坂井のどか

旅先の出来事とか、好きな美味とかを好きに書き散らしとく。 2024年1月『もののふうさ…

坂井のどか

旅先の出来事とか、好きな美味とかを好きに書き散らしとく。 2024年1月『もののふうさぎ!』刊行。文芸社文庫NEO小説大賞の優秀賞をいただいた、剣術の部活青春小説。

マガジン

  • 青森をめぐり味わう

    青森のあれやこれやを味わいまくる。でも実質は好きな小説の聖地巡礼。

  • 中国放浪の旅

    バックパッカーとして中国のあちこちをふらふら旅した時の記録。

  • 【ベトナム】旅と美味美味

    ベトナムの美味と旅の思い出

  • 【沖縄】旅と美味美味

    沖縄で出会った美味美味。我が生涯最高のステーキ、ジンベエザメ先輩へのあこがれ、もずくの天ぷら、抱腹絶倒のハブ博物公園!

  • シルクロードと美味美味

    中国放浪中、シルクロードで出会った美味とか楽しい体験とかいろいろ。

最近の記事

【青森】その5 さよなら青森また会う日まで

 地元おこし、というのはとても難しい事業だと思うけれど、成功を収めた例も確実にある。  青森の外ヶ浜にある〔マツオスーパー〕が、そのひとつだ。  青森が産んだ作家・風祭千さんがSNSでも触れていて、最初はなんのことかわからなかったけど、風乃まちさんという方が中心になって活動しているとのこと。  その企画の一環として、地元のマツオスーパーでは、店舗面積の半分くらいを使い、寄贈された本を展開している。  くわしくは、風乃まちさんのWEBサイトを見てほしいけれど、一種の聖地的に賑

    • 【青森】その4 とりやす まんぷく焼き鳥定食と、ねぶたの大迫力

       ねぶたは、日本の三大祭と言われている。  その時期にホテルを取るなら、一年前からの予約が必要とか!  今年の1月に予約サイトで調べたら、どうりでどこも満杯だったわけだ……。  いつかお金持ちになれたら、絶対に実物のねぶたを、この目に焼き付けたい……と決意しながら入ったのが、ねぶたの資料館である「ワ・ラッセ」だ。  あおもり駅前ビーチのすぐまん前に、ででーんと建っているワインレッドの瀟洒な箱形建造物が、それだ。  青森が産んだ小説家・風祭千さんに付き添ってもらって、入管。

      • 【青森】その3 渋いチョイスのジェラート トウモロコシとよもぎ

        「わたし史上、最北端のビーチ……」  北に向かって拡がる海辺の、波打ち際に立って、わたしは感慨深く景色を堪能した。  前にも述べた通り、この青森旅行は、風祭千さんのデビュー作『チューニング!』の聖地巡礼なのだ。  青森の魅力がてんこ盛りに詰まっていて、青森に1ミリも興味がなかったわたしに「青森って、素敵!」と思わせるほどの、爽やかな破壊力を秘めていたのだ。  綺麗に整備されているビーチで、履いていたサンダルを脱ぐ。  抗えない誘惑に、わたしは一歩一歩、渚へ近寄り、ついに…

        • 【青森】その2 わくわく車中泊と、海鮮のっけ丼

           夜の青森市街を歩く。  車中泊の体勢へはいるまえに、市街地の雰囲気を味わいつつ、青森が産んだ作家・風祭千さんのおすすめ中国料理店へ。  中華料理というよりは、高級めの中国料理店。  それでいて、麺類やチャーハンはリーズナブル。  品のある優しい味が、疲れた身体に染み入る染み入る。 ◯  真夏や真冬に車中泊は地獄かもしれないけれど、今くらいの季節は、たぶんちょうどよい。  道の駅へ到着したのは22時くらいだったけれど、もう、ほぼ駐車場は埋まっていた。  どの車も、フロン

        【青森】その5 さよなら青森また会う日まで

        マガジン

        • 青森をめぐり味わう
          5本
        • 中国放浪の旅
          9本
        • 【ベトナム】旅と美味美味
          6本
        • 【沖縄】旅と美味美味
          6本
        • シルクロードと美味美味
          19本
        • 北温泉(那須)
          8本

