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社会でちゃんとやっていけない我々はどのように働けばよいのか

私が出版の仕事を始めた経緯と、「体調やメンタルの問題で普通に働くことが難しい人間はどうやって生きていけばいいのか」という疑問について。最後に、この疑問に答えるためのいくつかの本の出版計画も。


かっこいい経緯でこうなったわけじゃなかった

今年に入ってから、シロイブックスという出版レーベルを運営しています。

2ヶ月ほど前に最初の本「社会人のための楽器の継続と上達の手引き」を出したばかりで、今は2冊目の本「投資に正解は存在するか」(noteにて無料の先行公開中)の原稿を書きながら出版作業を進めているところです。当然、このような仕事はすぐにお金になる種類のものではないので(印税? やっすいよ!!)、頑張って積み重ねていかないとな、と思っています。

理系出身のエンジニアである私が、どうして本を書いて個人で出版する仕事をすることになったのかというと、それは自身の健康問題によります。簡単に言えば、私はフルタイムで会社員をできるような丈夫な身体とメンタルを全然持ち合わせていないのです。

これは新卒で就職したときから既にそうでした。私が普通に毎日仕事を続けられるのは、せいぜい1年か2年、頑張っても3年といったところです。それだけやると心身が完全に燃え尽きてしまい、ぱたりと会社に行けなくなり、半年とか丸1年とか平気で寝込みます。

この「寝込む」というのは誇張した表現ではありません。学生から社会人になって1年ちょっと働いたあと、初めて会社に行けなくなったときには、丸1年ほど寝て起きる以外は何もできないような日々が続きました。その後はもう少しマシになって、一度心身がダメになっても数ヶ月くらいで仕事以外の日常生活を送れる程度に回復することが多かったように記憶していますが、まあ私の20代はそのような不毛な日々によって埋め尽くされることになりました。

よく「1日8時間、週に5日の労働なんて耐えられない」とか言いますよね。でも、みなさんそう言いながら耐えてるじゃないですか。やっていけていますよね? 私はそれが冗談抜きでできないんです。どうしてできないのかはわかりません。どうしてできる人がいるのかもわかっていません。みんなどうなってんの?

それで、私は個人で本を書く仕事をすることにしました。これははっきりとした決意によるものではなく、最初は「体調を崩した状態でひとりでできることなんて、ネット上に文章を書くことくらいだ」という状況があっただけです。そうしていろいろとブログ等を書き綴っているうちに、単なる趣味的な活動ではなく「物書きになりたい」という職業としての目標が徐々に明確になってきた、という成り行きによるものです。

これはなかなか大胆な進路変更です。元々がシステムエンジニアなら、そのまま同じ専門職としてフリーランスになるという手もあったはずですよね。というか、そっちのほうがまともで手堅い発想です。しかし、私は10年以上に渡ってエンジニアの仕事で体調不良による休職だの退職だのといったことを繰り返していて、もうエンジニアの仕事が心底嫌になってしまいました。二度とやりたくないです。あんなに好きだったのにね。

自己紹介の記事「シロイってこんな人」にもあるとおり、元々私はアマチュアでインディーゲーム制作者をやったり、株式投資を専業にしたり、楽器を始めてからは人前でライブをしたりと、「自分で何かをやる」ということが好きなほうです。今、個人で自分の考えを本にまとめて、表紙のデザインやら出版作業などを全部ひとりでやっているというのも似たようなものです。

結局、心身が弱々で、他人に合わせて生きていくのが下手で、何事も自分でやらなきゃ気が済まないなら、こうなることもある種の必然だったのかな、という気もしています。

私の日々の仕事とルーチン

執筆というのは完全な個人プレーなので、毎日の時間の使い方を決めるのも自分の仕事です。大した進捗も出さずにぼんやりと過ごすのも自由ですが、そうすれば収入の形で結果がすべて自分に返ってくるので、テキトーに流すという選択肢は基本的にないです。

私は朝型の人間で、毎朝40分ほど歩いて仕事場替わりのドトールコーヒーに向かい、7時半から11時の間をメインの仕事時間にしています。長居してもあまり迷惑にならなそうな広いお店を選んでおり、セルフでお水を自由に持ってこれるのが便利です。3時間半の間、休憩はほぼ取りません。たぶんこれがあまりよくないのですが、私はそのような形でしか集中することができないようなのです。

お昼に一度帰宅すると、昼食後に1時間のお昼寝を必須にしています。これがないと、午後にまともに起きていられなくなります。ただ、お昼寝で体力と集中力がしっかり回復するかといったらそうでもなくて、午後に家でまともな仕事ができるかどうかというのはその日の体調次第です。調子がよければ午前中の執筆の続きが多少できるし、逆に頭を使わない雑務程度しかできない日もあります。それすら全然できない調子の日も珍しくないので、基本的には午後に実りのある何かができるとは期待しないようにしています。

