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悠冴紀/小説家・詩人
2019年11月27日 08:06
作:悠冴紀蒼白い雪を被った鋭い針葉樹林を私は手探りで駆けていくどこから来たのかどこに向かっていたのか時折わからなくなる自分がいる今はそれでも走るほかない凍てついた樹海の奥から狼たちの遠吠えが聞こえてくるあれは血に飢えた冬の捕食者かつての私に 似た奴らだ目印もない雪原の中私には君だけが道標だった君の雪山に語りかけ木霊する声の反響で己の立ち位置を知ることが