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パニック障害になりました。

なるなんて思っていなかった。

どこか遠い世界の、別の話だと思っていた。
本当に。

うつ病になった時に、パニック障害に近い症状はあったけれど、過呼吸とか、倒れるとかはなく、だから診断はつかず、ギリセーフって感じで。
それから治療を重ねるたびに、"そういう症状"は落ち着いてきたから、もうならないものなのだと思っていた。


そもそものきっかけも何なのかよくわからない。

8月の半ばくらいに電車に乗っていたら、気分が悪くなり、座りたいなぁと思ったのだが、満員で座れず、優先席にも元気そうなおじさんが座っていたので諦めるしかなく、仕方なく立っていたのだが、人の多さや、なかなか目的の駅につかないしんどさや、"人間"や"世界"に対する気持ち悪さなどが頭の中で駆け巡り、止まらなくなった。

申し訳なさそうにカバンからチョコをガサガサとひっぱり出して口に放り込んでいる目の前の女の子の動きを見て気を紛らわせようとしたのだが、今度は目の前がチカチカし、強い吐き気がして、全身に力が入らなくなり、動悸がひどくなり「あっ倒れる」と思った。

その瞬間、目的の駅ではないけど、別の駅に着き、何も考えずに走り降りて1番近くにある柱につかまり、しゃがんだ。

しゃがんでもなお気持ちが悪くて、しばらくは立ち上がれそうになく、いろんな人に見られているのを感じながら俯いていたら、知らない親子が「大丈夫ですか?」と聞いてきた。

返事をするために顔を上げたら「わ、顔真っ白、大丈夫ですか?」と言われた。

もともと顔が白いので、いやいや〜元からです、なんて言おうとしたけれど、驚かれるほど白いわけではなかったので、そんなに白いんだ...と納得しつつ「大丈夫です。」と言ったらその親子は去って行った。

でもしばらくは立てそうになかったので、その場でうずくまり続けていたら、その親子がまた戻ってきて、
「大丈夫じゃなさそうだったので、駅員さんに言いました。救護室あけてくれるそうなので一緒に行きましょう。」
と言われ、娘さんらしき人に支えられながら救護室に向かった。

優しすぎる親子にお礼を言って休んだ後も体調は治らず、駅で決められている休める時間内に回復しなかったのでルールに則って搬送された。

この出来事があってから電車に乗るのが少し怖くなった。
もともと6年間ずっと電車通学をしていたので、電車に対する恐怖心など持ったことがなく、むしろ家と違って落ち着ける場所だと思っていたので悲しくなった。

それからは"そういう発作"みたいなものが起こらなかったのだが、9月の半ばにICUに入院していた時、入院してから一晩経って少し落ち着いた頃に、なんの前触れもなく、本当にいきなり過呼吸になった。

これが過呼吸であり、発作であるということは頭では完全に理解していたのに、止めることができなかった。それが短い時間で3回もあった。
見かねた先生が抗精神病薬を点滴してくれるまでそれは続いたし、看護師さんが横でずっと手を握ってくれるまで続いた。

人生で初めての過呼吸だった。

私もなるんだって。
どんなにストレスがかかっても過呼吸にだけはなったことがなかったので衝撃だった。

この頃から、私の、私に対する絶対的な信頼(発作が起きないとか過呼吸にならないとか、私は強い人間であるという謎の自信)とかが脆く崩れ去って行った。

私はどこにでもいる精神障害者で、弱い人間なのだ、と。

この後もバイト先で前述の発作が起こり、2度も倒れてしまい早退したり、お洋服を見に行ったり、スーパーに行ったりするだけで動悸がして吐き気がして、気持ち悪くなってお腹が痛くなり、立っていられなくなる、などの症状が起こり、つい昨日「パニック障害」と診断された。


自分には関係ないものだと思っていたので結構ショックだし、なんでなんでって反芻しても答えは出ないし、治療にはSSRIと抗不安薬が有効と書かれていて、でもすでに私は両方とも飲んでいたのにそれを乗り越えてまで発症してしまったのが悔しくて悲しいし、どうやったら良くなるんだろうとか、あれもダメなのかな?これもダメなのかな?発作が起こってしまうのかなって、発作が起こったことがない場所でさえも怖がってしまうようになったし、これから先の未来が怖い。

発作が起こったら...っていう最悪の考えが頭の中をぐるぐるしている、ずっと。

私はダンスが大好きでステージに立つことが何よりも好きなのだけど、それすらもできなくなったらどうしよう、とか。

きっとこういう思考も症状の一つなんだろうけど、わかっていても止められない。

今はなんでなんでって反芻したり、神を恨んだり意味のないことばかりをしているけれど、今の主治医に言われた通りに、電車ならまずは一駅からとか、できることを少しずつ増やして行って克服していきたい。

治すものがまた一つ増えてげんなりしているけれど、早く治るといいね、私。

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