昔は良かった

と、よく言うじゃないですか?
特に、歳を重ねた人ほど。

先日30+1歳となった私も例外ではなく、
なんなら私は20代前半の頃から既に
「あー、あの頃は良かったなー」
と懐古に浸ることも少なくはなかった。


昔は良かった。

中高生時代。
SNSがそこまで発達してないから
話題の進歩もそこまで早くなかったし、

当然TikTokなんて無かったから
短い尺の中で踊る動画を投稿しなくても
仲間からハブられるようなこともなかった。

YouTubeも泰明期だったから
迷惑系とか企業案件とかじゃない
ただただ純粋に楽しませようとしてくれる
質が低いけどなぜか繰り返し観てしまう動画を
当然広告無しで視聴することができた。


数年前。
会計士試験の勉強するために一旦仕事をやめ、
専門学校に通い始めた。

もともと大学に進学したかったが
家庭の事情で高卒で就職したということもあって、
専門学校時代は勉強は大変だったが
とてもとても楽しかった。

特に、1つ年下の女子大生の子と
一緒に勉強できた期間があることは
私のあまりに大きな財産となっている。

もうあんまり記憶に残ってないけど。

その後、再就職。
再就職したての頃は同期とわいわいしたり、
収入が上がってほくほくした気分に浸ったり
その頃もよい時間だったと思う。

そして、今。2024年の2月。

年末調整が終わり、確定申告が忍び寄ってくる。

忍び寄ってくるというか、
むしろ結構音を立てて大胆に迫ってくる感じ。

不足している資料。
集計してもらった金額の違う手書きの医療費明細。
聞いたこともない自治体へのふるさと納税証明書。

デスクは資料で山積みになり、
引き出しや棚は資料がはみ出している。
スチール製の棚の扉が資料による圧力で
こんもりとしているように見えなくもない。

11月から5月くらいまで繁忙期。
朝早くから夜遅くまで。

働くことは嫌いじゃないし、
むしろこの仕事は好きだ。
忙しいことにも慣れている。

では、数年後に今頃を振り返って
「あー2024年の2月くらいはよかったなー」
となるかといえば、そうは到底思えない。
というか、覚えてないと思う忙しすぎて。

なんなら、2023年の2月くらいにも
2022年の2月くらいにも戻りたくはない。
というか、ここ最近の「寒い時期」は
常に忙しいのが当たり前であんまり記憶にない。

そんな弊社も時代の流れに乗るべく
ITやDXの推進が目覚ましい。

大量の領収書や請求書なんかは
スキャンしてしまえばあとは勝手に記帳を代行してくれるし、
税率なんかも勝手に判定してくれる。
そして申告関係は電子申告が当たり前。

非常に良い時代だ。

会計士はもとより、税理士業務は特に
ITに仕事を奪われると言われる。
私もいろんな媒体で見聞きしてきたし、
色んな人から直接言われることもあった。

ただ、現場人から言わせてもらえば、
IT等の推進により仕事を「ITに奪われる」のではなく、「ITに押し付ける」ことによって時間を確保し、それこそ人間にしかできない業務に時間を割いて付加価値を作ることができる。

ITバンザイなのである。

「ITに仕事を奪われる論争」こそ人間なんかがやらずにITに任せてしまえばいいじゃない。


ITやDXの推進に関しては日々進歩しているので
今よりも未来の方が確実にレベルが上がっている。

したがって、これに関しては少なくとも、
「あの頃は良かった」とはならないと思う。


話を戻す。

どこまで戻すかといえば、冒頭の、

「私は20代前半の頃から既に
「あー、あの頃は良かったなー」
と懐古に浸ることも少なくはなかった。」

という部分。

これに少し付け加えると、

私は現在でも、「あの頃は良かったなー」
と懐古に浸ることがある。

「昔は良かったな」と思う時期の対象は、
当然歳を重ねるほど広くなっていく。

40代になった時に、30代の今頃を
「昔は良かったな」と思うのかな?

それとも、さっき書いたように
忙しすぎて懐古できないくらいには
今頃のことなんて覚えてないのかな?

少なくとも今言えるのは、

昔を懐古しなくてよくなるほど
今を充実させられたらいいよね、ということ。

そのためには、

確定申告の資料は不足なく、
医療費は間違いなく集計し、
できるだけメジャーな自治体へふるさと納税してくれ!

※能登半島地震の寄付(義援金)も当然寄付金控除の対象となるので、ぜひ。



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