雨水 七虹

滲んで、虹んでゆく______

雨水 七虹

滲んで、虹んでゆく______

最近の記事

ジョージアからイスタンブールへ移動してきた私。 1時間飛行機に乗っただけで、新しい街、新しい風景、新しい味。そしてなにより、ジョージアより猫が多い。ここが既にお気に入りな場所になっていることには違いない。 イスタンブールの海は、青く美しい色合いで、その広がりについつい足は止まり、波が穏やかに打ち寄せ、風が心地よく吹き抜ける。鳥が空を舞い、遠くの船がゆっくりと移動しているのをぼーっと眺める。見慣れない景色ばかりなので、平気で1日20㎞くらいは歩いている。気になるところを見つけて

    • カスピ海と黒海のあいだ

      写真は道端でおばあちゃんからもらった花束。紫色の小さい花がかわいい。頑張って咲いたから見てほしいって感じがまたかわいい。 帰って小さめのコップに入れてあげました。 ジョージアのとある街。 大型スーパー以外のほとんどの店は閉まっていて、 いつものパン屋も、レストランも同様に閉まってる。毎日通っていたジムでさえやってない。 ジョージアはイースターで、今日までの4日間はかなり盛大なイベントとしてお祝いされています。 昨日は雨で、今日はせっかく午前中は晴れ予報だし!と思って早い時

      • あの夜

        私が食器棚の奥に大切に取っておいた「キャラメルポップコーン」を、食べちゃったっていいんだよ。 いつだって、好きなときに、好きなだけ。 最悪の場合私を差し出すってくらいだよ。 そんなこと言うと「食べていいよ!」って言われるから、言わないけどね。でも実際に君が食べちゃったら、私は反射的に一緒に食べようと言ってしまうだろう。 そしてそのあと2人で映画なんか見ながら、ほろほろ泣いて、それで1日、また1日と生きるだろう。 人間ってなんて深いんだろう。でもそれが、人間だ。 だからせめて

        • 暮らす

          ジョージアの夜はまだ明るい。 ひたすらに明るくて、人通りも多いからみんな安全に歩いている。 石畳にうつる影と光がゆらゆらと動いていて、歩くだけで楽しいけど、でこぼこしているし、すぐ足が痛くなる。 それなのにいつまでも歩いて、歩いて、歩き疲れて溶けてしまいたいと思う。 まだ明るい中に犬や猫がぽとぽと歩いている景色を見ると、懐かしい感じがする。 明るい街角に、にぎわうジャズバーを見ると、その中の強い活気が嬉しくなる。 後少しで国際音楽DAYらしいので、その日にどこかのジャズバーに

          たいむとらべる

          リチャード・カーティス監督として最後の作品「アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」を久しぶりに見ました。凄く有名だから、きっと見たことのある人の方が多いと思う。これを見てすぐ、私のやった行動は自分の部屋のクローゼットで目を瞑って、拳を握って、戻りたい場所を想像した。そう、ただやってみたかっただけ。 もちろん、タイムトラベルはできなかったけど、満足。きっと、みんなもみた後やったでしょう。 ざっくりとあらすじを話すと主人公の彼が、21歳の誕生日の日。父に呼び出され「タイムト

          たいむとらべる

          3つの飛行機

          「空に浮かぶ飛行機を3つ見つけたほうが、勝ち」 二人でいるときは毎回、変なゲームをしている。いつも、提案した私よりも本気でゲームに参加してくれるのでついつい私も本気でやってしまう。 下から小さな飛行機を見つけると、空から下を見ている人たちがいかに世界を愛しているかがわかる気がする。のと同時に空を見上げていない時間の多さに気付く。全く顔を出さない桜も、風のぬるさも、静かに吹いている風もじわっと湿るような暑さもみんな、全てが体で感じるもの。 だからこそ、今ここに自分の体があるこ

          3つの飛行機

          愛を終わらせない方法

          最近公開されたばかりの映画、『四月になれば彼女は』という映画を一人でみに行ってきました。凄くすきな恋愛小説なので、みに行くか迷いましたが映像としてみたかった、やはり青と光の表現が素敵でした。そして藤井風さんの満ちてゆくを映画館で聞きたかった為、行ってきました。藤井風さんのつくる音楽は本当に風のような音楽ですね。今回は映画の中に出てきた言葉について触れる為、映画をみる予定のある方は読まないことをおすすめします。 「愛を終わらせない方法、それはなんでしょう?」 この、印象的な

          愛を終わらせない方法

          山のぼり

          本日、彼と登山に行ってまいりました。前々から計画していたので、お天気の心配をしていたけれど、しっかり快晴で空は高く、風や春の香り、鳥の声、歩く音、全てが美しく聞こえました。 登山のはじまり!とストレッチをしてわくわくしていたわたしの上に鳥のうんちが落っこちてきました。生まれてはじめての出来事だったので、なぜか凄くうれしくて、運がいいからだあ、なんて登る前からはしゃぎすぎてしまいました。(笑)登りはじめてから、数十分で思っていた数倍、体力が無くなっていたわたしは三歩歩けば、休

          誕生日

          わたしはお誕生日の前日、彼と洒落たイタリアンへ行き、二人でお酒を飲みました。二人でお酒を飲むのははじめてでこれがあまりにも楽しくて、今が永遠に続けばいいと思ったくらいだったから、なにを話したのかをよく覚えているくらいだ。残った海鮮アヒージョのオリーブオイルが勿体無くて、パスタやピザにかけて食べた。 普段なら絶対に行かないゲームセンターなんかにも行ってうろうろしながら、ガチャガチャを見たり、マリオカートで競争したりもしました。(惜しくも最後追い抜かれて負けました。) 最後に連

          静か~な日曜日。 目が覚めて、一番はじめにネガティブなことを思ったわたしは、バレンタインに彼がくれた本をベットの上で開いた。彼が、何ページか角を少し折っていた。きっと、彼が読んだときにいいなと思った言葉やわたしに読んでほしいと思ったページに印をつけてくれていたのだろう。この本は今のわたしにぴったりだった。なんとなく、裏表紙を見ると、何か書いてあった。なんて書いてあったのかはあえて、わたしの中にそっとしまっておくのがいい。それが愛だったみたいに。

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