ウニプロ@SF小説研究中

本を読みながら現実をなんとなく生きている。 noteにSF小説のことを綴っていくことに…

ウニプロ@SF小説研究中

本を読みながら現実をなんとなく生きている。 noteにSF小説のことを綴っていくことにしてみた。 【SF以外の好きな小説】 第七官界彷徨/西の魔女が死んだ/ピンポン/告白/百年の孤独/オラクル・ナイト/はてしない物語/人間失格/すべての見えない光/西瓜糖の日々/やし酒飲み/穴

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  • SFの扉を開きし初心者の書

    「三体」でSFの魅力を知った人がSFの世界を旅していくマガジン

最近の記事

エリック・マコーマック「隠し部屋を査察して」 幻想文学とSFの違いってなんだろう

「共感しながら読みました」 「分かる分かるって頷きながらページをめくりました」 日本の売れ筋の大衆文学にはこんな感想がよく聞かれる。 もちろんそういう本を読みたいときもあるけれど、 SFや幻想文学で描かれるような個性的で偏った想像力の塊、日常から逸脱した歪みに浸りたいときもある。 そんなわけで数年前から心惹かれている作家エリック・マコーマックの「隠し部屋を査察して」を読んだ。 初版が2006年5月26日ですが、2020年9月11日に復刊フェアで再版されました。待って

    • ケン・リュウ「宇宙の春」を読んで宇宙の終わりと始まりに思いを馳せる

      ケン・リュウの短編「宇宙の春」を読みました。 宇宙の春、と検索してまず出てきたのがこの絵画。 抽象絵画の開拓者として知られるチェコ人のフランティシェク・クプカ(1871−1957)が描いた「宇宙の春」という作品だそうです。 神智学や錬金術、あるいは哲学や自然科学に至るまで熱心に研究したクプカが、「宇宙の法則」を探求し、宇宙の誕生を表現したもの。 深い青、淡い青の中にちりばめられた明るい色合いが、春という始まりへの希望を感じさせるような作品です。 という訳で今回はケン

      • とにかく面白いSF作品が読みたいんだ!!ネビュラ賞・ヒューゴー賞同時受賞作品など

        さて、前回の記事でこの世に数多あるSF作品の中から有名なものをいくつか調べ学習しました。 今回は、ダブル・クラウンと呼ばれるネビュラ賞・ヒューゴー賞同時受賞など、さまざまな賞を受賞している「面白いであろう作品」をまとめてみます。 ※ まだ読んでいません。あくまでも面白いだろうという勝手な推測です。 今回はどの賞も長編部門についてのみ調べてみました。 1.帝国と呼ばれた記憶 アーカディ・マーティーン2020年ネビュラ賞・ヒューゴー賞同時受賞。 2021.8.21ハヤカ

        • ネビュラ賞、ヒューゴー賞・・・色々あるSFの文学賞にくわしくなりたい!

          SFの世界に魅了されてSFをちびちび読んでいる日々です。 本の帯に「ネビュラ賞・ヒューゴー賞W受賞」など、なにやらすごそうな紹介をされているSFにたびたび出くわすようになりました。 SF以外の文学賞だと、ノーベル文学賞、ブッカー賞、全米図書賞、ピュリッツアー賞、ゴンクール賞など聞きかじったものもありますが、、 SFの文学賞、色々あってぜんぜん分からない! それぞれの特徴を知りたい! ということで、今回は多種多様なSFの文学賞についてほんの少しお勉強してみました。 1

        エリック・マコーマック「隠し部屋を査察して」 幻想文学とSFの違いってなんだろう

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          「あなたの人生の物語」テッド・チャンはSF哲学だった ※後半~ネタバレ有

          映画メッセージの原作であるテッド・チャンの「あなたの人生の物語」を読みました。 人気SF作家テッド・チャンの名作短編『あなたの人生の物語』を「プリズナーズ」「ボーダーライン」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化した感動のSFドラマ。ある日突然地球に飛来した謎のエイリアンとの意思疎通という重責を託された女性言語学者を待ち受ける衝撃の運命を描く。主演はエイミー・アダムス、共演にジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカー。ある日、宇宙から飛来した巨大な楕円形の飛行体が地球の12ヵ所

          「あなたの人生の物語」テッド・チャンはSF哲学だった ※後半~ネタバレ有

          「バビロンの塔」テッド・チャンで宇宙を感じて円環の理を知る ※ネタバレ有

          1.神話のようなSF「バビロンの塔」 ハヤカワ文庫「あなたの人生の物語」を読んでいる。 テッド・チャンが2002年にまとめた個人アンソロジーで、映画メッセージの原作になった表題作が収録されている。 今日は1編目の「バビロンの塔」について。 1990年に書かれたこの短編は、古代都市バビロンに建てられた塔について神話チックに描かれている。 何世紀も昔から何世代にもわたって高く高く煉瓦が詰まれてきたこの塔。 どんなに遠くからでも、天高く続く塔を眺めることができたとあるが

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          SF小説初心者が三体を完走した結果、SFの沼にずぶずぶ入っていきそうな話

          1.いままで読んできたSF いままで読んできたSFと言えば・・・  ・一九八四年/ジョージ・オーウェル  ・夏への扉/ロバート・A・ハインライン  ・星を継ぐもの/ジェイムズ・P・ホーガン  ・虐殺器官/伊藤計劃  ・新世界より/貴志祐介   など そんなにのめりこんで読んできたジャンルではなく、どちらかというとふだんは純文学、ブッカー賞等の海外文学作品などを中心に読んでおり、 ファンタジー、幻想文学、ディストピア系(これはSFに入る?そういう知識もありません

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