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飛行機ジェットエンジンの進化

飛行機ジェットエンジンの進化

飛行機のジェットエンジンの目的の一つは、機体の推進力を得ることです。
初期のエンジンはダグラスDC-8のように、エンジンの口径が小さく、少しの空気を速い速度で押し出すことで推進力を得ていました。

現代の旅客機のジェットエンジンはどうなっているかというと、口径が大きくなっています。たくさんの空気をゆっくり押し出す構造になっています。この方が、騒音も小さく、燃費も節約できます。


『参考資料』

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(飛行機)ウイングアンチアイス

(飛行機)ウイングアンチアイス

飛行機は高高度を飛行するため気温が低い状態で降雨、降雪時や氷点下の雲の中を飛行します。主翼の前縁に少しずつ氷の層ができ、主翼の形状が変わってしまいます。

主翼は飛ぶための揚力を作り出す重要な部分です。着氷を防ぐためには、ヒーターを設置するなど対策が必要ですが、部品点数が増えると重量も重くなり非効率です。

そのため、エンジンからの高温高圧の圧縮空気を内側から吹き付け、主翼前縁への着氷を防止してい

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防氷装置

防氷装置

飛行機は他の乗り物にくらべて非常に厳しい環境にさらされます。氷点下の雲の中やマイナス80℃にもなる1万メートル以上の高度になると着氷が起こりやすいため、防氷装置が装備されています。
ウィンドヒートは車の後部窓ガラスにもついていますが、構造と目的が異なります。
【車の窓】
電熱線ヒーターが内蔵されていて内側のくもり止めをします。
【飛行機】
窓の全面をほぼ透明な伝熱ヒーター層でおおい、主に外側のガラ

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飛行機の排水方法

飛行機の排水方法

飛行機は自動車と同じで、重量が軽いほど消費燃料は少なくて済み、排出される二酸化炭素が少なくなります。そのため、排水は上空で蒸発させています。
高度3000m以上になると、機内の調理台の流し台とトイレの洗面台からの排水は、胴体下部のドレインマストから機外へ排出されます。排水された水は気流によって水しぶきとなり、地上に到達することはなく蒸発してしまいます。

ボーイング787には風力発電がついている

ボーイング787には風力発電がついている

787型機では、飛行中に必要な電力は、すべてエンジンに取り付けた発電機から供給されています
発電機は、主翼にある左右のエンジンにそれぞれ2台ずつ、計4台が装備されており、普段の飛行中は、もっぱらこの発電機が必要な電力をすべて供給しています。
また、これらエンジンの発電機が故障した際のバックアップ用として、補助動力装置にも2台の発電機が装備されており、さらに、これら6台すべての発電機が故障するという

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新車の開発にゲームの知見を

新車の開発にゲームの知見を

自動車メーカーのマツダは、コックピット周りのユーザーインターフェース開発に、ゲーム開発ソフトウエアを使うという。ゲームやスマートフォンを触るように、感覚的に操作できる車を目指す。

確かに今のカーナビには、ゲームのような操作性はない。

例えば運転席と助手席で空調の強さを変えたい場合。これまでの自動車であれば運転手や同乗者が送風部分のツマミを操作し、風の強弱や温度を調節していた。ゲーム開発のソフト

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スカイロビー方式

スカイロビー方式

あべのハルカス、グランフロント大阪に設置されているエレベーターは「スカイロビー方式」で運用されている。

スカイロビー方式は、「地上」から「ある階(スカイロビー)」にシャトルエレベーターで移動してから、そこから、別のエレベーターに乗り換えて、「目的の階」に移動する方法です。

間違えて、シャトルエレベーターに乗ってしまい、「しまった!!とまらないのか。」という経験がある方もおられるのでは?

スカ

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ホテルにコックピット再現

ホテルにコックピット再現

羽田空港第2ターミナルに直結する羽田エクセルホテル東急は3月16日に、日本航空(JAL/JL、9201)機のコックピット部品を活用したコンセプトルーム「JAL Cockpit ROOM」を新設する。
JALのパイロットが監修した操縦席のモックアップを設置し、一部に本物の部品を活用、窓からは駐機場が眺められる

泊まってみたい!!

『参考資料』

https://www.aviationwire.

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伊豆箱根鉄道

伊豆箱根鉄道

鉄道総合技術研究所は、伊豆箱根鉄道で電気を無駄なく電車に送る「超電導送電システム」を導入する、営業路線への導入は世界で初めての試みだ。

通常の送電ケーブルでは、電気の一部が熱となって失われる「送電ロス」が生じる。開発した超電導送電システムはケーブルの素材に、冷却すると電気抵抗がゼロになる超電導材料を使う。送電中の電気が熱に変わらず、送電ロスが生じない。

『参考資料』
https://www.r

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空飛ぶ車 いよいよ製造開始

空飛ぶ車 いよいよ製造開始

自動車のスズキは、Skydriveとともに「空飛ぶクルマ」と呼ばれる垂直離着陸機の製造を始める。2025年国際博覧会(大阪・関西万博)で披露する機体と、一般販売用の機体を製造する予定だ。

法整備がどうなるか気になるところだが、手軽に空を行き来できる未来が近づいている。

『参考資料』

https://skydrive2020.com

宇宙ヨット

宇宙ヨット

風に向けてヨットが進むように宇宙ヨットは、帆に光の圧力を受けて進む。光の粒子が宇宙ヨットの帆に当たると、衝突と反射、吸収を起こす。衝突と反射で光子が持つ運動量の2倍が帆に働き、吸収で光子の運動量が追加される。これが光の圧力の正体でヨットの推進力になる。


宇宙ヨットの研究は、世界各国で行われている。日本では宇宙ヨット「イカロス」が2010年にH―ⅡAロケットで打ち上げられた。帆はポリイミド樹脂

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牛フンで飛ぶロケット

牛フンで飛ぶロケット

民間企業のインターステラテクノロジズが開発している新型ロケット「ZERO」の燃料は、牛のフンや尿からつくった液化バイオメタンです。ロケットの打ち上げには、他の物質を含まず純度の高い液化メタンが必要です。
牛フンから液化メタンを作るには、牛のフンや尿を回収して発酵させ、発生したガスを専用のトラックでプラントに運びます。そこでガス中のメタンと二酸化炭素を分離した後、液体窒素を使って約-160℃まで冷し

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新たな交通システム

新たな交通システム

Zipparという交通システムが注目されている。最大の特徴は、コースを自由に設計できる点にある。従来のロープウエーはロープに固定されたゴンドラを動かす仕組みのため、基本的には真っすぐにしか進めなかった。一方でゴンドラ自体が自走するZipparはカーブを自在に曲がれる。つまり、空中という都市のデッドスペースを活用し、新たな交通網を築く可能性を秘めている。

さらに支えとなる支柱は、200〜300メー

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空飛ぶ基地局

空飛ぶ基地局

無人航空機を飛ばして携帯電話通信に使う「空飛ぶ基地局(HAPS)」が2025年度にも実用化される見通しだ。日本が提案した基地局で活用する周波数のルールについて国際的に合意した。

HAPSは宇宙の手前にある地上18〜25キロメートルの成層圏に無人航空機を飛ばして、携帯電話通信の基地局にする。スマートフォンなどの通信エリアが海や空にも広がる次世代通信として期待される。

『参考資料』
https:/

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