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いいへんじ「器」を観ました。

※この記事にはネタバレが含まれます。まだ観てないよ!という方で観る予定の方は観てから読んでもろて……。観ない方が置いてきぼりにならないように感想を書きます。私自身のことも書きます。


はい。初日に観に行きました。6月8日~6月18日までで2本立てなんですよ今回。私は「器」という作品の方を観ました。ダルカラ同期の宮地くんが出演してるってのもあって行ったんですが作演の中島さんのことが前々から気になっていて(良い意味で、です)。お話に聞く機会が何度もあったし、テーマも気になってたし、どんな話なんだよって気になった方はこちらどうぞ。
器/薬をもらいにいく薬 | いいへんじ (amebaownd.com)
ご来場のみなさまへ、という前以ての予約メールと開場中のアナウンスにもあったのだけれど、『今回上演する『器』/『薬をもらいにいく薬』には、登場人物の心理的危機(強い希死念慮を感じる・過呼吸発作を起こすなど)の描写が含まれます。また、『器』にはモラルハラスメント(言葉や態度による暴力)の描写~~~(以上公式サイト引用)』とのことでしたがそこまでやああああああああべええええええええここから逃げてええええええとはなりませんでした。色々思い出してしんどくなったけれども。ちゃんと場内にスタッフさんがいらっしゃるので具合悪くなったら途中退場できるそうです。有難い配慮です。

感想。登場人物8人。人間の登場人物は5人いて、そのうち3人に「死にたみ」という擬人概念が付き纏ってるんだけれど、それぞれの概念がちょくちょくすげー死にたくなるようなこと言ってくるんだけれど(死にたみ、だしね)、それがボディブローのように入ってくるんだよね。でもこの「死にたみ」という概念は私たちも生きてたら持ち合わせていると思うんだけれど、そういうものに強く直面してきた人ほどこの舞台はうわああああああああああああってなると思うし、Twitterにも書いたんだけれど観た人でフラバしたり何か引っかかることがあったり共感しすぎちゃった人はそれこそ劇中で配信者の「サキ」が言ってる台詞のように「ご自愛ね」という気持ち。作品違うけれど『明日、私は誰かのカノジョ』って漫画知ってます?今実写ドラマもやってて、私あの作品大好きなんですよ。登場人物たちの精神描写がリアルというか、この時代だからこそ描かれているものがあるというか。ほいでTwitterでとあるツイートがバズってたんですが要約すると「Amazonのレビューにこの漫画共感できなかったって書いてる人いたけれど、そういう人は幸せだ」的な……そうだね……そうだね!!!!!!って思ったんですがその時。今回この舞台も共感できない人がいたら、もしいたら幸せだと思うからこの先も健やかに生きてほしい、と思うし、大事な人が立ち止まって歩けなくなったらどうしたらいいかとか、そういうのもひっくるめて素敵な舞台だったので心に残ったらいいなという部外者だけれどそういう気持ちです。


観てて2回泣いたんだけれどさ、私の泣きポイント書いておくね。
1回目。宮地くんが演じていた「カズキ」っていう役(まあなんか一番メインぽかったね)が恋人の「カナコ」と作った器を割ってしまった後に色々と耐え切れなくなって泣くんだけれどその時に私も泣いちゃって涙止まんなかったな暫く。この舞台良いなと思ったのがこういう舞台で陥りがちな「泣かせにきてる」ところがなかったところです(個人的見解)。いやあんなん無理よ。耐えられん。カズキは無職でカナコは外に働きに行ってるんだけれど、なんかこう~~~~~器を誤って割っちゃうまでのドラマを考えるとさ、いや、無理よ。あんなん。よく割らせましたね脚本。中島さんこええ。死にてえ。あんなん死にてえよ。共感性NO.1星座かに座の女である大内はクソほどにあの瞬間カズキ!!!!!カズキ……ってなっちまってもう死にたくて止まらねえ涙も止まらねえ。カナコが心配そうに、でもどうしたらいいかと戸惑っているうちにカズキがぼそっと「死にたい」って言いました?泣きながら、というか俯きながら言ってて聞き取り切れなかったんだけれどそれも良かった。その「死にたい」が「一緒にいたい」にも聞こえて、あれ、どっちなんだろ。宮地に聞きゃあ正しい台詞がわかる話なんすけど個人的にはどっちでもいいです。観てるこっちからしてみればどっちもあり得るし、助けてくれカナコという気持ち。でもカナコだって助けてほしいよな!ふたりに足りなかったのは対話、というか、大体の関係性に於いて最近「対話」が足りないとすれ違ったりよくない方向にいってしまうなと思っているのでなんか最後お互いがお互いのペースで歩み寄って、歩いて行けそうなラストになってくれて安心した。でもヤンデレ大魔王の大内からしてみるとあのサキって女、カナコからしてみて大丈夫ですか?と思っちゃう。私だったらあの存在許容できないな。でも配信で同級生に出会う流れ、めちゃくちゃカズキ的には運命感じちゃうよな。感じちゃわない?自分が寝れなくて不安な夜に偶然高校の同級生が配信やってるところに遭遇すんだよ?だからといって安易に浮気の流れにならなくてよかった脚本……とも思ったし、サキの「カズキくんならわかってくれると思ってた」って最後に死にたみに対して言えたのも良かったな。それって本来認めたくない弱音部分だろうし、自分の死にたみと向き合えて良かったやん。でも私がカナコだったらぜって~無理、あんな存在無理。推しならまだしも、推しじゃないじゃん高校の同級生じゃん~~~ってなる。あと4000人のフォロワーいたら割と変な時間でも配信ぜってー見る人1人はいるよとか余計な事ほんのり思ったけれど。そこはSNSで配信始まったこと共有してなかった~って台詞があとに続いていたのでまあ納得できるっちゃできるけれどね。なんかそういう所含めて脚本の「痒い所に手が届く感」が良いです、はい。


