椅子の下には、様々な動

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        王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】あとがき

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        • 【連載小説②】王神愁位伝 ー第2章 太陽の泉ー
          3本
        • 【連載小説⓪】王神愁位伝 ープロローグー (完)
          16本
        • 【連載小説①】王神愁位伝 ー第1章 太陽のコウモリー(完)
          16本

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          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 最終話

          最終話 少年の謎ーー前回ーー ーーーーーー ”ガチャ” 雲の宮殿2階。 ここはコウモリ部隊の共有スペースであり、いわゆる隊員たちの”職場”だ。 その大きく開けた部屋の奥に、もう一つ小さな部屋がある。 そこはコウモリ部隊隊長の執務室である。 「入るぞーーーー。」 そこに、どっさり積み重ねられた書類と一緒に入ってきたのはバンだった。 そんなバンを見て、逃げようとする人物が・・・ ”ガシっ” しかし、すかさず素早いスピードで捕まえるバン。 「逃がさねぇぞ、坂上。」 してやら

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 最終話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第14話

          第14話 コウモリの食堂――前回―― ――――――― その後、幸十は琥樹に手を引かれ、雲の宮殿内の寮に連れていかれた。 明日から太陽族領地北部、シャムス地方に向かうための準備と幸十の寮部屋の案内も兼ねてだった。 雲の宮殿の最上階には、コウモリの隊員たちが暮らす寮がある。 家族がいる者たちは、家に帰ることもあったが、大半はこの寮で寝泊まりすることが多かった。 下の階と同様、寮のある最上階もオレンジ・黄色・青のタイルで壁一面作られており、細く長い廊下の壁には木目調の扉がい

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第14話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第13話

          第13話 幸十の望みーー前回ーー ーーーーーー ー雲の宮殿。 そこは、太陽城の外にあるちょっと珍しい宮殿。別名、コウモリの洞窟。 「おい、それでも俺は認めないぞ!幸十をうちの部隊に入れるなんて!!」 坂上が拾ってきた少年幸十の入隊について、バンが必死に止めていた。 「坂上さん、今回はバンさんの意見が正しいと俺も思います。クロが懐いているのことは珍しいですし、幸十が俺たちに危害を加えないとしても、外部からの危害はどうでしょう?ちゃんと手続きをしてからならまだ分かりますが

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第13話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第12話

          第12話 太陽のコウモリたち-2-ーー前回ーー ーーーーーー 「おーーーまーーえーーーー!!本当に隊長としての自覚があんのかよ!?ただでさえ、ロストチャイルドの件で孤立した状態の今、こんな事して揚げ足取られたらどうするんだよ!そうしたらこの弱小部隊なんて即終わりなんだぞ!?!おい!!」 バンが坂上に怒りをぶつけている隣で、緑色の瞳をした女性が幸十に近づきじっと見た。 「ふーーん。それにしても本当に治療うけたの?凄い傷だらけよ?」 「やっぱりさっちゃん、医療室で酷い仕打ち

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第12話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第11話

          第11話 太陽のコウモリたち-1-ーー前回ーー ーーーーーー ”じーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・” ”つんつん” 「おおう!?なんやこいつ!何しても無表情や!!ほれ!ほれ!」 「何してるんだよ。洋一。馬鹿がもっと馬鹿にみえるぞ。・・・そもそも、誰ですか?坂上さん。」 「あら~、すごい鮮やかなオレンジ色の髪ねぇ。太陽の申し子みたい。」 「へへっ!俺はいち早くさっちゃんに会ってたからね!!」 「ーはぁぁぁぁぁああ・・・」 ここは雲の宮殿。別名、コウモリ

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第11話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第10話

          第10話 コウモリの洞窟ーー前回ーー ーーーーーー 正門を出ると、何やら怪しい建物が見えてきた。 ”ーモワァァアン” 薄いグレーと暗い水色を基調とした建物だが、見た目はどこか暗い洞窟を思い出させる。建物からは、呪われているのではと感じるような、何やら黒い靄が出ており、鬱蒼としている。 誰しも近づくことをためらいそうな、キラキラと輝く太陽城に似つかわしくない一角だ。 その建物が見えてきたところで、坂上は足を止めた。 「ーそして、ここが3つ目の建物、”雲の宮殿”です。・・

