ペペチー

映画をネタに駄文を書き散らかすのが趣味のおじさん。もとい、ナイスミドル(自称)。紹介で…

ペペチー

映画をネタに駄文を書き散らかすのが趣味のおじさん。もとい、ナイスミドル(自称)。紹介でもオススメでもなくただの感想文。映画館で観るのが好き。ただただ自分の観たいものを観て言いたいことを言ってるだけ。 http://p.peperoncino.pepper.jp/

マガジン

  • 私の映画鑑賞録2024(ネタバレ感想文)

    ただの私の映画鑑賞備忘録です。2024年バージョン。基本、ネタバレ。駄文。

  • 私の映画鑑賞録2023(ネタバレ感想文)

    年間84本鑑賞(新作34本 旧作50本)。内再鑑賞26本、劇場鑑賞71本。新作ベストは邦画『春画先生』、洋画『バービー』。

  • 『あまちゃん』再々鑑賞中(終了)

    言わずとしれた、宮藤官九郎脚本による2013年度(平成25年度)上半期のNHK朝の連続テレビ小説。 10年後の再放送で私の鑑賞は3周目。実際には、本放送時に毎回2~3回観ていたし、今回も毎日の放送(録画観賞)と日曜日の一挙放送を観ているので、事実上5~6回目の観賞ですが、あたかも初めて観たかのような感想を書きます。

  • 70-80年代女性アイドル・プレイリスト

    同時代性を確認しようと、主要な女性アイドル曲を発売日順に並べただけのプレイリストを作ってしまい、より詳しい情報を記録したくなったので作った、まったく個人的なメモ。本当に、個人的なメモだから。

  • 私の映画鑑賞録2022(ネタバレ感想文)

    2013年以来久々の年間鑑賞数80本超え。劇場鑑賞数70本超えもその年以来。新作マイベストは『秘密の森の、その向こう』。2年連続セリーヌ・シアマ。

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私の映画観

映画と食事は似ていると思う。 文芸大作などという敷居の高い高級料理もあれば、B級と呼ばれるジャンクフードもある。 好きな人はヤミツキだけど嫌いな人は全然ダメというアクの強い作品もあれば、万人受けするファミリーレストランみたいな映画もある(それが一番多い)。 ちなみにここで書いているものは、紹介でもオススメでもなくただの感想文。ただただ自分の観たいものを観て、書きたいことを書き散らかしているだけ。 若い頃は何でもガツガツ食っていたが、年をとった最近は本当に美味しい物を少し食

    • 映画『ミッシング』 さもありなん(ネタバレ感想文 )

      吉田恵輔が好きだという話は過去に何度か書いています。 好きな理由は「いい意味で期待を裏切ってくれる」から。 言い方を変えると「想像を超えた嫌なものを見せてくれる」。 でも、結論を言ってしまうと、この映画は「想像の範囲内」の嫌なものしか見せてくれなかった。まあ、嫌なものを見せられたのは確かなんですけどね。 どうしても『愛しのアイリーン』(2018年)を求めてしまうんです。 予想外に次ぐ予想外の展開。まあ、新井英樹の原作のせいもありますけど。 滅多に映画をオススメしない私が

      • 映画『ピクニック at ハンギング・ロック』 「熱海の捜査官」はこれだった!(ネタバレ感想文 )

        以前から気になっていたこの作品、2024年になって4Kレストア&ディレクターズカット版でようやく鑑賞。 ソフィア・コッポラは『ヴァージン・スーサイズ』(1999年)でこの映画から直接的な影響を受けたと語っていますが、私はソフィア好きと言いながら、実は『ヴァージン・スーサイズ』を観ていません。オイオイ。 でもなんとなく分かります。ソフィアが『ビガイルド』(2017年)としてリメイクしたドン・シーゲル『白い肌の異常な夜』(1971年)と、本作はどこか似ている気がします。 おそらく

        • 映画『青葉繁れる』 敏八じゃなくて喜八の「八月の濡れた砂」(ネタバレ感想文 )

          井上ひさしの1950年代の実体験を基にした原作を、岡本喜八が1970年代に舞台を置き換えた映画。 秋吉久美子演じるヒロイン若山ひろ子のモデルは、井上ひさしの同学年で、当時戦争で仙台に疎開していた若尾文子らしいですよ。 私、「岡本喜八大好き!」と標榜しておきながら、観てない作品がまだいくつかありまして。これもその一本でしたが、機会があって大きな画面で鑑賞。 ひさしと喜八の「アンチきれい事」だと思うんです。 青春なんて綺麗なもんじゃねーんだよ、という反骨精神です。 なんだよ、

