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校内支援委員会は、どうあるべき?


特別支援教育を巡る状況の変化も踏まえ、インクルーシブ教育システムを構築し、特別支援教育を進展させていくために、引き続き
①障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に教育を受けられる学びの場の整備
②障害のある子供の自立と社会参加を見据え、1人1人の教育的ニーズに最も的確に応える教育
を提供できるよう、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある多様な学びの場の一騒の充実・整備を着実に進めていく。

令和3年1月「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議報告」

上記の記述から、インクルーシブ教育システムの構築は障害のある子もない子も共に教育を受けられる学びの場の整備を提供できることが大切だと書かれています。

では、現在、通常学級で困り感を抱えている子供に対して、実際にどのようなアプローチをしていけばよいのでしょうか?
と、いうのも、現在、コーディネーターをしていて様々な子供の情報が入ってくるのです。

その中で、1年生で困り感を抱えている児童が4名挙がっています。まだ入学して2ヶ月しか経っていないので子供が困っているというよりは担任から見て生活面・学習面で困難さが見られた莉、発達障害の傾向があったりしています。

例えば、Aさんは身辺整理が全くできずに、常に机の周りはグチャグチャになっています。授業中と休み時間の区別がつかず、授業中にも関わらず、「先生、折り紙教えてやろうか~!」と言ってくる様子が見られます。
また、関心のあるものにはすぐに触りたがり、書画カメラやパソコンのケーブルを勝手に触って断線してしまいました。

また、Bさんは字をマスの中に入れて書くことが難しく、目がぐるぐるとこちらが見てもはっきりと分かるくらい焦点があっていないようです。このため、学習活動全般で遅れが見られています。
こだわりもあり、遠足で歩いて帰らなければならないのにも関わらず、嫌な出来事があると、固まって動かなくあることがありました。

この話を聞き、通級指導教室担当としては個別指導の必要性を感じ、
「私の時間のある時に、個別指導をお試しでやってみましょうか!」
と伝えました。

また、担任は
「保護者面談で特別支援を勧める話をしようと思っている」
「お試しも、勧めてみようかな」
と言っていました。
トントン拍子で、内輪だけで話が進むことに怖さを感じ
「一度、校内支援委員会を開きませんか?」
と提案しました。現在、日程の調整中です。

本校は学年3クラスから4クラスある地域でも有数の大規模校です。
校内支援委員会の提案をすると、管理職からは
「この感じで校内支援委員会を開いたら、他のクラスもしないといけなくなる。時間がいくらあっても足りない。働き方改革もあるので、そこまで多くの時間は取れない」
「学びの場の変更が確定したところで校内支援委員会を開くべき」
との指摘を受けました。

保護者面談が6月にあると考えると時間がなく、校内支援委員会を急に開くようにしたのですが、私も正直これでよかったのか悩むところです。

インクルーシブ教育システム構築のためには、障害のある子もない子も共に学ぶ場の整備を行わなければなりません。
しかし、今回の流れでは教師からの困り感から、すぐに取り出し指導へつないだり、特別支援学級や通級指導教室への学びの場の変更へもっていったりすることになります。現在の流れと逆行しています。まずは、学級集団の中でできる手立てや支援、配慮を行っていく。それでもどうしても難しい場合は、小集団や個別指導を行い、必要に応じて学びの場の変更をしていく流れが理想です。そこには、保護者の理解と承諾は不可欠です。

さらには、保護者や本人から、困り感や個別指導を要望するという話十分に聞いていないのにも関わらず、学校側が進める形になっています。

基本は、家庭からの要望、保護者の願いを受けて、学校が多様な学びの場を提供することが望ましいのです。

よって、6月の保護者面談では保護者が子供をどのように捉えているか、困り感を抱えているかを聞き、信頼関係を築くために使うべきだと考えました。

一方で、校内支援委員会も「勇み足だったのか?」とモヤモヤしています。
しかし、1年生の段階から早めに気になる児童をリストアップし、個に応じた支援につなげるためには、必要だったのではと考えています。

そもそも、校内支援委員会は

教育上特別の支援を必要とする児童等に対する支援内容の検討

の役割があります。明らかに発達障害の特性や傾向が見られている限り、早めに今後の支援の方策を共通理解しておくことは必要です。

確かに時間はありませんが、2人の子供が安定して生活できるということは、1年生全体の穏やかな学校生活に必ずつながってくるのです。

「必要な子供に、必要な支援が行き届いている学年は、落ち着いている」
「必要な子供に、必要な支援が行き届いていない学年は、荒れている」

後輩の先生が話していた言葉ですが、まさしく的を射ています。

必要な子供には、必要な支援をきっちり行ってあげる事が、全体の笑顔と成長につながるのです。そのための校内支援委員会は、いくらあってもいいと思っています…!

そうは言っても、管理する立場である管理職の言いたいことも分かります。

よって、夏休み期間中までに、校内支援委員会マニュアルを作成し、
どこで、だれが、どんな時に校内支援委員会を開催するのか
を全職員で共通理解をします。

マニュアルがないから、私も
「必要だろ!」
と勇み足で開催を決定してしまいました。
反省です。

本校の特別支援教育推進のために、コーディネーターとしてできることを取り組んでいこうと胸に刻んだのでした…!

今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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