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第10話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第9話

          第9話 太陽城ーー前回ーー ーーーーーー ”カツン…カツン…カツン” 坂上は幸十の肩を持ち、半ば強引に医療室を出た。 部屋を出ると、部屋とは反対側の壁が一面ステンドグラスで作られており、外からの太陽の光で廊下に彩りをもたらしていた。 医療室を出た事のない幸十にとって、その光景は今までに見た事のない光景だ。今まで暮らしてきた環境では、いつも暗くこんなに光が照らされた場所を見たのは初めてだった。 「ー!」 廊下に出た瞬間、幸十は思わず立ち止まって目を見開く。 これでもかとい

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第9話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第8話

          第8話 部長VS隊長ーー前回ーー ーーーーーー ”じーーーーーーーーー・・・。” 幸十が太陽城に来て、1か月経っていた。 ”じーーーーーーーーー・・・。” 幸十は、身体の状態も少しずつ回復してきていた。 長年刻み込まれた傷跡は、薬を塗って消えるものでは無かったが、体調の方は良好であった。 また、周囲のことも少しずつ分かって来ていた。 幸十がいるこの部屋は、太陽城の医療室であること。 医療室は、太陽城の研究部医療班の管轄であった。医療班の班長は、メリー。 他に医者も数人

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第8話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第7話

          第7話 拾い主 ーー前回ーー ーーーーーー 「・・・騒がしいと思ったら。戻ってましたか、琥樹くん。」 「あ!坂上さん!!」 いつの間にか、カーテンの横にとある男性が立っていた。 スラっとした高身長の体系も特徴的ではあるものの、茶色の艶やかな長髪と、深い水色の瞳はなにより特徴的であった。 肩には、頭に包帯を巻きつけた黒猫がのっかっていた。 「傷だらけですね。任務ご苦労様です。治療は受けましたか?」 「坂上さんまで痛くて怖い治療受けろっていうの・・・?」 涙を流し、坂上

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第7話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第6話

          第6話 太陽の医療班 ーー前回ーー ーーーーーー オレンジ髪の少年が盛大にベッドから落ちると、目の前にタマゴの様な3人と、頭に包帯を巻いた少年が現れた。 茶髪の少年は、何かしたのだろうか。身体は傷だらけであり、身に着けている深いオレンジと紫紺の服もビリビリに破れていた。 深い茶色の髪色に丸いフォルムの髪型が特徴で、右耳には、琥珀色の雫のイヤリングがキラリと光った。 その少年は、ベッドから転がり落ちるオレンジ髪の少年を見て驚いた表情をした。 「え、誰?」 「班長~♪班長

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第6話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第5話

          第5話 目覚め ーー前回ーー ーーーーーー ー真っ暗闇。 何処を見ても真っ暗であり、自分の身体さえ見えない。 (ここは・・・どこだろう。) その問いかけに誰も答えることもなく、辺りはシーンと静まり返っている。 ”無の空間”。その言葉が相応しく感じる。 ”ジャラっ” 動こうとすれば、鎖のようなもので拘束されており動けない。 (・・何が・・・どうなって・・・) 考えれば考えるほど分からなくなっていく。 (・・・・・っ) 実態のない姿。何を問えばいいのかも分からない。

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第5話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第4話

          第4話 マダムと少年 ーー前回ーー ーーーーーー 坂上たちは慎重に声のする方に向かうと、谷が見えてきた。 谷の壁には大きな傷がついている。これが老婆が言っていた谷であろう。 ”キィィィィィィイイイイイイイ!!” 同時に、先ほどの耳障りな鳴き声が坂上の耳に入ってきた。 あまり聞きすぎると、耳を傷めそうな声。坂上たちは鳴き声が聞こえる方へ目をやると、白いトカゲのような大きな怪物が複数体いた。 手は鎌のような形をしており、不気味な赤い鋭い目と大きな口から覗かせる大量の鋭い

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第4話