Sao | sociologie en 🇫🇷

2022年9月からフランスの大学へ留学中の30代。手続きと現地の様子、学びの記録です|…

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2022年9月からフランスの大学へ留学中の30代。手続きと現地の様子、学びの記録です|専攻は社会学 ‖ フランス語|12年前からの夢、フランスに住む🇫🇷が現実のものになったので何もかも記録中✏️社会学を学びながらフランス社会を深く知りたい

最近の記事

【フランスで社会学】試験結果と進級可否

フランスで大学2年生をやっている社会人留学生が書いています。 4月下旬に全てのテストと課題提出が終わると一旦肩の荷が下りる。可処分時間の全てを机に向かっていた日々から解放される瞬間は前期と後期の年2回やってくるけれど、いつも「これでもう何にも追われないでいいんだ」という安心感を抱く。 結果が出るまで1カ月待つ。後期のテスト及び課題提出の結果と、前期の結果も合わせた点数の平均が進級ラインに達しているかどうかの二つが5月下旬にウェブで発表される。私が通うフランスの国立大学は、

    • 学びを活かす一時帰国計画

      フランスの大学の2年目を終えた社会人留学生が書いています。 「自分の中にあったモヤモヤを消せればそれでよかった」ということが、2年間フランスで大学生をやって、私の欲望がほぼ全て満たされたことで分かった。フランスで勉強し直すのが夢だった。その先の就職をフランスで絶対したいとは出発前は思っていなくて、私の目標はまず第一に学ぶことだった。大学での勉強を2年間全力でやると、勉強したかったのに満足にできなかった(社会人に時間はない)葛藤がほぼ消えた。もちろん、卒業する年の3年生の授業

      • フランス語で書く苦痛の消え方

        生来の「文章を書くことが好き」という性質は、フランス語の場合、思考は形になってるのに書けないことがストレスで、ずっと表われ出ることがなかった。真っ白の紙を前にしてこれから数万字を2週間で書かなければいけないと思うと気が重くて仕方がなかった。 社会学部の大学生は書く機会が多い。先生が指定した項目に沿って論文のレジュメを作ったり、記述式試験では最低でもA4で3ページは書いたり、レポートは3万字近くを求められたり。 そんなこんなで2年間フランス語を書きまくった結果、メールやメッ

        • フランスで大学2年目を終えたときに見えてくる現実と、それでも落ちてくる希望の欠片

          渡仏してしばらくは人生がガラッと変わって(当然です。社会人から学生になったわけだから。しかも外国で)、物事がめまぐるしく動いていくから「なんとか生きてく!」って感じなんだけど、大学2年生の全てのテストと課題を終えた今は「さて、あと1年で卒業だし現実も見えてきたな…」ってちょっと落ち着く。そして、フランス語の超えられない壁が分かってくる。ネイティブが複数いる会話に本当に入れたって思える日はやって来るのだろうかとか、大学のグループワークでもきついのにこれが仕事になったら私の気持ち

        【フランスで社会学】試験結果と進級可否

          【フランス留学】インスタグラムのコミュニケーション

          渡仏して2年目の30代の留学生です。友達と連絡を取るために欠かせない、Instagram。初めてのアカウントを作ってからもうすぐ1年が経つので実際に使った感想を書きます。 なぜ、ストーリーズでシェアするのか? どれも素敵な写真なのになぜ24時間で消える投稿を選択するのか初めはよく理解できず友達に「これはなるべく多くアクセスさせるためのMetaの戦略なのか」と聞いたところ何を言っているんだ、という顔で「日常の些細なこととか、別にずっと残さなくてもいいことを投稿してるんだ。そん

          【フランス留学】インスタグラムのコミュニケーション

          30代の留学で一番腰が引けること

          30代の留学で一番腰が引けるのは、年齢を友人たちの前で言う瞬間です。複数人で集まると大抵の場合、そこに一人か二人は初対面の人がいます(友達の友達は友達)。「どこから来たの?」「フランスは何年め?」「なんでフランスを選んだの?」など開始1時間ほどはみんなが気になる基本的な質問とその回答が次々に飛び交います。 場が打ち解けてくると「ところで、みんな何歳?」と誰かが言い出して「19歳」「ハタチ」「25歳」と順番に言っていくんですが、私の数字に対して返ってくる反応だけがいつも「驚(

          30代の留学で一番腰が引けること

          フランス学生生活:新学期の気持ち

           2022年9月にいよいよフランスの大学1年生がスタートしたとき、私はけっこう疲れていたようで次のようなメモが残っていた。「この消耗感は、新しい環境に飛び込むときと同じ。新卒入社の初めの1カ月も、転職してからの数日間も、同じような疲れを感じてた。責任がかからないことをやっているのに、ただその場にいるだけなのに、なぜかとても疲れる。でも、何回も経験してるから、この疲れがいつか全くなくなることも知ってる。とりあえず、しんどくてもリズムを崩さずとにかく行くこと。行ったらなんとかなる

