「勇気」が「喜び」の出発点
前回の、「我慢」から「喜び」の時代へ、という記事の最後に、次のようなことを書いた。
さて、ここに書いた「喜び」とは一体、どういうことなのか。
このことを、あらためて見ていきたいと思う。
「喜び」という意識を大きくひとくくりに分けるならば、ポジティブな意識ということができるだろう。
どんなことでもポジティブな気持ちを持って行動できるなら、それは喜びとなる。
しかし、ネガティブな気持ちでいるなら、そこに不安や恐怖、心配、怒りといった感情を抱くことになる。
とはいえ、ボジティブもネタティブも白黒はっきりと分けられることのできない境界となるような意識も存在すると考えられる。
であるのなら、ポジティブな思いとネガティブな思いの境界線はどこにあるのか。
こういったポジティブとネガティブの境界となる感情を知っておくと、自分の意識を客観的に判断して上げていくことが可能になるだろう。
そこで参考にすべき指標として、「パワーか、フォースか」という本の「意識のマップ」を引用したいと思う。
この「意識のマップ」は、本の中で紹介されているものを、そのまま僕が作成したもの。
これを見ると、自分の意識がどの辺にあるのかを客観的に見ることができるようになる。
そこで普段、どんな意識を使って生活しているかをこの表の「レベル」の部分を参考にするといいだろう。
「パワーか、フォースか」では、ポジティブな感情とネガティブな感情の境界を、レベルでいうところの「勇気」と「プライド」で分けている。
つまり、赤い線より上の意識がポジティブな意識であり、その下がネガティブな意識ということになる。
ちなみに、この「意識のマップ」は、著者のデイビッド・R・ホーキンス氏がキネシオロジーを使って20年間研究をした結果作られたものであり、「ログ」の欄の数字は、人の意識の指標を表す数字となっていて200以上の数字が測定されると、ポジティブな意識であると判定され、それ以下がネガティブな意識のとなる。
また「パワーか、フォースか」というタイトルの由来を説明すると、「パワー」も「フォース」も「力」を意味する言葉であるが、「パワー」とは人を強くするものという意味であるのに対し、「フォース」は人からエネルギーを奪うもの、という意味で使い分けている。
こういったことから、パワーがポジティブ、フォースがネガティブとされている。
さて、話を戻すと、なぜ「勇気」と「プライド」がポジティブとネガティブの境界なのか。
本の文章を抜粋し比較していく。
まずはプライドから。
ここまでの文章から、プライドの意識はポジティブなものと捉えることができるものの、著者は次のように続けている。
どうやら「プライド」の意識は、人を頑なにしてしまう可能性があるようなのだ。
頑なさは、ネガティブな意識といっていいだろう。
では、プライドより高い意識である「勇気」を見ていく。
「プライド」と「勇気」の引用から、ポジティブな意識とネガティブな意識の境界を知ることができる。
そこで「プライド」と「勇気」の違いを、本で書かれている文脈に従って僕なりに解説するなら、「勇気」の意識は、「否認」、つまり認めたくないという思いを受け入れることができるようになって始めて得られるようになると考えられる。
自分の過去を認めたくないという思いを強く持っていると、なかなか前に進むことはできないものの、そういった過去があるから今の自分があると認めることができれば、生きることそのものを前向きにとらえられるようになり、喜びの意識を持って生きていけるようになるといっていい。
つまり、自分を認めることができてはじめて、人はポジティブな感情を持てるようになるものであり、自己肯定できてはじめて「勇気」を持って、前に進めるようになるのだ。
また「勇気」の引用中で注目すべき点をあげると、「このレベルの人々は、自分たちが得るものと同じくらい多くのエネルギーを世間に返します」という所と、「達成すること自体がポジティブなフィードバックや自分のためになり、また自尊心にもつながるので、次第に自分は強くなっていき生産的な生き方が始まります」というところ。
人は「勇気」を持って生きることができるようになるだけで、周りにもいい影響を与えられるようになり、そういった姿を示すだけで他者に貢献できるようになるという点を特筆したい。
自分を丸ごと受け入れる、それができるだけで人は他者に貢献できるようになり、自分を受け入れることができたなら、あとは自然体で生きていけばいいというのだ。
人は、感覚を共感できる生き物だから、勇気を持って行動している人を見ているだけで、自然と勇気づけられていく。
だからこそ、「勇気」は「パワー」となるのだ。
ここまでのことを、簡単にまとめると、自分自身を丸ごと受け入れられるようになると自然と勇気が湧いてくるようになるもであり、その結果、そういった姿が他者によい影響を与えるようになっていく。
こういった状態になるには、自分自身を認めることができるかどうかが、重要だといっていいだろう。
今回、あらためてこの本を読み直し、こういったことに気づけたことは大きな収穫だった。
そこで、せっかくなので、次回は「勇気」以上の意識を、もう少し詳しく、また分かりやすくするために、現在の僕の意識の状態と照らし合わせていきながら書いていきたいと思う。
ちなみに、客観的に自己判断するなら、今、僕は「意欲」のあたりにいるのではないかと思っている。
そういったことの根拠も踏まえて、次の機会で解説していきたいと思う。
また、「パワーか、フォースか」で定義する「喜び」の意識につても言及していきたいと思う。
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