山口周

慶應義塾大学文学部哲学科、同大学院文学研究科修了/電通、BCG等を経て、現在は独立研究…

山口周

慶應義塾大学文学部哲学科、同大学院文学研究科修了/電通、BCG等を経て、現在は独立研究者・著作家・パブリックスピーカー/世界経済フォーラムGreat Narrative Initiativeメンバー/J-WAVE番組ナヴィゲーター/一橋大学・神山まるごと高専他の教員/ピアノ弾き

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こんにちは皆さん、山口周です。 このサークルでは、わたくし山口周の日々の研究活動から得られた仮説や発見を共有したり、あるいは現在進行形の著作のプロットや書きかけの原稿を開示して意見を交換するような「仮想空間上の研究室」のような場所にしたいと考えています。 SNSには投稿しにくい初期段階の考察や、作成途上の未完成の原稿も積極的に共有し、皆さんからのご意見を頂きたいと思います。 テーマとしては「経営科学と人文科学の交差点」を主軸に 1:これからのビジネスのあり方 2:これからの社会のあり方 3:これからのキャリアの考え方 を三つの柱としていきたいと思いますが、時事折々に合わせて様々なテーマについて発信していきたいと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。

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学習する大統領、ケネディ

当記事は下記の記事と対比となっていますので、当記事を読まれる前に、こちらを読んでください。 核のポーカー1962年10月16日の朝9時を少し過ぎた頃、任期二年目を迎えたケネディ大統領が、弟であるロバート・ケネディ司法長官から衝撃的な報告を受けます。 その連絡の内容とは「CIAの諜報活動により、ソ連がキューバに核ミサイル基地を建設中であることがほぼ確実となった」というものでした。 この瞬間から、世界はソ連と米国による「核のポーカー」を固唾をのんで見守るはめになります。

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    • 日本の産業ポートフォリオ

      ふと気になって、日本の産業別GDPの推移を調べてみました。出所は内閣府のデータになります。 国内総生産の10年のCAGRは0.6で事実上のゼロ成長ですが、眺めてみると、CAGRで2%以上になっている産業もチラホラ見られます。それらを並べてみると・・・ パルプ・紙・紙加工品 2.07 化学 3.58 はん用・生産用・業務用機械 2.3 電子部品・デバイス 7.83 電気機械 3.51 その他の製造業 2.04 電気業 4.7 通信・放送業 2.22 金融・保険業 3.19

      • 賢い人たちが愚かな意思決定をする4つの理由

        ケネディの初打席 1961年の初頭、新しく大統領に就任したジョン・F・ケネディ[1]は、前大統領アイゼンハワー時代から進められていた「あるプロジェクト」について、パームビーチでの休養先でCIA[2]のアラン・ダレス長官と次官からプレゼンテーションを受けていました。 そのプロジェクトとは、CIAによってグアテマラで訓練された亡命キューバ人およそ千四百人をキューバへ送り込み、革命を起こしてカストロ[3]政権を打倒するというものです。しかし、計画を聞いたケネディ大統領はその大胆

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        • 楽天モバイルの戦略について

          個人的には楽天の三木谷さんは尊敬していますし、友人・知人の多くがまだ楽天で働いているので、ちょっと書こうかどうか迷ったんですが、これはとても思考を刺激するいい題材だと思ったので、記事にすることにしました。 分析のフレームワークになるのは、以前にも記事にした「「役にたつ」と「意味がある」」のマトリックスです。 あらためて記事のエッセンスをここに記しておけば、こういうことになります。 価値には「役に立つ」と「意味がある」の二つがある 日本はこれまで「役に立つ」市場で非常に

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        • クリティカル・ビジネスの類型化

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          当記事は下記の記事と対比となっていますので、当記事を読まれる前に、こちらを読んでください。 核のポーカー1962年10月16日の朝9時を少し過ぎた頃、任期二年目を迎えたケネディ大統領が、弟であるロバート・ケネディ司法長官から衝撃的な報告を受けます。 その連絡の内容とは「CIAの諜報活動により、ソ連がキューバに核ミサイル基地を建設中であることがほぼ確実となった」というものでした。 この瞬間から、世界はソ連と米国による「核のポーカー」を固唾をのんで見守るはめになります。

