リンドウ

絵とお話で何かできたらと模索中。挿し絵はオリジナルです。小さな頃は絵を描くことが好きで…

リンドウ

絵とお話で何かできたらと模索中。挿し絵はオリジナルです。小さな頃は絵を描くことが好きで、学生時代は教室の片隅で本を読んでいるような子でした。ほっとひと息ついていってもらえたら。 http://63dee833df3dc.site123.me/

マガジン

  • 物語 bySTORY CAFE

    プードルの店員、クロとチョコが働くSTORY CAFE。ご提供している物語をまとめました。 カフェで本を読むように、ほっとひと息ついてもらえたら嬉しいです。 挿絵の勉強になったら、とオリジナルの挿絵にも挑戦しています。 どうぞごゆっくりおすごしください。

最近の記事

疲れたあなたに

前回、ホタルを打ち出した温泉街の物語を投稿しました。モデルにした温泉街は神奈川県湯河原町にあります。 疲れたあなたに、いつか訪れてもらいたい癒しの温泉を…数回に渡ってお届けします。 エッセイ「湯河原温泉」 子どものころ、毎年のように父が連れて行ってくれた温泉街がある。 神奈川県は湯河原(ゆがわら)町。 そこに父の勤め先の保養所があった。 保養所へはいつも父が運転する車で向かった。 国道135号線という小田原から伊豆へつながる道路は海っぺりを走る。 道中、姉がサザンの曲

    • 苦い水と甘い水、ホタルが好きなのはどちら

      コーヒーにまつわる物語bySTORY CAFE まだ夜になると肌寒くも感じられる梅雨のころ。 ホタル見物を打ち出した温泉街へ山紫陽花の紅子はひとり、旅に出ていた。 宿は若者に人気のレトロな作りだった。年配のおじさま、おばさま方に言わせれば、老朽化して経営者の変わった冴えない旅館なのだけど。 紅子にとっては見るものすべて珍しく、宿の鍵が透明の細長い色のついた羊羹みたいなのを見て、テンションが上がるのだった。 大浴場のシャワーがレバーを押した時しか出ないこと以外に、特別

      • 忘れるぐらい夢中にしてくれて

        コーヒーにまつわる物語bySTORY CAFE ワレモコウのモ子は若者に大人気のフルーツぴゅーれらんどへ行くため、家事を前倒しにして、準備万端にするのに忙しい 一緒に暮らしている、ブラックベリーの黒子とラズベリーのきい子はまだ子どもだから、家事全般はモ子の役目で、正直支度は大変だけど、 二人がぴゅーれらんどを楽しむ姿を見るのはモ子にとっての楽しみでもあるのだ 前夜に洗濯を完了させ、いつもよりだいぶ早起きし、バタつきながらも、無事、開園前に到着できた ぴゅーれらんどで過

        • [エッセイ]海は本当にしょっぱかった

          STORY CAFE番外編(コーヒーにまつわらない話) ビーチサンダルに細かい砂が入り混んで、ざらざらするのを感じながら、クロは折りたたみ椅子に腰をかけた。重みでズブズブと視界が二センチほど下がった。 STORY CAFEのお盆休み、店員のクロは海へ来ていた。クーラーボックスいっぱいに沢山のラムネを詰めて。 妹のチョコはいない。日焼けるのが嫌だとついて来なかった。 青と白地のパラソルに吊り下げた看板が、風に揺れて、クルクル回っている。看板には「エッセイ1つにラムネ1本お

        疲れたあなたに

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        • 物語 bySTORY CAFE
          7本

        記事

          この星のどこかにいると知っているだけでいい

          風のたよりにきいた メークインのメー君が、フライパン地区の公園で、時々日向ぼっこしてるってことを ローズマリーのマリアは自宅のビーズクッションに寝転んで、スマートフォンとにらめっこしている SNSのおすすめに、メー君とおぼしき人物が出てきて、クリックしてしまった この投稿に写り込んでいるこの噴水は、もしかしたらあの公園の噴水かもしれない アプリのマップで写真を見比べてみる この呟きはメー君の呟きかもしれない この花木の投稿の仕方、この文章の呟き方、メー君だね

          この星のどこかにいると知っているだけでいい

          カフェ店員の1日bySTORY CAFE

          マドラー駅から徒歩3分、銀紙通りの路地の先に STORY CAFE がある。 店員はプードルのきょうだい、クロとチョコ。兄がクロで妹がチョコ。 午後1時半頃、仕事始まり。 午後3時の開店を目指す。 クロはまず、店の入り口を掃除することからはじめる。チョコはトイレ掃除。 玄関とトイレは幸せを呼び寄せる大切な場所だから、お客様に幸せな気持ちになって帰ってもらうためにも、この2箇所の掃除はとても大切である。 終わったら、二人で店内の清掃。ハタキをかけ、テーブルを拭き、

          カフェ店員の1日bySTORY CAFE

          Un café s'il vous plaît

          パリのアパルトマンの階段はひんやりしていて、とても静か だから、誰かが階段を通ると、カツカツ、とかコツコツ、とか、カンカン、とか音がする フレンチラベンダーのウサーミは今日、とても悲しい出来事があった 悲しい気持ちのまま、階段を上るものだから、 革靴と階段が ごぞごぞごぞごぞ、 と音をたてる 上の階から、カロカロカロカロ、と音をたてながら、 パン・オ・ショコラのショコ太が下りてきて、 ウサーミとショコ太はすれ違った ショコ太が陽気に 「ボンジュール」とあいさつす

          Un café s'il vous plaît

          会社員ゆり子、カフェへ行く

          ゆり子は今年の夏休みも海外旅行へ行こうと計画していた 1年に1度の海外旅行は、ここ5年ほど続けている 今年はフランス パリへ行きたい パリへ行ったら、何しよう ブーランジェリーで美味しいパンを買ったり、 ルーブル美術館やオランジュリー美術館にも行ってみたい 金曜日の仕事終わりに、そんなことを考えながら、駅へ向かった ところで、今日はどうしようか まっすぐ帰宅するのは味気ない デパートで洋服でもみて帰ろうかな? と歩いていると 銀紙通りの路地に置かれた小さな看板が目に

          会社員ゆり子、カフェへ行く

          わたしについて[自己紹介]

          小さなころと大人になってからのわたし 小さかったころ、 物静かなこどもでした いつも物静かだったかというと、それは嘘で 家庭のなかでは怒りんぼうで、わがままで、 時々ひょうきんで 家のなかの自分のまま、学校で過ごせたら どんなに楽だろう、 と思春期ぐらいまで思っていました 大人という年齢になり、なかの自分とそとの自分の違いが 薄まって来たと思うのですが、 つまりは自分をこれでいいと受け入れられたということです 小さな頃、外では物静かだった私は いつも薄いビニールの

          わたしについて[自己紹介]

          カフェ開店。コーヒーはございません。

          コーヒーにまつわる物語を提供いたします ある町の片隅の路地の先に…STORY CAFEがある 店主はプードルの兄弟、クロ(男の子)とチョコ(女の子) ここのカフェ、普通のカフェに見えますが メニューにコーヒーが見当たりません あるのはコーヒーにまつわるストーリーだけ コーヒーのあるところに物語あり 美味しいコーヒーが一杯あったら、それだけで幸せになれる コーヒーが好きな人もコーヒーの苦手な人も こころがポッとする物語をご提供いたします 店主がいつでもあなたをお待

          カフェ開店。コーヒーはございません。