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感情と音質 (3月のピアノレッスン)

暑さ寒さも彼岸まで。凍える寒さの日々は去って、暖かな春の陽気が感じられます。
土手や野に咲く草花たちが春のおとづれを知られてくれます。

今月のレッスン日の前に、ここぴ先生から「Happy Birthday to You」の簡単アレンジがあるのだけど、弾いてみませんか?とご連絡を頂きました。
ハ長調の短い曲で、「私にも弾けそう」って思えたので、「弾いてみたいです」と返事をし、楽譜を送ってもらいました。自分で練習をして今度のレッスンの日に習います。

誕生日のお祝いソング。
世界で最も歌われている歌としてギネス認定をされるほど、世界各地に浸透している曲だそうです。
子どもの頃から歌って知っていた曲だけれど、改めて有名な曲だったことを認識しました。
楽譜には作詞作曲者はミルドレッド・J・ヒル、パティ・スミス・ヒルと名前があって、「あ、作詞作曲者いるんだ」って初めて知って新鮮な驚きでした。

世界中の有名なアーティストやマエストロや演奏家の才能ある音楽にも劣らない、
ヒットチャートやNo. 1ソングっに入ってないけど、誰もがみんな知ってる曲って素晴らしい。しかも作曲者の名前はあるけど、誰なのかはみんなに覚えられていない。

こういうところが名曲だと思う。好きだなあ。
曲は誰もが知っていて世界中の誰もがみんなで口ずさめるって素敵だなって思います。

覚えておいたら誰かの誕生日に歌えるし、プレゼントにもよろこばれるし、ささやかな曲だけど、祝福の気持ちと大きな喜びを与えてくれる良い曲です。



自分で楽譜を見て、片手ずつ右手のメロディーを弾いて、左手の和音を弾いて、慣れてきたら両手で合わせて弾いてみる。
多分あってるとおもうけど、音の長さや音程は合ってるのか確信が自信ない。
なんていうか、自分で聞いてても恐る恐るの「ハッピー バースデー」だなあ。
「今日はあなたの誕生日、でしたっけ?」みたいな音。気の弱ーい感じの弾き方。



レッスン当日。

短い練習曲の次に、「ハッピー バースデー」の曲を弾く。すると先生から

「自分でで楽譜を読んで、自分の力で練習してきてあって、良くできましたね」

と、思うがけない言葉をもらって、ホッとしました。

「良かった、自分で楽譜見て弾いた音で合ってた!」弾けた喜びにジーンと浸ります。

そのあと、手と指の移動方や、拍のカウントについて指導してもらって、綺麗な音と、素敵に聞こえる演奏になる様に教えてもらいました。

おお、これで1人で弾いても安心できる。さあ、前向きにレッスンできる。
いつか誰かに弾いて曲のプレゼントできたら良いな。

今回思ったのは、感情と音の音色、音質はとても結びつきが深いということ。

同じ音も、弾く時にワクワクとか、または共感するイメージをして音を鳴らすのと、自信ないとか、独りぼっちをイメージして音を出すのは聞いても響きが異なります。

ほんとうはレッスンの日は、飼っていた猫のネロが死んでしまって3日後だったので、胸には哀しみがたくさんあって、うっかりするとネロを思い出して、涙がこぼれてしまうのをどうにか意識を保ってこらえていた時だったから、泣きそうな、今にも雨が降ってきそうな湿った音がするのを先生も感じ取っていたはずです。

ここぴ先生は人の悲しみの感情を知っているから、いろいろ混在してる気持ちを丁寧にそおっと受け止め接してくれました。教室のグランドピアノも私と一緒に、静かに悲しい感情を音のエネルギーに変換して、悲しいままに留まらない様に、音で表現し解放していってくれました。

悲しい時の感情と、言葉で表せない気持ちを大切に音に表す。
写し取るとというのでしょうか?
目に見えない音の響きの中に、言葉で表せない何かが存在し、共有できること感じました。

明るい調子のハッピーバースデーの曲を、涙がこぼれる気持ちで弾いてもやっぱり良い曲でした。

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