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島と花と日々と

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世界中の、何気ない日常の愛おしさと美しさを写したい #花と写真と日々と

世界中の、何気ない日常の愛おしさと美しさを写したい #花と写真と日々と

このnoteは、2021年春に実施した「伊佐知美とGENICとNikon Z 6IIでPhotoLabo #花と写真と日々と 」のイベントレポートです

突然だけど、「何かを撮る」という行為が、「とくべつ」でなくなって久しい。

それはやっぱり、スマートフォンが世界中に普及した結果、「カメラ」という「機材」をそろえることなしに、「瞬間を残すこと」が多くの人にとって、容易になったからだと思う。

撮る

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旅と日常が混在するこの島は、私が欲しい未来がぜんぶ詰まってる気がして

旅と日常が混在するこの島は、私が欲しい未来がぜんぶ詰まってる気がして

何もなかった真っ白な部屋。

日を追うごとに少しずつ、それこそ小さな鳥が、巣作りのための枝や藁みたいな何やかんやを、くちばしに咥えて運ぶごとく、私は自分で言うけどこの細腕で、両手いっぱい持てる限りの荷物を、毎度まいど、この部屋まで運んで暮らした。

朝陽が昇って、風が吹いて、海がきらめき、雲が流れ、波は揺れ、そしてそのうちに夕陽が暮れゆき、その隣で月が昇って、そして星が瞬くような、そんなリズム。

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日本の南の島・沖縄で暮らし始めた日々を写真で残すこと

日本の南の島・沖縄で暮らし始めた日々を写真で残すこと

写真を撮るのが楽しい、と感じるようになったのは、いつからだったかもう覚えていない。

世界の美しさや、日常の尊さを残すのなら、イラストでも、動画でも、洋服を作るのでも、料理に投影するのでも、ほかに方法がいくらでもあったのに。

写真、という形がすき。ファインダーを覗く前に、心が動いた瞬間を、いまや目に染み付いた「画角」で切り取る。そしてファインダーを覗いて、もう一度「世界を再発見」するのだ。

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島と、花と、日々と。きっとこれからの私を、彩るもの。

島と、花と、日々と。きっとこれからの私を、彩るもの。

新しい部屋に足を一歩踏み入れたとき、「あぁ、風が通り抜ける美しい場所だな」と思った。

高台の、ビンテージマンションの最上階。二面採光どころではない、三面、ほぼ四面、みたいな明るさで、部屋にいながらにして朝陽と夕陽、さらには海と、誰もが知っているであろう歴史的建造物が見えた。

「窓を開けると、風が気持ちよく吹きます」。この部屋を知るひとは、私にそう言伝をした。着いたら、まず窓を開けよう。

そう

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「このまま旅を続けていても、どこへもたどり着けないから」

「このまま旅を続けていても、どこへもたどり着けないから」

愛していた、愛していた「旅」と「書くこと」。今も変わらず「愛している」。けれどそれはまた別の顔をもって、いま私の横にそっと立つ。

「どこへ向かいたいの?」。旅に出てから数年経って、私がわたしに、もっとも問うていた一言。

「このまま旅を続けていても、どこへもたどり着けないから」。あの夜ぽつりとこぼした私に、あなたはそっと、「どこかへたどり着きたい、の?」とだけ聞いた。

その返された言葉の響きを

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花を好きになった理由を振り返ってみれば #島と花と日々と

花を好きになった理由を振り返ってみれば #島と花と日々と

最初に花に興味を持ったのは、いつだったか覚えていない。たぶん、強いて言えば……思い返せば、あのときだったと思う。

「自然の色彩が、一番美しいからね」。

出版社のコスメ雑誌の編集部に所属していた時代、敏腕かつ見目麗しい先輩編集者が、部内インタビューでさらりと言い放った。

あの瞬間のときめきや輝き、花の色彩の美しさを私はたしかに今でも覚えている。忘れられない。

空や海、大地と並んで、花の色彩に

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