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詩ことばの森(160)「朝の森で」

朝の森で

神奈備の木に花が咲き
天が喜び   地が潤い
依代は輝きを灯しつづけた

あれから季節は巡り
緑の季節となり
木々は自らの葉の重みに
軋んだ声をあげている
強い風に髪を振り乱した姿は
まるで鬼神だ

私が思っているのではない
木が教えているのだ
成長とは犠牲を伴うのだと

朝の森をひとり歩き
闇の名残に湿った道に
散乱している枝葉の
鈍い音を踏みつつ行けば
ちぎれた鬼たちの腕

(森雪拾)

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