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社会不安の本をいくつか読んでみた(1)

こんにちは、Soratoです。

今回は社会不安の本を紹介していきます。

社会不安の本を読んでみた

これから社会不安について書くということで、最近、社会不安の本を集中的に読んでいます。

unlimitedを含めて10冊近く読んだかな。

出版済みのkindle本では社会不安についてまだ詳しく話す予定ではなかったので、今回初めて読んだ本が多かったです。

レビューってほどのものでもなく、軽い感想を述べる簡単な紹介ですが、印象に残った本を紹介していきますね。

社会不安を実際に治した人の紹介記事ってあまり見た記憶がないので、結構役に立つかもしれません。

一冊目・「対人恐怖症について」

数回に分けて書いていく予定ですが、今回はkindle unlimitedで読める個人出版の本を二冊ピックアップ。

一冊目は「対人恐怖症について」

社会不安の中でも「視線恐怖(脇見恐怖)」に長年苦しめられた臥薪嘗胆(だんけ)さんという方の本です。

ちなみに、視線恐怖(脇見恐怖)とは「視界の端に入ってくる人を異常に意識してしまったり、他者の視界に入ってしまうことを避けようとする症状」をいいます。

他人が視界に入っていることに気づき、その人が不快な思いをするのではないかと罪悪感を感じてしまうことも多いですね。

内容の9割方は視線恐怖の体験記と考察です。

視線恐怖を経験している私としては「あるある」すぎて最近読んだ本の中では最も興味を持って読み進めることができました。

視線恐怖の症状と心境についての描写は、もはや共感を超えて、「ものすっっっっっっっっごくわかる!!!」という感じ(笑)

本人は、最終的に自身を「対人恐怖症」と判断していますが、同じような症状は統合失調症の近縁、境界例として議論されていたこともあるようです。

視線恐怖って本当に症状が意味不明なので、言語化して人に話すと、確かに統合失調症っぽく聞こえてしまうのかもしれません。

「症状が自分でも意味不明過ぎて人に言えない」って感覚も私はわかる。

肝心の回復法については、「自分の答えを探すしかない」的な感じで、明確な回復法を求めている人のニーズは満たせないかも。

本人も、「最初は回復法を記すつもりでいたが、書いているうちに無理だと思った」的なことを書いており、色々な解説や提案はしているものの、「自分なりの答えを探すためのヒントを示す」という立場をとっています。

まあ、私的にも視線恐怖って治っても人に説明するのが最難関だと感じており、今書いているkindle本でも、視線恐怖は対象外にする予定なので気持ちはわかります。

(視線恐怖は後に社会不安とは別の形で説明します。私はどちらも経験していますが、視線恐怖は強迫性障害が最も近いと思っています)

余談ですが、巻末の参考図書に難しそうな本がずらーっと並んでいて、説明も理屈っぽい部分が多いので私と同じタイプの人だなと思いました。

よく言えば、物事を深く、突き詰めて考えるタイプ。悪く言えば、考えすぎる(笑)

視線恐怖を体験したことがない人にとっては「?」の部分が多いかなーと思いますが、体験者の私は「あるある」が多くて楽しめました。

久しぶりに「時間を忘れて読んでいた」って感覚でした。

二冊目。「社会福祉士が語る対人恐怖症30年の克服: 神経症、アルコール依存症を乗り越える、脳の性質を利用する、脳をコントロールする方法」

二冊目は「社会福祉士が語る対人恐怖症30年の克服: 神経症、アルコール依存症を乗り越える、脳の性質を利用する、脳をコントロールする方法」という本。

こちらもunlimitedで読める個人出版の本です。

著者の うえむら だいすけ さんは、20歳のころから30年間も対人恐怖を含む様々な心の問題に悩まされてきました。

紆余曲折あって、現在は病院の医療ソーシャルワーカーの仕事をされています。

(今更だけど、対人恐怖=ほぼ社会不安と考えてOK)

対人恐怖に翻弄された人生を送られてきた方で、対人恐怖を中心とする種々の症状が原因となり、何度も職を転々とし、最悪期は自殺を考えたこともあったそうです。

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対人不安をまぎらわせるためにアルコールを摂取し、それが原因でお偉いさんが集まる大事なスピーチを寝過ごしてしまい、別会社の社長にむなぐらをつかまれ、壁に押し付けられて怒号された

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なんてエピソードは同じ対人恐怖に苦しめられてきた身としては、切なくなるというか悲しくなるいうか、、、何とも言えない気持ちになりました。

相手からは「なめてんじゃねーぞ!」ということでも、社会不安の人にとっては「こっちも頑張ってるけど、どうにもならねーんだよ!!」という感覚なんですが、どんなに懸命に主張してもわかってもらえないんでしょうね(そもそも、そんなこと言えないけど)

精神的にも相当堪えたようで、自殺を考えるきっかけにもなったようですが、社会不安が「気持ちの問題」「精神が未熟」と考えられている風潮がある以上、似たようなことって他でも起こってるんだろうなと思いました。

著者によると、対人恐怖とアルコール依存症は併発することが多く、アルコール依存症の人も、対人恐怖が発端となっているケースも多いとのこと。

私はアルコールは一切飲みませんが、

「対人不安をまぎらわすためにアルコールを摂取する→アルコールがないと不安になる→アルコールを飲む頻度が増える」

というループにはまってしまう心理は容易に想像がつきます。

入院森田療法を受けた経験もある方のようで、回復法については森田療法の用語がたくさんでてきました。

基本的に「目的本位」が軸になっていますね。

ただ、森田療法は元々かなり特殊な精神療法であるため、後半の数十ページで内容を正確に把握するのは難しいかも。

本を読んで興味を持たれた方は、他の森田療法の本も併用するといいかもしれません。

ともあれ、一冊目同様、社会不安に人生を翻弄されてきた身として、共感する部分が多く、最後まで一気読みできる本でした。

なんだか読後に最終ページに記載されているメールアドレスに感想を送りたい気分になったほどです。

(私はネットでも人見知りするので多分送らないけど 笑)

終わりに

今回は最近読んだ社会不安の本の中でも、unlimitedで読める個人出版の本を紹介しました。

私は(自分で出版しておいて何ですが)個人出版の本を読む機会はほとんどありませんが、体験記が多く、共感しやすいという点で個人出版の本も良いもんだなと思いました。

今ってgoogleの仕様で、個人が心の病気の体験記を書いても検索にほぼ表記されないシステムになっているので、現在進行形で心の問題に悩まされている人にとってのamazonの価値は高くなってきてるんじゃないかと思います。

(googleは何年か前に検索アルゴリズムの変更があって、心の病気を含む健康関連は専門家が最優先となり、個人の記事はほとんど表示されなくなりました)

と、こんな感じで、今回は私の読書感想文でした。

今後また3~4冊ほど紹介する予定です!

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