つち

2024/2/24 自分自身の文章力を磨くために、1日1稿目指して頑張ります。 ぜひ、…

つち

2024/2/24 自分自身の文章力を磨くために、1日1稿目指して頑張ります。 ぜひ、ご感想や、書き方のご指導をよろしくお願いします。

最近の記事

徒然物語104 目覚まし

「○○君、おはよう! いつもの時間に起きられたかな? 朝ごはん、ちゃんと食べた? それじゃあ今日も学校に行く前のワンレッスン頑張ろう!」 午後2時。 昼下がりのリビングで突然起動する子供の学習用タブレット。 電源はオフのはずなのに。 たまたま仕事休みのおれに反応したのか? それとも、毎日この時間にしゃべり出すのか? う~ん。 謎は深まるばかり。 それにしても。 心地よくお昼寝してたのに… 子供向けのかわいらしいボイスが、

    • 徒然物語103 焦りは禁物

      俺は高レスポンス、打ちやすさで名を馳せるキーボードさ。 最近、うちの会社はフリードレスってやつが導入された。 そのせいで、誰がおれを扱うかは、その日によって変わるって寸法さ。 さあ、今日は誰が座るやら。 願わくば、おれを使いこなせる猛者であって欲しいもんだ。 き、来やがった… ”うっかりター坊”でお馴染みの田上君だ。 仕事でよくポカミスするので有名な中堅社員だ。 どうやら焦っているらしい。 慌てて椅子に座りやがる。 「メール、メール!時間ない!」 次のアポ

      • 徒然物語102 絵馬(ホラー回?)

        某神社にて、 絵馬にこんな願いが書かれているのを発見した。 「○○の味覚が、何を食べても腐った八朔の味になりますように!」 …どんな願い? ってか、呪い? 痴情のもつれかなあ… 呪い恐るべし…

        • 徒然物語101 席替え

          春は異動のシーズン。 私の部署も、新たな風が吹くと期待していた。 ところが昨今の人手不足で、係長が引抜かれ、後任はなし。 まさかの減員となってしまった。 部署全体に戦慄が走った。 今まで課長の檄を必死に受け止め、私たちを守ってくれた優しい係長がいなくなってしまうからだ。 これからはダイレクトに厳しい指導が来る。 誰もが恐れおののいていた。 勿論私もだ。 しかし、私にはそれ以上に恐れている事案があった。 なにか。 席替えによって私の隣が、小松さんになったこ

        徒然物語104 目覚まし

          徒然物語100 犬の気持ち

          ワンワン! (やっほーい!今日はご主人様お休みみたいだから、公園へ連れて行ってくれるって!) ワンワン! (今日は平日ってやつだけど、随分珍しいワン!) ワンワンワン! (いい天気だし、思いっきり走り回れて最高!) ワワン!? (うわっしまった!このベンチ、ペンキ塗りたてだっ!思わず飛び乗ったら、前足にペンキがついちゃったよ!) クーン。 (こりゃ、落ちそうにないなぁ…舐めるのは体に悪そうだし…) 「ありゃりゃ。轟天丸、前足…てか、手が真っ赤じゃないか。」 ワン?

          徒然物語100 犬の気持ち

          徒然物語99 知ったかぶり

          「私もあのスーパーよく行くのよ。」 「一緒ですね。野菜が安いですし、お肉の品揃えも豊富ですよね。」 「そうそう。オリジナルブランドのヨーグルトとか、ミックスナッツとか、ついつい買っちゃうのよね。」 「僕のマイブームはレンコンスナックですね。ついつい食べ過ぎちゃうくらい美味しいんですよ。ところで何かおすすめはありますか?」 「そうねぇ…私の最近のマイブームはコールスローかな。ちょうどいい量だから夕飯のおかずにちょうどいいのよ。」 「ああ、はいはい!コールスローですね!

          徒然物語99 知ったかぶり

          徒然物語98 ダブルビン方式

          いいかい?今から君に在庫管理の基本を教えるからよく聞くように。 『ダブルビン方式』ってやつだ。 まずビンを2つイメージして。 両方のビン中には、商品や材料が入っている。 一方のビンから使いはじめ、そいつが空になったら、ビン1本分発注する。 そうすることによって何がメリットだと思う? 一つは、ビン1本分は常に在庫がある状態だから、“在庫切れ”という状態が発生しにくい点。 もう一つは、発注するタイミングは、ビンが空になった瞬間だから、わかりやすいという

          徒然物語98 ダブルビン方式

          徒然物語97 俺のゴースト

          「リピータはどうやって獲得するんですか?」 「具体的な集客の手法は?市外からどうやってお客さんを取り込むんですか?」 「お店の席数に対して、この人員で本当に回せますか?」 僕は銀行員として融資担当を任されている。 ある日、飲食店の新規出店に伴う融資の相談を受けた。 いわゆる創業融資というやつだ。 申込人の男は、元有名飲食店のシェフで、腕は身に着けたから、地元で独立を決意したのだそうだ。 男は融資席にドカッと座ると、書類を投げて寄こした。 その書

