ナメック星の最長老に学ぶ「地方創生」で押さえておきたいポイント

お掃除系の会社で働いている。給料は低いがマイカー通勤族だ。つまり田舎で暮らしている。とはいえ人口減少問題はまだまだ対岸の火事。それでも使われていなさそうな箱物を見ると不安にはなる。

僕は納税者だ。選挙にも参加している。言いたいことは言いたい。きっとハイレベルな戦略があるのだろう。高度な政治判断もあったと思う。それでも過去の遺物を見ると不安になるのだ。

釈迦に説法だとは思うが一言いわせてほしい。「勉強してください」と。いい書籍を知っている。漫画だから頭にも入りやすいだろう。ドラゴンボールだ。

ナメック星篇は最高だった。わからない人のために説明しておくと、他所から来た宇宙人同士が喧嘩して、最後は星ごと爆破されてしまうという悲しい物語だ。あのストーリーには謎のままとされている部分がある。それは以下の通り。

・過去にナメック星を襲った気候変動とは何か?
・緑豊かな星に戻す目的の理由は?
・DBを手に入れるための知恵比べの真意は?

そもそもナメック星人の生態もストーリー上では詳しく語られてはいない。だがヒントはあった。ナメック星人の体が緑色なこと。食事は水だけのこと。太陽が複数あること。その3つだ。

そこから推測できるのは、ナメック星人は光合成で栄養を賄っているということ。

肌が緑色なのは、植物の葉が緑色なのと同じく、細胞の中に葉緑体を宿しているからだ。それだと食事が水だけなのも納得できる。光合成に必要なのは光と水だからだ。太陽が複数あるナメック星では生物としての都合もいいだろう。

おそらく栄養は空気中の二酸化炭素を利用して"糖"の形で保存されている。ナメック星人にはぽっちゃりもいるからだ。そう考えるとナメック星を襲った気候変動の形も見えてくる。

なんらかの影響で大気中の二酸化炭素濃度が極めて低くなったのではなかろうか。

生物を脅かす気候変動というと、火山の大規模爆発や隕石の衝突による寒冷化を想像してしまう。

けれどもナメック星の景色には高い山がない。加えて細い塔のような岩が乱立している。それは地殻変動が少ないことを意味している。そのため火山の大規模爆発の可能性は極めて低いと考えられる。

それでは隕石の衝突はどうだろう。それで寒冷化した場合は星に住む全ての生物が危機にさらされる。一番最初に死滅するのは体の大きな生物と思われる。その体を維持することが難しくなるからだ。

地球でも過去に同じことが起こったとされている。小さな生物は生き延びたが、体の大きな恐竜は絶滅してしまった。それと同じことが起こるはずである。

しかしナメック星では大きな海洋生物が劇中で登場している。そのことからも隕石の衝突で寒冷化した可能性も極めて低いと考えられる。

やはり過去にナメック星を襲った気候変動とは、大気中の二酸化炭素濃度の低下と考えられるが、そこで疑問に思うことがある。ナメック星人が一生懸命に樹木を育てていたことだ。

ご存じの通り、樹木もナメック星人と同様に二酸化炭素を必要とする生物だ。植えれば植えるほど大気中の二酸化炭素濃度は低下してしまう。二酸化炭素濃度の増加もしくは維持を考えるならば、樹木ではなく家畜を飼うことが正解だろう。

だがそこにナメック星のリーダーである最長老の戦略があるのかもしれない。

家畜を飼育したとしても、そこから排出される二酸化炭素量はしれている。根本的な解決には至らない。戦略は最悪を想定する。この場合の最悪は、再び二酸化炭素濃度が下がることだ。そのためには二酸化炭素の排出を増やすのではなく、規模の大きい循環サイクルを作ることが求められる。

それを具現化するために取った戦略は、ナメック星の観光地化だったのかもしれない。二酸化炭素という外貨を稼ぐのだ。

だがしかしだ、ここでも疑問が生じる。観光地化を目指すなら、宇宙港や宿泊施設、土産物屋などの箱物の建設を進めるべきではないのか。樹木を植えてる場合ではないのである。

でも最長老は樹木を植え続けることを選んだ。その真意はきっとこうだろう。

観光地に必要な箱物を建設すれば、きっと人は来てくれるだろう。だが長い目で見ればそれは愚策なのだ。ナメック星に特化した魅力をパッケージ化しないと人は来てくれなくなるだろう。似たような星はいくらでもあるのだから。

今すべきことは箱物の建設ではない。最優先させるべきことはナメック星の特色に磨きをかけること。そのうえで分かりやすくパッケージ化する。その情報を見込みのお客様へ届けるのだ。

まずは緑豊かな星にもどす。背景として「自然豊かで牧歌的な星」というイメージが必要だからだ。一番の訴求ポイントにはドラゴンボールを置く。7つ揃えると願いが叶う玉だ。それを手に入れるためには各地の長老と知恵比べをして勝たなくてはならない。その設定でパッケージングされた観光地をブランドとしBtoBで発信していく。

そこまで上手くいけば、他星の企業が参入したくもなるだろう。もちろん誘致もする。そのときはじめて宇宙港や宿泊施設、土産物屋ができるのだ。それ以外のサービスの可能性だって大いにある。そこの運営はその道のプロに任せた方が良い。

存分に稼いでもらえれば、この星にも利益が下りてくる。観光需要だけではない。住み込みの従業員で経済圏も出来上がるだろう。二酸化炭素の大規模な循環はそこで完成するのだ。

ナメック星の最長老が想い描いていた戦略はこんなかんじだろう。結果的に星の魅力があり過ぎるあまり、争いが生まれて星は消滅してしまったことからも、この戦略は正しかったと思われる。

箱物を作るのではなく、地域の魅力をブラッシュアップしパッケージ化する。これこそが「地方創生」で押さえておきたいポイントだと思われますよ。

遅くなりましたが、ドラゴンボールの作者である鳥山先生のご冥福をお祈りします。最高のコンテンツ群をありがとうございました!



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