【エッセイ】死んだまんま眠ってる猫
「猫が死んじゃった。どうしよう」
1時間程度の残業を終えて、会社を出たところで母親から電話があった。
久々に聞いた母親の声は、それ以外は何を言っているか分からなかった。
こんなに冷静さを失っている母親は初めだった。
というか嗚咽するほど泣きじゃくる50歳オーバーの声を初めて聞いた。
自分は実家を出ているので、毎日猫とは顔を合わせていない。
もし実家に住み続けていたら自分も同じようになっていたかもしれない。
いつか必ず来るこの日を、目の当たりにしなくてよかったと少