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なぜ書くのか ~大学院で精神を病んだあとで~

 去年まで7年間大学院にいたが、研究をやめて暮らすことを優先する選択をした。  研究をやめたのには、いくつか理由がある。結婚して沖縄の山奥に住むようになったから。とりあえず、働かないと暮らせなかったから。大学のシステムにうんざりしたから……。  前向きな選択のつもりだったが、つづけられる精神状態ではなかったことが、たぶん一番の理由だった。    でも、もしかしたらワンチャン、アカデミックポストに就職できるかもしれない、そう心のどこかで思ってきたのかもしれない。研究の道を選ば

    • 自己紹介に代えて 〜対話をめぐる話〜

       4月から沖縄のとある共同売店で働きはじめた。    共同売店とは、住民が出資しあって運営するお店のことで、明治末期に沖縄で生まれたらしい。現在わたしがかかわっている売店は、地域で運営されているが、住民が出資しているわけではない。だから、本来の共同売店ではないが、昔ながらの共同売店的な要素を持ったお店であり、小さな集落での暮らしを支えるインフラとしての役割を担うものとして、地域住民からは認識されているように思う。  じつは、今回この職場で働くのは2回目だ。3年前に3ヶ月間だ

      • 【ヒプノセラピー体験談②】パートナーとの前世から見えてくる母との関係

         ここからは、わたしが見に行ったパートナーとの前世の話をしよう。  木陰の前にたたずんでいる。わたしは17歳。モンペを履いていて、足元は砂利。時代はわからないけれど、戦前の日本のようだ。神社の境内にいるらしい。  パートナーとの記憶でまず思いだされたのは、その境内で、わたしより少し年上の女性の横に座って、本を片手に話をしている姿だった。そう、そのかのじょが、いまのわたしのパートナーだ。かのじょは、暮らしのなかで女性たちが直面してきた問題を政治の話として語り、社会を変えていく

        • 【ヒプノセラピー体験談①】なぜヒプノセラピー?|パートナーといると罪悪感に襲われる理由

           先週、3ヶ月ぶりにヒプノセラピー(催眠療法)を受けた。  2回目となる今回のセッションも、前回につづき「前世療法」を選択。ちなみに前回は、自分の使命を知ることが目的だったが、今回はパートナーとの前世を見にいくことにした。  ヒプノセラピーとか前世療法と聞いてもピンとこない方がほとんどだと思うので、まずはごく簡単にそれぞれの説明をしておこうと思う。  ヒプノセラピーには、3000年以上の歴史がある。古代エジプトの寺院で、僧侶が信者の病を癒すために、眠らせて暗示をかけていたと

        なぜ書くのか ~大学院で精神を病んだあとで~

        • 自己紹介に代えて 〜対話をめぐる話〜

        • 【ヒプノセラピー体験談②】パートナーとの前世から見えてくる母との関係

        • 【ヒプノセラピー体験談①】なぜヒプノセラピー?|パートナーといると罪悪感に襲われる理由

          【宗教二世のつぶやき②】夢のつづき

           幼少期のことを、少し書いてみようと思う。    わたしには、恵まれた環境で育った自覚がある。でも幸せだったかと聞かると、答えに困ってしまう。ーーなぜか。その理由は、宗教と関係している。  両親はプロテスタントの教会に通っていた。二人はもともと仏壇のある、日本のごく「普通」の家庭で育ったが、それぞれのタイミングで教会に通うようになり、キリスト教に入信した「宗教一世」だった。二人は教会で出会い、結婚した。  だから、わたしは幼少期から、いや生まれる前から教会に通っていたことに

          【宗教二世のつぶやき②】夢のつづき

          【宗教二世のつぶやき①】夢のなかのこども

           夢を見た。  わたしは、ある集会に来ていた。知り合いとそのかのじょのこどもに付き添って来たらしい。  それがなんの集会で、自分がどうしてそこにいるのかわからないのに、大事な儀式があるらしいことだけはわかっていた。一通り説明を受け、重要ななにかが行われるであろう部屋に移動することになった。周りの人たちがゾロゾロ部屋から出ていくなか、その知り合いに呼び止められる。かのじょは強い目力を放ちながら、こう言った。 「この子、わたしが占いやスピリチュアルなものが好きだってわかってい

          【宗教二世のつぶやき①】夢のなかのこども