仕事以外の毎日のルーチンとしては、夕方にも30分〜40分の散歩をすることと(これで朝と合わせて1万歩くらいになります)、お昼と夕方には家にいる小鳥のふみ子をケージから出して遊んであげています。夜は消灯がめちゃくちゃ早くて、19時前後にはもう電気を消して横になってしまいます。夜もやはり身体を縦にしていられるような体力は残っていないし、読書をするほど頭も働かないからです。

お休みはカレンダーどおりに土日祝日としているので、月曜日から金曜日までをほぼ同じように過ごします。とりあえず、これが今のところ、私がなんとか働いていくための唯一の方法のようです。

我々のような人間が生き抜くための知恵を共有していきたい

この記事のタイトルには「どのように働けばよいのか」という文言が含まれていますね。実は、この記事の中でその答えを書くわけではありません。

せっかくシロイブックスというレーベルを始めて、「人生をよりよくしていくための本を提供する」という理念で動くことに決めたので、「このようなタイプの生きづらさを抱える人たちのためのノウハウを書くことも、私に与えられた仕事なのではないか」と思うに至りました。なので、このテーマは改めていくつかの本にまとめたいと思っています。

「えっ、結局は本の宣伝?」と思われたらごめんね! 私のような活動をしている人間は、自分の日々の気持ちや主張が、そのまま仕事と一体になっているんです。本を書くというのは相当に大変な仕事なので、自分が「これはやる意味がある」と思ったことでないと、最後までやり切れるものではありません。

それで、少し前にシロイブックスの公式サイトに「企画中の書籍一覧」というページを作成しました。この中で、今回のnoteで書いたような生き方関係の話題の本としては、以下の3つが該当します。すべて仮タイトルです。

  • 人生の意味のつくり方:幸せと自己肯定感のためのレッスン (SR-003)

  • 発達障害とメンタル疾患を持つ人のサバイバルガイド:お金の悩みから人生の肯定まで (SR-004)

  • 人間関係が苦手でもなんとかやっていくための本 (SR-007)

直接的には、私のような心身の弱さを抱える人のための本は2点目の「発達障害とメンタル疾患を持つ人のサバイバルガイド」になります。ASD・ADHDといった発達障害をベースに持っていて、社会適応していく上でうつ病のような二次障害を引き起こしてしまった人を具体的な読者イメージとして想定していますが、それ以外のメンタル疾患や生きづらさの感覚を持つ人にも役立てられるような本にするつもりです。

また、職場のストレスとして真っ先に挙がるものは人間関係なので、3点目の「人間関係が苦手でもなんとかやっていくための本」についても、仕事と心身の健康というテーマに関わりがあります。

さらに、1点目の「人生の意味のつくり方」について。これは「ひたすら大変なだけの人生にいったい何の意味があるの?」という根本的な問いかけを扱うものなので、やはり今回のnoteで書いたような内容と関係してきます。仕事が大変でないという人はほとんどいないと思いますし、そうした日々の中で「自分の人生にはこのような素晴らしい意味があるんだ!」と言い切れるような人もあまりいないでしょう。

「人生の意味のつくり方」という本は、そこに何らかの手がかりを与えることを目的としていて、私が著述という仕事を選んだ以上、どうしても書きたいと思っている本のひとつです。

シロイブックスの企画としては、他にも音楽関係の本なども予定していますが、私が読者に届けたいと強く思っている内容の本としては、やはり上記の3冊になると思っています。

直近の出版スケジュールについて

ひとまず、この記事の冒頭にも書いた「投資に正解は存在するか」を6月までには出版する予定です。これがシロイブックスの2冊目の本になります。

3冊目の本としては、さきほど挙げた「人生の意味のつくり方」を予定しています。これは今年中である2024年内に刊行できたらと思っています。

さらに、「発達障害とメンタル疾患を持つ人のサバイバルガイド」と「人間関係が苦手でもなんとかやっていくための本」についても次々と書いていきたいところですが、何しろこれを書くための自分の身体がひとつしかありません。作業量的に、2025年の刊行になるのかなと考えています。

というわけで、今回のnoteは私の個人的な健康問題の話題から始まって、同じような悩みを抱える人たちに向けた本を書いていきたいという話でした。出版関係のことも、ままならない心身と生き方の話題についても、これからもnoteにいろいろと書いていけたらいいなと思います。

楽しんで読んでいただける話題、人生をやっていく上で役に立つノウハウ、立ち止まって考えさせられるような問題提起など、今後もみなさんにお届けできたらと思っています。引き続き、応援していただけたら嬉しいです。

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