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【 レポート 所沢市長選挙2023年】新市長誕生の背景をデータから探る


「所沢市民が手をつなぐ会」のnoteでは、地域の市民活動の告知や報告をはじめ、市政や市議会の動きについての寄稿を掲載しています。
今回は、2023年10月・所沢市長選挙での新市長誕生の背景についての品川昭(所沢政策科学研究会)の分析です。



● 総括 小野塚まさとし市長が誕生

・今回の選挙の最大の特徴は、投票率が6.81%と大きく伸びたことです。しかも全世代にわたって、前回選挙に比べ投票率を伸ばしました。

中でも子育て層の30~49歳の年代においては前回の選挙に比し、10%前後の伸びを示しました。

・この結果は小野塚候補が立てた今回の選挙戦略が功を奏したと考えます。
 ① 完全無所属(どの政党からも、どの団体からもも特定の支援を受けない全方位等距離)の立場に立ったこと
 ② 子育て世代に的を絞った公約(育休退園の廃止、給食費の無料、18才までの子ども医療費無料など)を掲げたこと

・そして初登庁した10月30日に「育休退園制度を本日をもって廃止する。」と公約の最初の実行を果たし、11月26日に子ども、子育てをテーマに
した「タウンミーティング」では200名の方が参加し、一斉に発言を求めるなど、これまでの不満が一挙に爆発した感があります。

・今回の選挙の最大の特徴は所沢の市民自身が「投票によって政治を変えることができる。」ことを確信し、実感したことであると考えます。

1) 12年間の4回の市長選挙との比較

① 市長選挙の投票率は38.8%と前回選挙(2019年)に比べ6.81%と大幅に上がり、過去4回の市長選挙の中で最も高い投票率となりました。

小野塚候補の獲得した得票数57,272票は過去4回の選挙で最も高い票数となりました。

③ 23年の市長選挙では3人の候補者が出馬しましたが、小野塚候補は過半数の得票率51.7%を獲得しました。

2) 市長選挙の年代別投票率 2023年と2019年の比較分析

① 男女合計の年代別の前回との比較分析

〇 全年代層において万遍なく、前回に比べて投票率が大きく伸びた。
〇 中でも30~45歳の年代では9%以上伸びた

② 女性の年代別の前回との比較分析

〇 女性層においても、全年代で投票率は伸びた。
〇 20~69歳にわたって、全年代で5%以上の高い投票率の伸びを示したことは特記すべきである。
〇その中で子育て層の30~49歳の年代において約10%以上の投票率の伸びは極めて特記すべきことである。

③ 男性の年代別の前回との比較分析

〇 男性層においても全年代において投票率は伸びているが、女性層と比較した場合に伸び率は低い。
〇 但し、男性の18~19歳の層においては、女性に比べ投票率自体も高く、伸び率も高いことは注目すべき。
子育て層の35~39歳においては、女性と同じく10% の伸びを示した。


【品川レポート】シリーズ


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