        記事

          【青森】その1 弘前・さくら祭と、悠久のまったり喫茶店

            ほぼ葉桜だらけの、さくら祭を楽しんできたよ。  関東圏なら4月初旬が桜の季節。  本州最北端の青森県なら、ゴールデンウィークの時期こそが満開の時期……だったらしいけど、開花が年々早まっていて、わたしが行った時はもはやほぼ葉桜。  桜の品種によっては、咲いている木もちらほら。 「以前は、雪が残っている中で、今の時期が一番の見頃でしたけど……」  とは、青森の書店員さんからの情報。  ほんと、時期がずれてきてるんだな……。 ◯  でも大丈夫。  わたしが弘前公園へ来

          【青森】その1 弘前・さくら祭と、悠久のまったり喫茶店

          【中国】雲南へのゆっくり旅行と列車の女帝

           どうせなら、ゆっくり走る列車で旅をしたい。  数日前に成都を経って、じっくり南下し、高くて綺麗で速い列車は避けて、なるべく安くて遅いのを選んで乗り継ぐ。  目的地は、雲南省の大理。 「中国をバックパッカーでめぐるなら、絶対に行っとけ。あそこは、パラダイスだ」  旅の途中で知り合った欧米人に、そんなアドバイスをもらったもので。 ◯  そんな、パラダイスと名高い大理へと向かう道中は、どうせなら急がずに安くて遅い列車で向かおうと考えた。  四川省の成都を発って、まずは普雄とい

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          【ハノイ】ベトナムその6 ベトナムのつけ麺と、たまごコーヒー

           ベトナム最後の夜を、美味しいご飯でわいわい過ごす。 〔ブン・チャー〕というのは、ベトナムのつけ麺みたいなもの。  当然のように、麺は米粉。 ◯  夕方、Yさん達とわいわいおしゃべりしながら、夕食へ向かう。  時に細い路地を通り抜けたり、あちこちぐねぐね曲がったり、ついに辿り着いた先は、とても庶民的で安い感じの、小さな食堂だった。  変に小綺麗な店より、こういうところこそ大好き。  人によっては「衛生的じゃない」と嫌うかもしれないけどね。  昔話で盛り上がりながらも、

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          【ハノイ】 ベトナムその5 戦争の歴史と、地元スーパー

           ベトナム滞在、最終日。  三泊四日は、やっぱり短すぎた。  K美さんはあまり食欲がないようで、コンビニで調達しておいたポカリだけで済ました。  わたしはふらりと外へ出て、すぐ近所にあった軽食屋さんへ。  現金は最低限でよかろう、と1万円しか両替していなかったので、財布の中身がわびしい。  看板をみると〔バイン・ミー〕というのが、どうにかギリ買えそうなお値段。  バイン・ミーは、わかりやすく例えるなら、SUBWAYのサンドイッチ的な食べ物だ。  切れ目を入れたパンへ、マー

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          【ダナン】 ベトナムその4 風流なる水郷・ホイアン旧市街

          「夜だったら、めっさ風流だっただろうね……」  ホイアン旧市街は、中国風の灯籠がたくさんぶらさがっている水郷だ。  川だか運河だか、とにかくかつては水運による貿易がさかんだった街で、両岸に中国風の建物がならんでいる。  残念なことに、わたし達は日帰り。  夜まで悠長に過ごしているわけにはいかない。 ◯  まずはお昼ご飯。  ベトナム料理は、大まかに調べてある。 「ホイアンなら、カオ・ルーだ!」  少し時分どきをはずした食堂には、他に客らしき姿は見当たらず、まず貸切状態。

          【ダナン】 ベトナムその4 風流なる水郷・ホイアン旧市街

          【ダナン】 ベトナムその3 五行山・あるいは秘密結社の要塞?

