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料理の実験室〜すてっぷ7『味の素をかけると料理は本当に美味しくなるの?』

昆布や鰹節などから摂れる「うま味」を一振りで得られ、通称“うま味調味料”と呼ばれている味の素さん。

●味の素の成分・製法は?

・1gあたり約2.8kcal
・主成分は、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸、ナトリウム
・さとうきびの糖蜜を原料に発酵法でつくられる
 参考『味の素Q&Z | うま味調味料 | 味の素株式会社

僕の実家の食卓には置いていなかったため、なかなか触れ合う機会はありませんでした。おじいちゃんおばあちゃん家には置いてあったような気がするなぁ。

大学時代、彼女とクリスマスディナーを食べに行った某焼肉屋さんのお肉の味が全部同じ味がして、不思議だなぁと思ってお皿に残っていた調味料らしきものを舐めてみたところ味の素だと判明。お肉が全部「味の素味」になっちゃっていたのがショックで、どちらかと言えばあまりいい印象はありませんでした。

しかし最近になってから専門学校の中国料理実習でまさかの再会。上手な使い方をすれば食材の味を引き立たせられる便利な調味料であるということを学びました。

一方で、過去には健康的に問題があるなど様々な情報が流布されたり、現在でもX(旧Twitter)界隈では時折話題にあがっているのを散見します。
参考:『リュウジ@料理のおにいさんバズレシピ』

私見としては、国の安全基準を満たしているのであれば他の食材や調味料等と同様に気にせず使いますし、摂り過ぎがよくないのはなんでもそうなので、要は使い方次第かなと。

…んっ?使い方?

確かに学校の実習で使っていたけれど、基本的には先生のレシピに従っていただけだったな…。

レシピの記載も「適量」や「2振り」みたいな感じで、正直、どのくらい使うとどれだけ効果があるのかは分かっていない…

よしっ!料理人として、そろそろちゃんと向き合ってみよう!

●本日の実験テーマ『味の素をかけると料理は本当に美味しくなるの?』

…ということで、まずは味の素はどんな味なのか、適量はどれくらいなのかを知り、その上で本当にそれで料理が美味しくなるのかを検証しようと思います。

●実験その①水100gに、それぞれ1g(1%濃度)、2g(2%濃度)の味の素を溶かして、味をみてみる

テイスティングということで、せっかくなので無駄にシャンパングラスでやってみました。

毎回、グラスはしっかりと洗い、量を正確に計って実施。
また、入れた味の素はしっかりと攪拌し、溶け切ったものを口に含むようにしました。

まずは1%濃度。

わぁ!たった1gなのに何か入っているのがはっきりと分かる。
最も近いのが昆布茶かも。あれをちょっとだけ薄くした感じ。
一番出汁のイメージも湧いたけれど、それよりはもう塩味をつけているような強めの味。
1%濃度でも、かなり料理の味を左右しそう。

次に2%濃度の感想。

うへぇぇぇ!!!きっつ!!!濃いぃぃ!!なんだこりゃ!!
しばらく口の中に味が残り続ける…舌が痺れているかのような、変な感じ。
口をゆすいでもしばらくは残り続ける…

●実験その①結論は…

味は昆布や鰹節、きのこやトマトから感じる「うま味」そのもの。
使うなら1%もしくはそれ未満で十分。

ちなみに味の素さんのホームページを見ると、使う適量としては『チャーハン:8~10ふり、炒め物:3~4ふり、たまごかけごはん:3~4ふり、漬物・おひたし・酢の物(1人分):1~2ふり』『「アジパンダ®」70g瓶の1ふりが0.1g程度』とのこと。
参考『味の素Q&Z | うま味調味料 | 味の素株式会社

なるほど、確かにそのぐらいの微量でいいかも。
1%でも十分うま味は感じられたし、2%までになってしまうと完全に「味の素」になってしまう。

味の素を使う時には、量に注意ですね。

●実験その②味の素を入れたver.と入れないver.のハンバーグをつくり、味をみてみる

水に溶かして飲んでみる分には、1%濃度がちょうどいいということが分かりました。
でも大事なのは、1%濃度の味の素が料理を本当に美味しくするのかです。
夜ご飯をハンバーグにしようと考えていたところだったので、試してみました。

材料はこちら、
・牛豚合挽肉
・玉ねぎ+にんにく
・全卵
・片栗粉
・塩
・胡椒

これを等分(1つ約195g)し、片方には2g(1%濃度)の味の素を入れ、もう一方には何も入れずに仕上げました。

味の素は最後に加えて練り込みました。味の素を入れていない方も、入れている方と同じ回数練り込み、できる限り条件を揃えました。

不気味に微笑むパンダさん…笑

フライパンにも同じように載せて、同じように焼きました。なんか可愛い♡

盛り付けもほらっ。瓜二つの双子ちゃんですね。

(ちなみに先に白状しておきますが、ハンバーグを焼いている最中に赤ちゃんのお世話に向かうことになり、ちゃちゃっと終わらせるつもりが時間がかかってひっくり返すタイミングが遅れ、不必要に肉汁が漏れてしまったのでちょっぴり表面がカサついております。ご勘弁を。。)

さて、気を取り直してお味を確かめてみます…

まずは何も入れていないハンバーグから。

美味しい〜!!!
牛肉のまろやかなうま味がじわぁぁっと口の中に広がっていく感じ。
玉ねぎを事前に炒めておいたから味馴染みがいいし、コクを感じます。
うまうま♡


次に1%濃度になるよう味の素を入れたハンバーグ。

美味しい!!!
何も入れていない方がうま味が緩やかに口の中に広がっていくように感じる一方で、入れている方は早く、分かりやすくうま味がくる感じ。
ただ、ちょっと濃い?しょっぱい?って感じる。

●実験その②結論は…

“このハンバーグにおいては”、食材自体にうま味を十分に感じることができたので、美味しくすることを目的に味の素を入れる必要性はないと感じました。

ただ、入れることでうま味がアップし、料理全体の味が安定するイメージは湧きました。塩のようにほとんどの料理に使う調味料というよりは、その都度、使用する食材や調味料の味をちゃんとみた上で、少量を使う…というのが最適解かと。

一方で、塩味とうま味には相乗効果があると言われており、今回も実際に味を濃く感じました。
なので、減塩効果を発揮させるために味の素を入れ、その分塩を減らす…という使い方はありだなと思いました。

やっぱり、色々と自分でやってみないと分からないものですね。
今回も長くなってしまいましたが、ご覧いただきありがとうございました(#^^#)

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