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悠冴紀/小説家・詩人
2021年8月4日 12:04
作:悠冴紀答えなどはじめからどこにも存在しない誰かの導き出した明確な答えは他の誰かにとっての問いとなる私にも誰にも答えようがないその時どきに見出す小刻みの持論ならすでに幾度となく言葉にしてきた年月を経てそれら全てが問いに帰するだから朽ちない循環により生を得る終局を迎え 落ちた木の葉は残像だけをおいて土にかえる土を踏みしめる誰かが樹を見上げるときそこに
2021年6月3日 12:48
作:悠冴紀何人の人間が知っているだろう自由とは完全なる孤立誰にも何も求められなくなったあとの真の孤独を意味すると何人の人間が知っているだろう自由とは責任ある選択の連続誰の導きも 何の保障もない日々手探りの道なき道を意味すると自由を求めて闘うとき人は輝き 高められる自由を得て尚 生き続けるとき人は戸惑い 途方に暮れる得難いものを得た喜びに満たされ今後の期待に胸を
2021年2月10日 11:17
作:悠冴紀かつて私には希望があった同時に身勝手で冷酷だった彼方の永遠を追うあまり目の前の今が見えずにいた不遇に見合う特別さを目指すあまり平凡に見える恵みを軽んじていた残り続けるものに執着するあまり消えゆくものには目もくれなかったそして多くを失った何もないつもりでいながらすでに手の内にあった掛け替えのないものを警告など無意味だ筋違いな敵意を集め無駄に消耗するだ
2020年2月19日 19:09
作:悠冴紀「おかえり」その響きに対する憧れはなかった今も変わらず 昔から長い間 ずっと帰りたい家がなかったためかそれを寂しいと 感じたためしもない「おかえり」その一言を聞いて抱くのは違和感のみだった自覚はある醒めた人間だ無い物ねだりの甘い期待に縋るほどロマンチストになどなれなかったいかにも自分らしいとつくづく思う誰も帰りを待たない自由を愛し清々しい充実