           日本に例えるなら、東京から広島あたりへ日帰り旅行するようなもの。  片道1時間半のフライトで、その日のうちに戻ってくる強行軍。  K美さんは超絶寝不足。  わたしの咳が一晩中ずっと鳴り止まなかったらしい(寝てたので自覚なし)。  一路、風雅な伝統的土地である、ダナンへ。 ◯ 〔五行山〕と聞くと、西遊記的イメージがふくらんで、わくわくする。  その名の通り、だいたい5つくらいの険しい岩山がそそり立っている場所なのだ。  あたかも、神仏が手のひらを地上へ押し付け、それが

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          【ハノイ】 ベトナムその2 ベトナム料理三昧と、おしゃべりし過ぎの夜

           雨に降りけむるベトナム・ハノイの初日を、のんびりホテルの一室ですごす。  仕事が立て込んでいるのか、ハノイ在住の友達・Yさんからの連絡はない。 「ま、気長に待とうよ」  友達と言い合いながら読書をつづけて、20時。 ◯ 〔Ngon Garden〕というレストランで、三人ひさびさの再会。  ンで始まる店名とは……と思っていると、Yさんが解説をしてくれた。 「このNgonという言葉はね、美味しいというベトナム語で、つまり『美味しい庭』という意味で……」  少しお高めのお店。

          【ハノイ】 ベトナムその2 ベトナム料理三昧と、おしゃべりし過ぎの夜

          【新宿】上海小吃 ガチ中のガチ中華と、NEO作家4人娘参上!

           歌舞伎町の表通りから、細い裏路地を通ったその先にある、ガチ中のガチ中華。 「龍が如くに、こんな風景あったよなー」  通常なら、まず自分から入ろうとは思わない、危険な雰囲気。  その裏路地の先に〔上海小吃〕がある。 ◯  文芸社文庫NEOという、10代20代向けのライト文芸のレーベルがありまして。  そのNEO作家さん仲間4人で、 「今度あつまろうよ!」  となりまして。 ・位ノ花薫さん……コミカルでキュンときてミステリ要素のある、ひと夏の物語『幽霊とペリドット』 ・

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          【ハノイ】ベトナムその1 庶民的フォーのお店

           ベトナムが、大好きになった。  ご飯はヘルシーで美味しいし、なにより、ベトナム人は超絶親切な人が多かったから。 ◯  友達のYさんが仕事でハノイに赴任している。  任期が終わるまでの数年のうちに、一度は遊びに行こう、と共通の友達・K美さんと約束していたのだ。  宿泊は五つ星の〔メリア・ハノイ〕で、とにかく清潔で居心地がよかった。  これはK美さんに選んでもらったものだけど、もし宿泊担当がわたしだったら、バックパッカーのノリで安宿を選んだかもしれない。  結果的に、メリ

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          今週はサボると決めました

          親知らずを抜いたら、noteどころじゃなくなったので、今週はサボります。

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          【沖縄】その7 沖縄最後の夜と、琉球の音色

          「龍が如く3の世界、そのまんまだなー」  最後の夜は、国際通りの飲み屋さんでしめくくろうと思っていた。  ふらり、予備知識もなく入ったそのお店は〔沖縄料理ちぬまん〕とあって、店内はとても賑わっている。  二人とも、そんなにお酒は飲めないから、店員さんおすすめの泡盛を二人で分けて、ちびちび飲って、あとはソフトドリンクに逃げるばかりだが、料理はほんと、どれも満足のゆくものばかり。  そりゃそうだ、ゴリゴリの沖縄名産で、攻めに攻め切った注文だったし。  てびち煮付け、ゴーヤ、海

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          【沖縄】その6 笑い死に寸前!『ハブショー』

          「お前、毒もってんのかー? いえす・あい・はぶ!」  ハブ博物公園のチケット売り場にて、夫(当時は彼氏)が放った、必殺の駄洒落だ。  わたしは苦笑で済ませたが、受付のお姉さんは、なんと想定外の大笑いで、 「えええ……?」  信じられない光景を見たような顔のわたしに、彼のドヤ顔が炸裂した。 ◯  かなりお気軽すぎの「ザ・観光」って感じで、ダサいかなー、と思いつつ〔おきなわワールド〕なんて場所へ行ってみた。  結論から言うと、 「や、行ってよかったよね!」  特に〔ハブ博物公

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