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        私の映画観

        • 映画『ミッシング』 さもありなん(ネタバレ感想文 )

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        • 私の映画鑑賞録2024(ネタバレ感想文)
          24本
        • 私の映画鑑賞録2023(ネタバレ感想文)
          83本
        • 『あまちゃん』再々鑑賞中(終了)
          26本
        • 70-80年代女性アイドル・プレイリスト
          23本
        • 私の映画鑑賞録2022(ネタバレ感想文)
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        • 私の映画鑑賞録2021(ネタバレ感想文)
          80本

        記事

          映画『パターソン』 あらすじも見どころも伝えられない(ネタバレ感想文 )

          ジム・ジャームッシュが苦手であまり観てこなかったんだけど「オフビートの笑えないコメディ」と思って観るとだいぶ理解できるようになってきた、という話を『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991年)で書いたと思います。 最近やっとジャームッシュ作品の見方が分かってきた気がするんですよ。 そんなもんだからリバイバル上映を観に行ったんです。 この『パターソン』はね、「オフビートの笑えないコメディ」だと思って観ると、すごくいい話に感じるの。 パターソン市で暮らすパターソン氏ってのがジ

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          映画『水深ゼロメートルから』 JKめんどくせー(ネタバレ感想文 )

          『水のないプール』(1982年)という若松孝二の映画がありますが、全然関係ありません。シェケナベイベー。 関係あるのは(?)『アルプススタンドのはしの方』(2020年)。 高校演劇リブート映画化企画第2弾だそうで、どこの商売人が金脈を掘り当てたんだか。 この2作に共通したテーマは、演劇やってる高校生の野球部に対する憎悪です(<嘘です)。 甲子園のアルプススタンド感がゼロの『アルプススタンド~』と大違いで、山下敦弘は冒頭数カットで田舎の高校の夏休みのグラウンド感を見事に描き

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          映画『プリシラ』 ソフィア作品に特殊な人は出てこない(ネタバレ感想文 )

          「セレブ女子の孤独」を描いたら世界で一番巧いソフィア・コッポラ。 彼女の映画で貧乏臭い話を見たことない。 もっとも、世の中に「セレブ女子の孤独」が刺さる層はあんまりいないと思うんですけどね。 なぜか私は刺さるんですよ。庶民の中年男性ですけどね。ソフィア大好き。 今回初めて気付いたんですが、ソフィアの映画って、登場人物が意外と「普通」なんです。 エルビス・プレスリーという「特殊な人」を登場させながら、人間としては「特殊な人」扱いをしていない。 実は変な人とか、悪い人とか、変態

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          朝ドラ「虎に翼」第2週。 バイプレーヤー女優好きの私にとって最高のキャスティング。 桜井ユキに平岩紙。そして筒井真理子!最高だ!

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          映画『ゴールド・ボーイ』 コッテリ香港映画の盛り。盛り過ぎ(ネタバレ感想文 )

          金子修介なら観に行かなきゃという謎の使命感で映画館に。 ま、そんなに金子修介作品を真面目に追ってるわけじゃないんですけどね。なんなら観てない作品の方が多いんですけど、時折律義に『プライド』(2008年)とか『神の左手 悪魔の右手』(06年)とか観てるんですよ。 私は金子修介を、実に腕の良い職人だと思っています。 本当にこの人の演出は丁寧で破綻がない。 この映画も絶妙で、変ないい方ですけど、主人公の少年少女の絶妙な拙さが妙にリアルなんですよね。あんまり「プロ」感が漂っちゃった

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          ドラマ『虎に翼』 これは楽しめそう(ネタバレ雑感 )

          伊藤沙莉を始めて観たのは(正確にはそれ以前も観ていたのかもしれないけど)、フェイクドキュメンタリードラマ『その「おこだわり」、私にもくれよ!!』(2016年)でした。 憎らしいほど自由奔放な伊藤沙莉に対し、松岡茉優が可愛そうで、私は一時期松岡茉優ちゃんにゾッコンだったことがあります。 『勝手にふるえてろ』(17年)は傑作。 次に伊藤沙莉を明確に意識したのは、NHK朝ドラ・岡田惠和脚本の『ひよっこ』(17年)です。 この頃から私は、「伊藤沙莉は樹木希林になれる逸材」と評し、希

          ドラマ『虎に翼』 これは楽しめそう(ネタバレ雑感 )

          映画『12日の殺人』 ミステリーというより刑事の人間ドラマ。(ネタバレ感想文 )

