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東京駅に馴染めたら、東京という街と心から仲良くなれる気がする。

田舎で生まれ育ちました。
最寄りのTSUTAYAまでは、車で一時間。
スタバや吉野家に行こうと思えば、往復で丸一日を費やすほどのお出かけになる。
そんな、海のそばの町に住んでいました。

上京してだいぶ経ちます。
今では「どこに行っても沢山の人」という都内が、しっかりと日常の一部になっています。

山手線停車駅のうち、渋谷は行く用事が無いので、相変わらずほぼ知らない街のままです。
(何年か前に行ったHMVブックス渋谷店は、海外文学が充実していて好きな書店だと思えたけれど)

でも新宿、池袋、上野、品川あたりなら、人混みに臆せず歩き回れるようになりました。
日常的に利用する人も、遠近問わず様々な街から遊びに来る人も、ごった煮で行き交う街。
駅構内で前から横から進んでくる人々にぶつからないよう、最適なスキマを瞬時に判断して縫うように歩くスキルを、いつの間にか身につけていたわけです。

胸張って自信持って「東京という街に馴染めた!」と思っていました。


でも。
その自信を見事にへし折ってくれたのが、先日訪れた東京駅でした。

飛行機に乗るなら品川駅を利用します。
新幹線に乗る時は、品川駅か上野駅から乗ります。
従って、渋谷以上に訪れる機会のない場所。
それが私にとっての「東京駅」でした。

行こうと思ったきっかけは、趣味の開運お散歩でした。九星方位気学が好きなので、用事のないお出かけにはよく参考にしているわけです。
地図を眺めていた時に、ちょうど良い位置に東京駅があることに気がついて、それなら試しに行ってみようと。

いやほんとに凄かった。
東京駅に降り立ったのは、土曜日とはいえ朝の7時過ぎ。にもかかわらず改札内の混雑っぷりがえげつなかった。
みんな朝からどっか遊びに行くのかな、行くんだろうな東京駅だもんな……としばし呆然。

新宿や池袋も人が多いけれど、人々の動きに大きな流れのようなものがあるので、そこを見極めて流れに乗るなりスキマを探すなりすれば歩ける。
でも東京駅の混雑にはそれが無い。

多分、他の駅と比べると、日常的に利用する人の割合が少ないんだろうなと思います。
各々が好きなように歩いているから、縫うスキマが見つけられないんです。

ここを日常的に使う人はほんとにすごい。
尊敬に値する。


書いてるうちに思い出した。
私が初めて東京駅に降り立ったのも、決して良い思い出とはいえない出来事がきっかけでした。

まだ上京前のこと。
仙台で開催される好きなバンドのライブに行くために、東京駅から東北新幹線に乗り換えるべく、東海道新幹線に乗っていました。

しかしライブの開演時間に台風が仙台を直撃することがほぼ確定して、昼間のうちに開催中止が発表されたんです。
中止のお知らせを目にした時点で既に品川駅を過ぎていたので、やむを得ず東京駅に降り立ち、東京〜仙台間の払い戻し手続きを行うためにみどりの窓口を探しました。

でも、改札内だけでもただでさえだだっ広いのに、改札がありすぎてどこに行けばいいのか見当がつかない。
そもそも方向音痴な上に、初めて訪れる場所でしかも東京駅。条件が悪すぎました。

その後さんざん歩き回った末にみどりの窓口を発見できたのも、そこに人だかりが出来ていたからです。
大行列に並んでくたびれ倒して、なんとか下りの新幹線に乗ったものの、今度は新横浜駅で数時間立ち往生して……と続きます。
今でこそ持ちネタみたいに話せますが、当時はほんとにしんどい出来事でした。




今は4月29日の朝。
東京駅構内なのかそうじゃないのか判断がつかない位置にあるスタバの店内で、これを書いています。このあと改めてあちこち歩いてみるつもりです。

東京駅に馴染めたら、東京という街と心から仲良くなれる気がする。
少なからず祈りのような想いも込めて、この記事タイトルをつけました。

お読みいただき、ありがとうございました。

#66日ライラン30日目


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