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          賢い人たちが愚かな意思決定をする4つの理由

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          楽天モバイルの戦略について

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          ダ・ヴィンチの「仕事論」

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          世界一有名な絵画は? と問われれば多くの人は即座に「モナ・リザ」と答えるでしょう。作者はいうまでもなく「史上最高の画家」の評価をほしいままにするレオナルド・ダ・ヴィンチです。 ちなみに本記事のタイトルは、わかりやすく「ダ・ヴィンチの仕事論」としていますが、美術史を学んだ人間は「ダ・ヴィンチ」という表記は用いず、必ず「レオナルド」と表記します。 レオナルド・ダ・ヴィンチって、そもそも「ヴィンチ村のレオナルド」って意味ですから、ここから「ダ・ヴィンチ」だけとってきたら、単に

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          ダ・ヴィンチの「仕事論」

          「いつ?」という問題

          「スタンダード」に参加すると最後まで読めます

          新規事業やイノベーションにおいては「何を?(=WHAT?)」と「どうやって?=(HOW?)」と「誰が?=(WHO?)」という論点にフォーカスが当たりがちですが、実は いつ?(=WHEN?) という論点が、それら以上に重要です。 経営学やマーケティングでは、市場調査をやってニーズがありそうだったらやろう、ということになるわけですが、ニーズが顕在化するのを待っていたら手遅れになってしまう、ということもあります。 下図を見てください。これは日本におけるインターネットの普及率

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          聞き耳のリーダーシップ

          「スタンダード」に参加すると最後まで読めます

          何をいまさら・・・と思われるかもしれませんが、あらためて。 私たちが生きている現在の社会は、とても変化の激しい時代です。例えば、私たちの生活を一変させたスマートフォンですが、アップルが初代iPhoneを市場に導入したのは2007年のことで、まだ17年しか経っていないのです。 さらに、いまとなっては「それなしで生きること」すら考えられないようになっているインターネットですが、インターネットの利用率が50%を超えたのは2000年のことで、いまからたった24年前のことだったので

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          ダ・ヴィンチの「仕事論」

          世界一有名な絵画は? と問われれば多くの人は即座に「モナ・リザ」と答えるでしょう。作者はいうまでもなく「史上最高の画家」の評価をほしいままにするレオナルド・ダ・ヴィンチです。 ちなみに本記事のタイトルは、わかりやすく「ダ・ヴィンチの仕事論」としていますが、美術史を学んだ人間は「ダ・ヴィンチ」という表記は用いず、必ず「レオナルド」と表記します。 レオナルド・ダ・ヴィンチって、そもそも「ヴィンチ村のレオナルド」って意味ですから、ここから「ダ・ヴィンチ」だけとってきたら、単に

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          カラヤンを見てリーダーシップについて考える

          現在の日本では、さまざまな組織やコミュニティで「リーダーシップ」が問題になっています。 では、優れたリーダーシップとはどのようなものでしょうか。 今回は、まさにリーダーシップの発揮そのものが職業の核になっている指揮者について考察してみましょう。 題材は、20世紀を代表する指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤンです。 あらためて経歴を確認しておけば、生まれたのは1908年のオーストリア。若い時は不遇をかこった時代もありましたが、フルトヴェングラーが退任したのち、1955年

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          「見る力」について

          私たちは一般に「見る」ということをさも容易な行為のように考えています。しかし、本当に「見る」ということは、そんなに容易なことなのでしょうか。 ここで一つ、皆さんの「見る力」を測るために簡単な、そして大変有名なエクササイズをやってみましょう。知っているよ、という人はスキップしてもらって結構です。 エクササイズの内容は 6人の人物によるバスケットボールのパス回しを見て、うち3人の白いシャツを着た人物が出したパスの合計を数える というものです。 それではどうぞ! この動

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          「将来なりたい仕事」を考えることの危険性