          徒然物語97 俺のゴースト

          徒然物語96 爆弾処理

          ここまではスムーズに事が運んだ。 そう、恐ろしいくらいに。 今になって思う。 スムーズ過ぎたと、 罠があるのではないかと。 そう考えるべきだったんだ。 最期の2箱。 一方は爆弾入りで、もう一方は空箱。 爆弾を処理し、空箱を開け放てば、おれの役目は終わる。 任務完了という訳だ。 スムーズに事が運んでいる時こそ、油断すべきではなかった。 どうやら気付いた時には既に遅かったようだ。 最後の最後でとんでもない2択を突きつけられたのだ。 ヒントはない。 確率

          徒然物語96 爆弾処理

          徒然物語95 ポッポ

          社長、またですか? また、ポッポしたでしょ。 わかるんですよ。 もう。 ダメです。 ウソついてもすぐにわかりますよ。 いただいた資料にちゃんと載っています。 ここですよ! 数字は正直なんですから! ほら、ここ。 社長がよく言うポッポが、ここに載ってくるんですよ! 会社から社長への貸付金、また増えてるじゃないですか! 正直に言ってください。 何に使ったんですか? え? 馬? スクラッチ? ポッポなんてかわいい言葉でごまかしてもダメですよ! た

          徒然物語95 ポッポ

          徒然物語94 ムギチャ・ミー

          今日は嫌に暑いぜ。 火照った体を家に押し込み、汗をぬぐう。 締め切った室内から、熱気を帯びた空気が押し寄せてくる。 誰もいない部屋。 いつもと違い、ひっそりと静まり返っている。 そうだった。 今日は子供の塾がある日だから、おれ一人なんだ。 などと、鈍い思考を巡らせながら、リビングへ向かう。 暗いテーブルに夕飯が載っているのだろう、食器のシルエットが見える。 『今日は遅くなります。先に食べていてください。』 妻のSNSを確認する。 薄暗い部屋に、携帯の明か

          徒然物語94 ムギチャ・ミー

          徒然物語93 ドライブ・ウィズ

          やあ、お気づき? ドライブ、楽しねえ。 こんなに遠くに来たのは初めてだよ。 おっと、そんなに怯えた目で見ないでよ。 怖がらないで大丈夫。 君に危害を加えるつもりはないから、そのまま運転続けて大丈夫だよ。 僕は助手席で、おりこうさんにしてるから。 それに、よく考えてみてよ。 こんなにか弱い姿の僕が、君に敵う訳ないだろ? だから安心してよ! えっ? 僕は誰かって? ふっふっふっ! よくぞ聞いてくれました! 僕は、マダラヒゲナガカミキリさ! みんな、カ

          徒然物語93 ドライブ・ウィズ

          徒然物語92 針・刺・涙

          その程度のことで、だらしがない。 早く顔を上げろ。 前を見ろ。 そして、在庫データの入力を早く終わらせろ。 上の奴らは口を揃えて、そう吐き捨ててくる。 だが、私はあまりの激痛に顔を上げることができずにいた。 その程度、ケガの部類に入るまい。 いつまでそうしてるんだ! さあ、仕事を続けろ! 偉い奴らは私を見下して口々に言う。 お前たちにはわかるまい! 喰らったヤツにしかわからない、あの痛み… そう、ホッチキスの針が爪の内側にぶっ刺さる、あの痛み。 涙で

          徒然物語92 針・刺・涙

          徒然物語91 第三勢力

          う~ん… 私は某マンガ雑誌にて『熱血パーティ闇社会を撃て!』を連載中なのね。 特殊能力を持つ公安組織通称:影縫 対 闇社会に君臨する勢力:十竜会 の戦いを描いているんよ。 影縫の主要メンバーは主人公(ガンマン)、ヒロイン(魔法)、剣士、拳法家、回復係の5人。 敵対する十竜会は文字通り10人の頭。 それぞれ色で名前を付けてて、銀竜(大ボス)、青竜、赤竜、黄竜、黒竜、白竜、紫竜。 とりあえず、現在7人登場してるのね。 ここまで何とか連載を続けてきたけど、最近マ

          徒然物語91 第三勢力

          徒然物語90 閃光のスヤスヤ

          シャカシャカ まいったなぁ… 顧客回りで、3杯もコーヒー飲んじゃったよ。 おまけに上司からの差し入れで、エナジードリンクまで飲んじゃったし。 極めつけは、金曜日だからってニンニクマシマシラーメン大盛食べちゃった… 明日は早朝からゴルフだっていうのに。 眠れるかな? シャカシャカ 鏡の中の自分。 目は冴えて、はつらつとしてやがる。 グチュグチュ…ペッ 歯磨きも終わったし、 眠くなるまで本でも読むか? いや、かえって目が覚めてしま

          徒然物語90 閃光のスヤスヤ

          徒然物語89 どっちもチルドレン

          ねえ、ちゃんと聞いてる? もういっぺん話すわよ。 こないだ、国道沿いにできた古着屋さん、覚えてる? 片側からしか入れない、立地の悪いあのテナントよ。 1ヵ月くらい前に通った時、 ここ、入りづらくてお客さん来にくいよね~ 前のマッサージ店は半年くらいで閉店しちゃったっけ? 今度は長く続くといいね~ なんて、話してたでしょ。 今、通ってきて、信号待ちの時にふっと眺めたら、張り紙が貼ってあったのよ。 なんて書いてあったと思う? 『閉店セール全品50%オフ』

          徒然物語89 どっちもチルドレン