          フランス学生生活:新学期の気持ち

          フランスの健康保険、セキュリテ・ソシアルに加入する

          フランスは外国人学生もセキュリテ・ソシアルという社会保障の対象になり国の医療保険(Assurance maladie)に加入することになります。保険証を病院の受付で出すのは日本と同じですが、医療費は基本的に後日、銀行口座に払い戻されます。この国の保険だけでは全額は戻ってこないので、任意加入の相互保険(ミュチュエル)で残りの医療費を補います。 では、実際に私が加入に当たって参考にしたり、今も使用している関連ページのリンクを全部貼りながら、手続きを振り返っていきます。 まず、

          フランスの健康保険、セキュリテ・ソシアルに加入する

          社会学と労働とアート

          2022年9月からフランスの大学で社会学を学士1年生から始めた30代の人が書いています。2023年6月16日、ついに、社会学の中でも何をテーマに選ぶかが決まりました。 -------------------------------------------------------------------------- 選んだのは「労働」。修士まではまだ2年あるけど、これからは「労働の社会学」を関心のど真ん中に置いて留学生活を送ることにした。学士1年生とはいえもう30代だし、フ

          社会学と労働とアート

          むしろもう、フランス語会話の方が……

          ずっとフランス語喋れない自分が許せなかった。7年目にしてようやく、人と楽しい会話の時間が持てるようになって、相手の言うこともほぼわかってきて、自分のことを許せた。ボケにツッコミで返すの楽しい。私にフランス語でボケる余裕なんてないから冗談言われたら自然とツッコミになるという。これからは語彙を増やして回りくどい言い方をしなくていいようにすることが目標。   この伸びは今回の留学の終盤以降に起きた。つまり渡仏して半年が過ぎたあたり。最初の3カ月はクラスメイトに囲まれたら混乱するだ

          むしろもう、フランス語会話の方が……

          フランス留学:年の差と言葉遣い

           年の離れた日本人と留学先で友達になるとき、いつまでも敬語を外せない問題がつきまとう。水林章氏がフランスの雑誌「Manière de voir」に掲載された「Au Japon, un instrument de soumission」で書いているように、日本の「社会のヒエラルキーの構造はある種、言語の中に入り込んでいる(la structure hiérarchique de la société est en quelque sorte encastrée dans la

          フランス留学:年の差と言葉遣い

          フランス生活「ゆっくりでいいんだよ」

          2022年9月からフランスの大学で学士1年生をもう1度始めた30代の人が書いています。2023年5月末、無事、2年生に進級できることが決まりました。 フランスに来てから何でもプラスに考える癖をつけてて、身についたと思ってたのに試験の結果が返ってくる前はネガティヴ思考になってて「どうしよう、2年生になれなかったら」と家族電話でこぼした。そしたら父が「ダメだったら1年生をもう1回やればいいじゃない」と言った。1年生を、もう1回! お父さん、今私が18歳ならいいけど、もう30う

          フランス生活「ゆっくりでいいんだよ」

          留学中に資格を取ること:DALF C2

          これしたいな、こうなりたいなと思い浮かんだことは、すぐ実現しなさそうなことでも自分の中から消さない。浮かんだ瞬間にメモしておく(すぐ忘れちゃうからね)。欲しいスキル、全部手に入れる。フランスでやれるだけのことをやって行けるとこまで行く。何が将来に役立つか分からないから、時間のあるうちにとりあえずやってみる。 思い付いたアイディアを達成するためにゴールから逆算してプランを考える。 私の最近の計画は、長期休暇の間に資格を取ること。縁はないだろうな〜と長年思ってきたDALF C2

          留学中に資格を取ること:DALF C2

          フランス留学:持ち物リスト【完全版】

           「フランス留学:パッキング」の記事に書いた、日本から持って行ったものは全体の一部だったので、完全なリストを再現します。部屋を見渡して目に入る物の全てからフランス購入品を引けばいいだけの話なので、多分1年前のスーツケースの中身を再現できるはずです。また、これから留学される方にとって大切なのは私が持って行かなくて後悔したもの、やってこなくて後悔したことかもしれませんので最後にそれも念のため書いておきます。 アパレル、ファブリック ダウンコート1着、ライトダウン1着、カーディ

          フランス留学:持ち物リスト【完全版】

          フランス留学:ビザ申請

           2022年にフランスの学生ビザ(大学の学士課程)を申請したので2023年に留学予定の方にとっては最新の体験談になると思います。できる限り詳細に書きますが、前年から変更になった点がいくつかあるかもしれませんし、ビザの種類や申請者の状況によって用意するものは異なります。ビザは最も重要なことなので疑問があれば諸機関に問い合わせることをお勧めします(私は留学エージェントのブログなどは一切参考にしませんでした。情報が更新されていないものがあるので)。しかし、繁忙期には大使館から返信が

          フランス留学:ビザ申請

          フランス留学:パッキング

          少なくとも8カ月は滞在するフランスに、日本から夏に出発する場合、何を持っていき置いていけばいいのか私は悩んだ。LLサイズのスーツケース一つと機内持ち込み用のリュック一つを可能な限り軽くしたい。足りなければフランスで買えばいいんだし。大切なのは身軽に動けてスリに狙われないようにすること(一度、大型スーツケース持って移動していたときに財布を盗られてクレジットカードを使われたことがある)。 軽いダウンコートは入れるけど重いウールコートは置いていく。デニムとカーディガンにTシャツ、

          フランス留学:パッキング