見出し画像

ひきこもりのスクリーニングツール「HiDE」

おはようございます〜

不登校になると心配なのが「ひきこもり」ですね。
最近、ひきこもりという社会問題に対して開発された評価ツール「HiDE(Hikikomori Diagnostic Evaluation)」についての研究をみかけましたのでご紹介します。
このツールは、ひきこもり状態を正確に評価し、必要な支援を提供するために重要な役割を果たします。

HiDEとは何か?

HiDEは、「病的ひきこもり」と「非病的(健康な)ひきこもり」を区別し、ひきこもりの状態を診断するために開発されたツールです。これには二つの主要な部分があります。
一つ目は、専門家が実施する構造化面接(HiDE-I)で、もう一つは当事者が自ら記入する自記式スクリーニング票(HiDE-S)です。(参考サイトのリンク辿ればスクリーニング票が出てきます。あえてリンクはしません)

引きこもりの危険因子

ひきこもりでなかった方561名中、3割はコロナにより物理的ひきこもりとなり、途中では全体の1割が病的ひきこもりとされました。
意外にも社交的で外向的な特性を持つ人々がコロナ禍で病的ひきこもりのリスク因子であることが判明しました。これは、従来のひきこもりに関する理解とは異なる結果です。

ゲームとの関連


社会的役割の回避とゲーム障害の関連について、研究ではいくつかの興味深い推測がされています。
この研究では、「病的ひきこもり(3ヶ月未満)」群においてゲーム障害傾向(GAS7−J)が有意に高かったことが明らかにされました。この結果から、ゲーム障害傾向の予測因子として、「社会的役割の回避」の低さが関連していることが示唆されています。

具体的には、社会的な役割(例えば、仕事や学校、家庭内での役割など)からの回避がゲームを通じて代替される可能性があります。社会的役割の喪失を感じた個人が、現実世界での役割を失っていることによる虚無感や無力感から逃れるために、ゲーム内での役割やアイデンティティを求めることが、ゲーム障害に陥る誘因になっていると推測されます。
特に、ロールプレイングゲームでは、プレイヤーが仮想のキャラクターを通じて明確な役割や目的を持つことができるため、現実世界の社会的役割からの逸脱がゲーム障害を引き起こす可能性が高まるとされています。

この推測は、ゲームが単なる娯楽を超えて、一部の人々にとって重要な心理的な役割を果たしていることを示しており、ゲーム内での成功が現実世界での役割喪失を補う手段となっている可能性があります。この理解は、ひきこもりやゲーム障害の予防および介入戦略を設計する上で重要な意味を持ちます。

まとめ

あくまでもコロナ禍での話ではありますが、今で言うなら通信制の大学や高校の場合、物理的引きこもりになっている可能性があるので、病的かどうかをスクリーニングする必要があるかもしれません。
社交的で外向的な特性を持つ方は引きこもりのリスクがあるかもしれません。
ひきこもり初期でロールプレイングゲームを楽しんでいる場合、不足した社会的役割をゲームで補償しているかもしれないということかなと思います。

この研究の限界

この研究の限界としては、HiDEがスクリーニングツールであるため、診断のためにはさらなる専門的評価が必要であることが指摘されています。また、オンライン調査の自己報告によるデータの限界も認識する必要があります。

<参考>


メモ
tacs-22のavoid social roleの質問項目ってどれなんだろ

この記事が参加している募集

新生活をたのしく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?