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スタートアップの闇③:イーロンマスクのドラッグ問題

注)本記事はJICAの公式見解ではなく、専門家個人の見解、所管です

前回前々回と、スタートアップの難しい側面、ヤバい側面を見てきましたが、今回は直近報道があった、イーロンマスクのドラッグ常習問題についてです。

起業家が創る「現実歪曲空間」

最初このニュースを読んだ時、正直な感想は、「まあそうだよなあ」でした。

違法薬物を使っているならそれは咎められるべきですし(違法なんだから当たり前)、社会のルールの中でビジネスをすべきなのは当たり前です。

薬物を使用せずにスタートアップを成功させてる起業家もたくさんいるので、擁護する気にはなりませんが、一方で、起業家にはぶっ飛んだ人が多いのも事実です。

というか、ぶっ飛んでないと起業家なんてやれない。見てる世界が普通の人とは全然違う。

そんな起業家がストーリーやビジョンを語って、投資家や従業員を惹きつける姿を、「起業家が現実歪曲空間を創る」なんて言ったりします。

普通の人が考えない、行動に移さない、そんなことをやりきるのが起業家です。

イーロンマスクが創ったSpaceXのビジョンは、「人間を複数の惑星に暮らす種族に進化させること」ですが、普通そんなこと考えないですよね?

https://www.spacex.com/mission/

そんなこと考えただけで夢想家と言われそうなのに、彼はそれを実行に移して、かなりいいところまで来てます。頭おかしいです。

投資家はそれを分かっています。なので、今回の件に関しても、ほとんどの投資家は「気にしない」と答えているらしいです。むしろ、「それぐらいでいいよね」と思っている投資家もいると思います。(再度強調しますが、違法薬物やってるなら咎められるべきです、違法なので。)

起業家にかかる尋常じゃないプレッシャー

起業家にかかるプレッシャーも尋常じゃないです。通常の精神構造だと、すぐにメンタル崩壊するレベルのプレッシャーがかかります。

投資家からは経営方針について問いただされ、従業員からは訴えられそうになり、キャッシュは底をつきそうで、メディアや批評家は好き勝手なことを書きちらします。

僕ら常人は、周りの人2,3人に厳しく批判されただけでしばらくの間へこむのではないでしょうか。僕も少しだけ経験がありますが、自分を批判する人がたくさんいる会社に出社することほど精神的に苦しいことはないです。

イーロンマスクレベルの起業家への批判(特に上手くいっていないとき)はそんなあまっちょろいものじゃないです。そんな数々のストレスの中、会社の命運がかかる大事な意思決定をいくつもこなさないといけないんです。

さらに、複数の会社(有名どころで、テスラ、SpaceX、さらに、脳とコンピュータの接続を試みているNeuralinkなど)を経営しているイーロンマスクは、やっぱり異常です。

やべー奴を認める世の中を

作家のバーナードショウがこんなことを言っています。

「合理的な人は自分を世界に合わせようとする。非合理的な人は世界を自分に合わせようとする。なのですべての進歩は非合理的な人にかかっている」

そういうことなのかなあと。

何度も言いますが、違法薬物やってるなら咎められるべきです。

が、僕らの想像をはるか上を行く人たちが起業家にはいて、彼らが良く変わるくか世界を変えている、ということは、少なくとも起業家支援をしてる人間なら忘れないようにしたいです。


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