「もうふるさとは100%元に戻らない」元町長が語る 故郷が放射能で汚染されるという現実
福島県南相馬市小高(おだか)地区の自宅に、江井績(えねい・いさお)さん(74)を訪ねて話を聞いた。江井さんは、2006年に市町村合併するまで、小高町の町長を2期6年勤めた同町最後の町長である。地元高校を卒業後、18歳で町役場に就職し、54歳で助役になり、そのあと町長に当選した。江井さんの自宅は福島第一原発から北17キロの地点にあった。
私が江井さんに話を聞こうと思った理由はいくつかある。
⑴江井さんのふるさとである「小高地区」は、南相馬市の中でも福島第一原発に最も近い