          ドミニク・モルという監督は、初めて観た『悪なき殺人』(2019年)が面白かったんです。 本作は一転、奇をてらった事が一切ない作品です。 ストーリーは時系列通りに進行し、事件の発生以外はほぼ警察側の視点で描かれる。 実に丁寧な映画で、遺体からスマホを取り出すシーンで私はグッときたんです。証拠品として収めるビニール袋のリアル。細かい描写がリアルなのって重要。神は細部に宿る。 私は、この映画の面白さはミステリーや謎解き的なことよりも、人間ドラマとしての面白さだと思うんです。 実

          映画『12日の殺人』 ミステリーというより刑事の人間ドラマ。(ネタバレ感想文 )

          ドラマ『不適切にもほどがある!』 とても適切(タイムリー)なドラマ(ネタバレ雑感 )

          面白かったぁ。 2024年1月期の覇権ドラマと言えるので、既にあちこちで様々なことが語られていることでしょう。実際、語りがいのあるドラマでしたし。 内容もさることながら、私はパロディ能力の高さが凄いなと思ったんです。 例えば第8話。 『金曜日の妻たちへ』を放送していたTBS金曜10時の枠で『金曜日の妻たちへ』のパロディーをやる。 「ダイヤル回して手を止めた」昭和から「ツルツルした四角いの(スマホ)」の令和と時代が変わったら、こうも扱いが変わるんですよ。 特に、音楽のパロ

          ドラマ『不適切にもほどがある!』 とても適切(タイムリー)なドラマ(ネタバレ雑感 )

          ドラマ『ユーミンストーリーズ』第三週「春よ、こい」(ネタバレ雑感 )

          その制作発表があった時から楽しみにしていたドラマ。特にこの話。 その割に、諸事情で観られず、録画したものを後から一気見。 脚本と演出はこれまでご縁のなかった方々なのですが、撮影は市橋織江さんですね。一度、スチールカメラマンとしてのお仕事を直に拝見したことがあります。 『恋は雨上がりのように』(2018年)とか、映画の撮影も上品で綺麗な画面で好きです。 そして原作が、天才・川上弘美ですからね。 この作品だけ原作を先に読んでいました。ドラマ化が決定する以前に。 しかもドラマは僕

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          映画『落下の解剖学』 映画の解剖学(ネタバレ感想文 )

          何の前情報も持たずに鑑賞しましてね。 女性監督だということも、カンヌ映画祭のパルム・ドール受賞作ということも、素晴らしい犬の演技にパルム・ドッグなる賞が授与されたこともとんと知らず、ただ予告を見て「面白そう」と思って映画館へ足を運びました。 結論から言うと、ミステリーとして見ちゃうと、お話自体はそう目新しくもないんです。 今時この手の話は大概、芥川龍之介を引き合いに出すまでもなく「真相は藪の中」なんですよ。結局『羅生門』(1950年)。やっぱり黒澤すげえな。 ましてや「大ド

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          ドラマ『ユーミンストーリーズ』第二週「冬の終り」(ネタバレ雑感 )

          その制作発表があった時から楽しみにしていたドラマ。 原作の柚木麻子は『ランチのアッコちゃん』の人ですよね。 あの蓮佛美沙子と戸田菜穂のドラマ、わりと好きだったんだよな。 あと、脚本のねじめ彩木はねじめ正一のお嬢さんだそうですね。 そして演出の箱田優子。『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(2019年)の監督ですね。この映画、好きです。もっと映画撮ってほしいな。 そして、ユーミンのこの曲は知りません。 原作小説でも「知る人ぞ知る」って書いてありますしね。 いや、一度「ユーミン(アル

          ドラマ『ユーミンストーリーズ』第二週「冬の終り」(ネタバレ雑感 )

          映画『エル・スール』 良質な短編小説のような映画……だったけど(ネタバレ感想文 )

          ビクトル・エリセ11年ぶり、長編としては31年ぶり、いや、長編ドラマとしては実に41年ぶりの新作『瞳をとじて』公開の便乗企画で上映していたので、いそいそと映画館へ。 2009年以来の再鑑賞。おそらく映画館で観るのは5度目。DVDも持ってるんですけどね。 この映画は、娘視点で「父親が理解できなくなる」物語と、父親が「娘を理解できなくなる」物語が交錯します。 (ナレーションでもあるように母親は印象に残る物語への絡み方はなく、娘の彼氏に至っては姿さえ登場しない。徹底的に「父と娘

          映画『エル・スール』 良質な短編小説のような映画……だったけど(ネタバレ感想文 )