          最近、どんな職業なら今後も安泰なのか、といった論点に関して、様々な人が分析・予測されていますね。 こういった人たちには大変申し訳ない言い方なのですが、これらの予測はまず間違いなく外れるので、そういった予測にあまり振り回されないようにした方がいいでしょう。 なぜそのように断言できるかというと、二十年後には、労働人口のかなりの比率が「いまは存在しない職業」に就くことになるからです。 米デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソンは2011年8月、ニューヨークタイムズ紙の

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          「スジの悪い人間関係」の断捨離

          これまで何度か、NOTEでは「スジの悪いシリーズ」の記事を挙げてきました。 ということで、今回は「スジの悪い人間関係の断捨離」という、いささか不穏なテーマで考えてみたいと思います。題材になっているのは、ポジティブ心理学の開祖であるエイブラハム・マズローによる研究です。 自己実現した人は友達が少ない有名なマズローの欲求五段階説は、知っていますよね。一番下の欲求に「生理的欲求」があり、一番上の欲求に「自己実現欲求」があるという、あのピラミッド型の図式です。この枠組みはとても有

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          クリティカル・ビジネスを生み出していくために

          いよいよ新著の「クリティカル・ビジネス・パラダイム」の発売が明日に迫りました。 いつものことなのですが、僕が本を書くときは、実際に出版する本の1.5倍くらいの分量をいったん書き、仕上げる過程でそれを大幅に刈り込んでシャープにしていくということをします。 で、その刈り込んだ部分がどうなるかというと・・・一応は知的資産として講演やらコンサルティングで用いられるわけですが、やっぱりなかなかもったいないなという部分もあり、これからNOTEで共有していきたいと思います。 というこ

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          外資系コンサルの知的生産術 その3

          まずは求められるクオリティと使える時間を押さえるP:ターゲットとなる知的成果の受け手が明確化されたとして、次になにをやるか? J:受け手が明確化されたのであれば、次に気になるのは、その人が何を知りたがっているか?という点ですかね。 P:うん、その通り。先ほど、僕らがやっているのは知的生産という生産活動にほかならない、という話をしたけど、その文脈で言えば知的成果に求められる品質ターゲットを設定する、ということだね。これはメーカーが製品を開発するときに品質目標を設定するのと同

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          外資系コンサルの知的生産術 対話篇 その2

          顧客は誰か?P:「新しさ」と「深さ」を最初に考えるに当たって、最も重要な着眼点って何だと思う? J:知的成果を受け取る相手、ですかね? P:そうその通り。当たり前の話なんだけど、「新しい」とか「深い」とか、ということを判断するためには、当然のことながら「誰にとって」を決めることが必要になる。つまり、知的生産物を購入してくれる顧客ターゲットを決定するということだ。 J:確かに。 P:でも実際には、この点をあいまいなままにしながら、なんとなく知的生産のプロセスに突入してい

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          外資系コンサルの知的生産術 対話篇 その1

          10年前に出したこちらの本、お陰様でこの手の本としては異例のロングセーラになっております。 で、先ほどファイルをガサゴソと掘り返していたら、この本を書くにあたって作成した、プロトタイプの「対話篇」が出てきまして、これがなかなかに味わい深かったので、NOTEで少しずつ共有していきたいと思います。 結果的にこちらの対話篇はボツになり、通常の独白型になったのですが、読者の理解と歩調を合わせるということでいうと、こっちの方が良かったのじゃないかしら、と思うところもあり。 皆さん

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          サーバントリーダーシップの可能性

          すでにいろんなところで言われていることですが、私たちの寿命は伸長しつづけており、近い将来に「寿命百年」という時代がやってくる可能性があります。 一方で、さまざまな環境変化要因によって、知的生産のパフォーマンスのピークが若年化する傾向も明らかとなっています。AI関連の人材の争奪戦は壮絶なことになっており、先日、米国の某企業が初任給に40万ドルを提示したことが話題になっていましたね。 しかし、こうなってくると、私も含めた年長者は、組織や社会においてどのような貢献ができるのか?

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