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僕の100日旅行記

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金曜日更新予定。2017年の山口県→上海→インド(全23都市)の旅。旅のエッセイも書きます。
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記事一覧

インドの写真を加工してみた

インドの写真を加工してみた

(リーガルロッチ、北インド シムラー)

(ヒマラヤ、北インド シムラー)

(ガンジス川、北インド バラナシ)

(干上がった河、東インド ブッタガヤ)

  (東インド、コルカタ)

(ガンジス川、北インド バラナシ)



(バス、北インド ラクナウ)

旅のような1日

旅のような1日

一、 チャイ屋のおやじ

 おやじとは二日前からの付き合いだ。朝飯はここで食うと決めている。今日はお別れの時。少し早いが店はやっているだろうか。俺はバスの来ないバス停を見捨てて、おやじに会いに行った。おやじの店はバス停から二分、沐浴場となっている砂浜を過ぎたあたりにある。おやじの店は開いていた。まだ四時前だというのに。俺が行くとおやじはにこっとして、コーヒーを作ってくれた。台の上を見たが、今日はま

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2018/01/29の日記(原文) in インド

2018/01/29の日記(原文) in インド

《私はインド旅行へ行ったときに日記をつけていた。酒を飲んで寝たときや気分が乗らない日以外は毎日書いていたが、それを久しぶりに読んでみた。自分で書いたのでなんとか読めるが字が汚くて読み辛い。いま読み返すと長すぎるものやまとまりに欠けるものが多い。インド東部のブバーネシュワルで書いた旅の終盤のこの日の日記はまだましな感じだったのでほぼ原文のまま載せてみる。》

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カニャクマリ~シスターを聴きながら~

カニャクマリ~シスターを聴きながら~

コーチンでまったりした後に向かったのが、インド最南端のカニャクマリだった。列車に乗って夜に着き市街地までのバスを探したが、ちょうど良いのがなくてリキシャーで行くことにした。リキシャーのドライバーは私が日本人だと知るとジャッキー・チェンを知っていると話し掛けて来た。ジャッキー・チェンは日本人ではないと教えると日本人を教えてくれと言われたので、私は役所広司の名前を出した。そして、「ムービースター」だと

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ラーメシュワラム~南の聖地~

ラーメシュワラム~南の聖地~

 何もしていない時間、ポツンと一時、僕はいろんな場面を思い出す。そして、決まって最後は苦笑いをする。それは、僕の旅には失敗が付きものだったからだ。何故、失敗ばかりしていたのかと問えば、まず旅が分かっていなかった。それから、意思の欠如やら、体調管理の甘さやら、いくらでも出て来る。そうやって、失敗ばかりしてきた僕だが、もう旅も残りわずかな頃の、ラーメシュワラムでの三日間は割とうまくいった。

 そもそ

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プリーの夕日~森戸海岸にて~

プリーの夕日~森戸海岸にて~

《海というのは暖かいという先入観により、軽はずみで出掛けて来てみたが、本州の冬はどこへ行ってもそれなりに寒いものである。いま海岸にいて、眼前に広がる海の波音と、隣に建っている神社から時折聞こえてくる鐘の音を聞くとはなしに聞いている。冷たい風と、頼りない太陽のもと、私は日の入りの刻を待つ。

 ふと考えたのだが、神聖な場所に鐘の音が付き物なのは何故だろうか。教会にも鐘はある。神社にもお寺にも鐘はある

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プシュカル~わたしとお酒とすずと~

プシュカル~わたしとお酒とすずと~

※旅行記は気持ち的に書く余裕がないので中断。とりあえず前に書いた旅行も中盤に差し掛かった都市でのものを上げる。

私はちっとも飛べないが。酒は飲める。

 インドに来て好きになったものが、少なくとも五つある。クリシュナとチャイ屋とバイクと屋上、それと、お祈り。日本ではあまり触れられないもの、自分のいままでの日常にとって関係のなかったものだ。プシュカルでは、僕は屋上とお祈りに触れられた。特に屋上での

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2017-18 旅川柳(全33都市295句)

2017-18 旅川柳(全33都市295句)

せっかくの休日だが、自粛ムードなので家にいる。そこで久々に投稿。私はインドへ行くときに、旅をしながら詩を書こうと意気込んでいた。しかし、実際には初めての一人旅の困難のため、川柳のようなものを日記の合間に書きなぐるのがやっとだった。これは私が旅をしているときに出会った出来事や日々の感想を書いたものである。また、楽しくもあったが楽ではない旅のなかで自分に言い聞かせるようにして書いた言葉も混じっている。

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【インド小話】二つの無邪気

【インド小話】二つの無邪気

 今日も空が暗くなり、鐘の音が聞こえてきた。先程までうとうとと眠っていたシヴァの像はすっかり目を覚ました。プジャが始まったのだ。彼は人間から崇められているため、お祈りを特等席で見られるように設えられている。彼は毎日、人びとのお祈りを見守っているのだ。そう、今日も。プジャは毎日同じように行われているようだが、実は違う。なぜなら、参加している人が違っているからだ。なぜなら、同じ日なんてないからだ。それ

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【インド小話】CHILDLEN IN PRAY

【インド小話】CHILDLEN IN PRAY

 もう一日も夜を残すのみとなった頃、ガンガーのガートではプジャが催される。電燈の淡わい光の中で、緋色の僧侶たちが真剣に祈りを捧げ、まわりも真摯にそれを見つめる。鐘の音に調子を合わせた拍手も聞こえてくる。少し離れた階段にも人の姿。

 幅の広い階段の中央には、赤い服を着た裸足の女の子が立っている。彼女の見つめる先には、青い目の観光客。歩き始めたばかりの子もいる。父親は女の子の視線を気にして、少しでも

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7.バラナシ(前編)~賑やかな聖地

7.バラナシ(前編)~賑やかな聖地

さて、ブッタガヤに別れを告げて列車に乗り込む。自分の寝台を探す。誰かが寝ている。後ろから女性に声を掛けられた。「母には上の寝台は大変なので、場所を変わってください。」もちろん、私は問題ない。一瞬自分の席が占拠されていることに驚いたが、私は気を取り直し寝台に行って寝た。

まだ暗いうちにバラナシに着いた。私はとりあえずリキシャーでガンジス河の近くの宿に行ってもらうことにした。リキシャーを見つけ、目星

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6.ブッタガヤ(後編)~村の生活 ~

6.ブッタガヤ(後編)~村の生活 ~

 ブッダガヤのセーナ村のゲストハウスで、アルーンさんに出会った。アルーンさんは見るからに真面目で穏やかな人だった。私はアルーンさんに誘ってもらい、彼の村へ行くことにした。

 朝、アルーンさんのバイクの後ろに乗り、村を目指す。ガソリンスタンドでガソリンを入れた。そこからは、2、3時間の長い道のりだった。私はいままで生きてきて、こんなに長時間バイクの後ろに乗ったことはなかった。だから、とても尻が痛く

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【旅での認識】          MONEY IS NEWS PAPER

【旅での認識】          MONEY IS NEWS PAPER

 「金は大切じゃない」インドで幾度も聞いた言葉だ。ただ、それを言う人間がリキシャーのドライバーや宿の人、ガイドなのだから、複雑になる。日本ではあり得ない。あなたにお金を払うのは私です。突っ込みたくもなる。一度や二度じゃないのだから、これがインド人の考えだといってもいいと思った。

 インドではよく面識のない人から煙草をねだられた。今考えると、あれも物乞いではないか。そもそも、インドは煙草を一本ずつ

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