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防潮堤

「コーヒーショップで心ゆくまでまったりしてぇ!」

という欲求がお顔をお出しになられてからしばらく経ちます。

本業も畑も、好きなことやってるからとはいえ、このクソ熱い中(失礼)ほとんど休まず汗かいてばかりいたから(雨降れば畑は休めるけど…降らねーし)足はよくつるし、身体がいうことをきかなくなってきたので、今日は一切お休みにしてズルむけたいと思い、隣り町のそのまた隣り町にあるコーヒーショップに行って来ました。

隣り町のそのまた隣り町は、震災後いち早く復興事業が開始された町で、震災跡地は地元水産会社と商業施設が整然と配置し直されたきれいな町に生まれ変わっています。

数カ所、十分広さのある公園が設けられ、遊具の数は限られてますが、公園ごとに種類の異なる遊具が設置され、滑り台、ジャングルジム、その他もろもろ…それぞれにこの町特有のアクティビティーを象徴するようなユニークなデザインが施されてあり、広めにとってある芝生のエリアもお手入れがしっかり行き届いていて雑草一つ見当たらない(偉い!)子供も大人も伸び伸び遊べるように工夫されています。

お手入れが行き届いてます


滑り台だよ
よくわからないけど


どう遊ぶのかかわからない、本能の赴くまま遊べ子供たち


暑くなきゃここでゴロゴロ昼寝したいにゃ〜(=^x^=)と思うほど静かで開放感のある公園が点在しています。

復興が、さまざまな大人の事情で絡み合い邪魔し合いながら足踏みしていた我が町からしてみると、実に潔くてスマートな町だなーと感心していました。

久しぶりにその町の海岸通りを走っていたら、防潮堤に大きなトリックアートをみつけました(いつの間に描かれたんやろ?バンクシーやないかい!?それはちゃうやろ)

どーん!キャンパスから飛び出してくる〜!(◎_◎;)

ネットで調べてみたら、地元のクリエイターや国内外の学生さんたちが書いたもので、防潮堤伝いに適当に距離をあけて数点描かれてあります。

さすが!粋なことしますね!遊び心溢れるこの町ならではのナイスなエンターテイメントが、郷土の美しい景観を奪う防潮堤を彩りました。

またまたこの町のことが好きになり、コーヒーショップに入る前の前座と言っては申し訳ないくらい贅沢なプレゼントを満喫しました(絵の方がメインや!)

「一切お休みにしてズルむけて過ごす」という本日のテーマはすっかり忘れ、曇ってはいたけど蒸し暑い中あっちに行ったりこっちに来たり、壮大な道草の末、汗だくでコーヒーショップに入りました。

おかげでコーヒーショップで注文した沖縄黒糖ラテが一層おいしく感じられたので良かったです(飲む前に沖縄黒糖ラテの写メ撮ろうと思ってたけど、そんなことはすっかり忘れて気がついたら半分ほどガブ飲みしてました(ーー;)

店内には海に面して大きなウィンドーがあり、ウィンドーに向かって備え付けられた長いカウンターがわたしの指定席となっております(勝手に決めてるだけ)

防潮堤ができる前、そのウィンドーからの眺めは超一流でした。

すぐ目の前が岸壁になってて、青い海、停泊する超巨大タンカー、働きもののタグボート、滑空するカモメとトンビ、その向こうには雄大な山々が連なってて、自然と文明が混在する贅沢な景色が丸ごと目の中に飛び込んできてました。

「我が故郷リアスに生きる役得!」とばかりにその席で景色を眺めながらのんびりコーヒーを啜るのが趣味だったんです。

が…防潮堤ができた後は何も…見えるものは山の頂上付近の一部だけ。

仕方がないこととはいえ、当時はお気に入りの景色が消失してしまったことにショックでした。

しかし、何があろうと窓際の指定席の権利は誰にも譲りません(勝手に決めてるだけ、窓際が好きなんです、職場でも)

これを言っちゃおしまいだけど、個人的には防潮堤建設には反対派でした。

我が地元に関しても、景観が失われるのはもとより、山の方から流れてくる水脈が潰れて海藻や貝類が育たなくなったり魚の産卵できる環境が破壊され漁場を失ったり、その他諸々の不都合が生じるからです(勉強したんですよ!)現にそうなり漁獲高は減る一方…。

最初から建設ありきで進められた住民説明会、反対意見は通ることなく工事は強行されました。

おや…何年も前の話しを蒸し返してしまいました(ーー;)長分になったのでやめます(コーヒーショップを語るつもりが防潮堤に引っ張られ…)

防潮堤はともかく、エアコンのばっちり効いた静かな空間で半分になった沖縄黒糖ラテを心ゆくまでチビチビと啜り、当初の目的はしっかり果たせたので満足して帰りました。

わたしも地元の防潮堤にこっそりトリックアート書いてみようかな(前科一般決定!)

…って、書けないよ、絵心無いし。


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