2回目(これ私の泣いたところ書いてたんだったね)。
劇中に「ハル」という死にたみ概念と割と共存している役がいたんだけれど、この役が自分がどうして死にたみと生きているのか、カズキにどうやって向き合っていったらいいのか、過去のことを含めてカナコに話してるところ永遠と泣きました。お疲れ様でした。涙腺崩壊。劇団スポーツの竹内蓮さんが演じていたのだけれど私は何度も劇団スポーツ観ていて(ダルカラ同期の内田くんが主宰してるよ)、今まで観てきた中でなんか一番感情移入できたというか、まあそれは役に感情移入したという方が正しいんだけれど。引っ越し業者で働いていたけれどうまくいかなくて、って話す内容がまんま今の私だったんですよね。ああもうあれ本当にだめだったな、良い意味で。引っ越し業者ではないけれど、私はそこを役者に転換してたけれど、それ以外はほぼ同じ境遇で、死にたみが生まれて動けなくなっていることをつら、つらと話していて、このハルは兄で弟のショウが兄を支えているのだけれど、なんかそういう死にたみの部分や、どうしたら立ち直れるか、とかそういう本人しかわからないことは理解しきってはいないけれど傍にいてくれる人がいるのも私と同じでああああああああああああああああああああああってなっちゃった。その話を聞いているときのカナコも、ハルの死にたみ擬人概念も良かったな。

私、いまとても精神的に良いわけではなくて、お芝居とってもしたいんですがリハビリ中なんです。勿論オーディションも色々と応募しているし、WSも少しずつ通えるようになってきて、日舞も続けているお陰でちょっとしたステージにも立たせてもらえて。でも肝心のお芝居はどうだろう。適切な距離感を保っていたい。ちょっとでも変な傷に触れるとぶわっと泣き出して立ち止まってしまう。これに関しては自分でもどうにかしようと思っています。過去に受け続けたセクシャルハラスメントやパワハラ、が主な原因です。ことあるごとに思い出してしまい日常生活にも支障をきたしているので、第三者機関に相談しようと思っています。私にもハルにとってのショウみたいな人はいるけれど、依存にはなりたくないし、ちゃんと自分の足で立って、相手がしんどい時にも支えられるようになりたいと思っているし、なによりお芝居をし続けたい私が出来なくなるのは個人的にも不本意なので。だからこそ今回観たハルの語るシーンがぶっ刺さっちゃって。死にたみ、という存在はそんな人たちをある意味守るためにあって、自分のそういう部分を許容したり、認めたり、だからこそそんな自分のそういう気持ちも含めて、生きていこうという、なんかこう...…綺麗事で済ませないでいてくれたのがありがとうと言う気持ちで観ていられたポイントでもありました。そういう気持ちを押し込めて、無視している方が健康に良くないことあるよね。

きっとこの舞台を観て救われる人がいるだろうな、とも思うし、とても辛い気持ちになった人もいるだろうし、でもそれってそれだけこの舞台が良かったってことだと思うので、拙い感想なのですが、大変お腹いっぱいなのですが、色々と考える機会が得られて観てとても良かったな、と思う次第です。精神世界デスノートだった。てか思うんだけれど「その演出どうなん」とか「そのお芝居どうなん」とか思わずに済んだってだけで「面白かった……」ってことなんじゃないかな、って私は思っているんですよね(最低)
現実に引き戻されることなく、作品を通して自分を見ている時間が多ければ多いほど上質な舞台の力・芝居の力が働いていると私は考えています。これは自論だからさ、そうじゃないよ!って方は沢山いると思うし、まあ最悪どんな見方したって良いんだよとは思うしね。私だって推しが出てる舞台なんて推しの定点カメラしちゃうしね。推しっていいよね。みんな今度推しの話しようよ、推しのお陰で今月観劇貧乏だよあたしゃ。


ってことで、この辺でばいばいまたね。
もっかい書いておくけれど観に行きたい人はこちらから。
宮地くんは「薬をもらいにいく薬」もオススメだよって言ってたしセット割もあるから観たい気持ちむくむくしてるよ。
器/薬をもらいにいく薬 | いいへんじ (amebaownd.com)
はい、夜勤中にカタカタと感想書いた大内でした。ばいばーい。


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