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気ままな大臣

ある王国に、気ままな大臣がいました。

気ままな大臣は、朝起きると、そのときの気分で、紅茶を飲むか、それともコーヒーを飲むか、決めるのでした。

そして、シャツを着ると、そのときの気分で、どんなネクタイをつけるか、決めるのでした。


その日は、王様の誕生日でした。

気ままな大臣が王様に会いにいくと、王様は言いました。

「私の誕生日だから、私が好きな黄色のネクタイをしてきたのだな。うれしいぞ。」

気ままな大臣は、王様に、生涯の忠誠を誓いました。



その次の月には、王子様の誕生日がやってきました。

気ままな大臣が王子様に会いにいくと、王子様は言いました。

「僕の誕生日だから、僕が好きな蝶ネクタイをしてきたのだね。うれしいよ。」

気ままな大臣は、王子様に、生涯の忠誠を誓いました。


気ままな大臣にいつもついてくる一人娘は、帰り道に言いました。

「パパ、さすがね。」

すると、気ままな大臣は、こう答えました。

「ハッハハ。パパは気ままなだけだよ。」

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