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「転職ばっかりうまくなる」という奮闘記を読んで

先日、元上司からLINEにメッセージが届いていた。新卒で就職した会社の上司。懐かしさで驚き、一瞬時が止まった。

当時の支配人の祝い事が東京であるので、参加しませんかというお誘いだった。
上司は東北在住でその日は参加できないという。結局、私自身も都合がつかないということでお断りをしたのだったが、それより何より、元上司からのメッセージが嬉しくて懐かしくて思い出がぶわっと突風のように吹いた。

若さゆえに苦しかった出来事や、恥ずかしくなるような失敗や、悔し涙を流したことや、どんどん辞めていく同僚たちのことなんかを思い出す。
意地でも辞めないぞ!という今の時代だったら鼻で笑われそうな執着心で、結婚まで務めた会社だった。
一人暮らしなんてとてもじゃないけどできないお給料。それでも、田舎だから車を持っていないと移動ができず車は所持していた。お金、本当になかったなあ。
過労で何度も舌下腺が腫れたり、熱を出したり、蕁麻疹ができたり、血尿が続いて、それでも頑張り抜くことしかできないからやるしかないんだという心境から抜け出せず、ただただしがみついていた。

小突かれたり、怒鳴られたり、容姿について言われる(今より8キロくらい太っていた)ことも、そんなもんだと思っていたあの頃が懐かしい。

とは言え、ラインでメッセージをくださった元上司は決してそんな人ではなく、たまにヤンキー言葉は出ていたけれど(時折、この人に逆らってはいけないと恐ろしかったが)、基本的に根気強く私に仕事を教えてくれた優しい人格者だった。
今、思い返してみても歴代の上司の中で、この上司が一番かっこいいデキる上司だ。感謝しかない。

就職氷河期世代の私は、受かった会社にありがたく行くことが全てだった。
転職は一部のとても優れた人間だけに許されたことで、私なんぞが試みても面接で身の程知らずが!とボコボコにされたり笑われるくらいのことだと思い込んでいた。転職は今いる場所から階段をどんどん降りる行為だと信じて疑わなかった。

時代のこともあると思うが、私の思い込みによる歪んだ価値観でもあると思う。
全く、思い込みとは、時代とは、恐ろしく厄介だ。

先日買った本がとてもとても面白かった。


一気読みした。著者の人柄が垣間見れる。

実は最近よく目に留まっていた本だった。
面白そうだけれど、今時の価値観すぎて私にはどうだろう?と不安視していた本だった。
先日また目に留まる。気になって仕方ない。
ついに観念して「ええい!」と購入。
すごく面白かった。一気読み。寝る間も惜しんで読んだ。
25時半に読み終えて、しばらく興奮していた。
でも気持ちは穏やかでこれからどうにでも生きていける気がした。
これは、ひらいめぐみさんの転職話でもあり、生きるためには働いてお金を得なくては、というほとんどの人に共通して当てはまるサバイブ本でもある。
タイトルは軽やかだが、内容は奮闘記。サバイブしてる。
そんな会社辞めてしまえ!という職場や、え!ここ辞めちゃうの?良さげなのに!なんで?という一見ひらいさんに合っていそうな職場も出てくる。
そして、現在。
自分の能力を活かして、働き方を模索して、家族との生活を得たひらいさんの姿がある。
励まされた。
ひらいさんのような展開が私に訪れるかどうかはわからない。これは、ひらいさんの物語だから。それでも、私も私なりに進んでいこうと思えた。
たくさんの人に読んでもらいたい。そしていろんな世代、働いている人、そうでない人たちの感想が聞きたい。
単純に読みやすく、愛おしさも感じる著者のキャラクターも手伝って、非常にすらすら読める。
本の後ろの写真のひらいさんがまた可愛らしい。
たくさん辛い思いや悲しいこともあっただろうに、相手のことも自分のことも必要以上に悪く言っていないところも好感を持った。
私の印象だけれど、こういう本て自分のことを「こんな私なんて」×10くらいに下げて書いているものも多い。ひらいさんはその塩梅が非常に良かった。
奮闘しまくってもがいてここまできたから、この文章なのかもしれない。
心地よかった。
良本です!

休みの日のラーメン。
舞茸と豚肉の炒め物、ほうれん草、ゆで卵にめんま!
こうやって見返すとなんだか蕎麦かうどんみたいだなあ。

今朝は目玉焼きがうまくできた。
テフロン機能が皆無になったフライパンとお別れして、新しくやってきたフライパン。つるつるっとフライパン上で滑る目玉焼きに感動。心なしか美味しく感じる。
ちょっと前に買った計量スプーン。これも無駄のないデザインでお気に入り。使いやすい。ちゃんと調味料を計るって大事だなあと思い知る(いつまで続くやら)。

ヘッダーの写真は、近所のショートケーキ。小ぶりサイズで380円。美味しい。
オシャレカフェのケーキも好きだけど、こういうのも好き。おうちでケーキ食べてのんびりして曇天の外を眺めながらぼんやりした。穏やかな時間。

今日は頭の中をスピッツの「バニーガール」が繰り返し流れている。
軽快なテンポとちょっと不貞腐れ気味の歌詞のバランスがクセになる。
今日は細かい雨がサラサラ降っていて、それを見ながらふんふんとバニーガールをなぞっている。
さて。バナナとヨーグルトを食べて掃除しよう。





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