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【小説】何でも屋ワンダー・パレスの霊能力者 第2話
洋館へ連れてこられた辻が、広い敷地と絢爛な建物に唖然とする。ミキは彼を車から降ろして、玄関の方へと連れていった。
蔵彦が車を裏庭の車庫へ入れて戻ってくる。大扉の前で待っていたミキや辻と共に、鍵を開けて中へ入った。
温かくとろりとした匂いがロビーまで漂っている。乳白色が脳裏に浮かんだところへ、お静の顔が首を長く伸ばしてロビーに現れた。
「うわぁ!」
「人の顔見ていきなり何だい。失礼な」
「お静
【小説】何でも屋ワンダー・パレスの霊能力者 第1話
街灯が、アスファルトの道を闇から浮かび上がらせていた。
男は一人、日付が変わってすぐの街をのっそりと歩いていく。薄っぺらな鞄は肩から重く下がり、皺になったスーツは前が開いて揺れていた。
街灯の光から出て暗がりに溶け込む。十歩ほどしかない次の光まで、足を引きずるようにして進んだ。
五歩目を地に付ける。背後からさりさりと何かがアスファルトに擦れる音が聞こえた。歩く速度は変えない。
次の街灯の