uplink_senden

映画会社アップリンク配給宣伝部noteです☆ 第59回カンヌ国際映画祭コンペティション…

uplink_senden

映画会社アップリンク配給宣伝部noteです☆ 第59回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品『天安門、恋人たち』(頤和園) 1980年代末の中国北京。時代に翻弄され、時を越え愛に揺れ動くラブストーリー。5月31日からアップリンク吉祥寺/京都から再上映!

最近の記事

  • 固定された記事

映画『天安門、恋人たち』二重の「青春残酷物語」/晏 妮(日本映画大学特任教授)

5/31(金)公開。映画『天安門、恋人たち』について、映画研究者 晏 妮先生より寄稿をいただきました。 二重の「青春残酷物語」  原題の『頤和園』は、人工の湖と山を有する歴代皇帝の離宮であり、現在市民に開放されている公園だ。そもそも本作に登場する「北清大学」とは、名門である北京大学と清華大学の名称をミックスした架空の大学だが、両校とも「頤和園」の近くに位置していることで、北大生と清華大生にとってこの公園はデートに使う恰好な場所なのだ。本作が日本公開時に、おそらく映画の背景

    • 生/性の倫理としての『天安門、恋人たち』北村匡平(映画研究者/評論家)

      5/31(金)公開。映画『天安門、恋人たち』について、映画研究者で評論家の 北村匡平様より寄稿をいただきました。 生/性の倫理としての『天安門、恋人たち』  雨が滴る音——。建造物を下から捉えたカメラは配達員の顔に接近すると、そのまま建物内の薄暗い通路を歩いていく男を追跡する。『天安門、恋人たち』の冒頭の舞台は中国の辺境、北朝鮮との国境付近にある図們(ともん)。カメラは裏ぶれた路地で働くヒロインと、彼女に北京の大学合格の手紙を届けにきた恋人を映し出す。すると何の前触れもな

      • 『天安門、恋人たち』「フィルムに込めた思いを未来に残すため」芦澤明子(日本映画撮影監督協会副理事長/撮影監督)

        5/31(金)公開。映画『天安門、恋人たち』について、日本映画撮影監督協会副理事長 芦澤明子様より寄稿をいただきました。 「フィルムに込めた思いを未来に残すため」  映像の世界では、技術的な進歩、特にデジタル映像の世界は、4K、8K、あるいはHDRというように日進月歩で進んでいます。それを否定しているのではないのですが、フィルムによる表現は依然大きな意味を持っていると思います。現在でも2022年の『ケイコ 目を澄ませて』のように16mmフィルムで撮影されて成功している作品

        • 『天安門、恋人たち』と2024年に出会い直すこと/宇野維正(映画ジャーナリスト)

          5/31(金)公開。映画『天安門、恋人たち』について、映画ジャーナリスト 宇野維正様より寄稿をいただきました。 『天安門、恋人たち』と2024年に出会い直すこと    2024年に『天安門、恋人たち』を日本で観ること、あるいは観直すことから、一体どのような意味が立ち上がってくるのか? そのようなテーマを設定して本稿に取り掛かろうとした途端、あらゆる角度から光が乱反射して、その光線の一つ一つを追っているうちに目眩のような感覚に陥らずにはいられない。改めて、ロウ・イエが自国で公

        • 固定された記事

        映画『天安門、恋人たち』二重の「青春残酷物語」/晏 妮(日本映画大学特任教授)

        • 生/性の倫理としての『天安門、恋人たち』北村匡平(映画研究者/評論家)

        • 『天安門、恋人たち』「フィルムに込めた思いを未来に残すため」芦澤明子(日本映画撮影監督協会副理事長/撮影監督)

        • 『天安門、恋人たち』と2024年に出会い直すこと/宇野維正(映画ジャーナリスト)

          『フレディ・マーキュリー The Show Must Go On』吉田聡志氏と朝日順子氏がトークショーに登壇 フレディ・マーキュリーをリアルな視点で語る

          伝説のバンド《クイーン》ボーカル フレディ・マーキュリー、語り継がれる本当の姿 2018年に公開された『ボヘミアン・ラプソディ』以降若い世代を巻き込み人気が再燃したクイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーについて語られたイギリス発の最新ドキュメンタリー『フレディ・マーキュリー The Show Must Go On』が2月16日(金)より世界に先駆け日本初公開されました。本作は、名曲「ボヘミアン・ラプソディ」誕生秘話とフレディをはじめブライアン・メイらクイーンのメン

          『フレディ・マーキュリー The Show Must Go On』吉田聡志氏と朝日順子氏がトークショーに登壇 フレディ・マーキュリーをリアルな視点で語る

          アップリンク・DCP 試写室レンタル

          アップリンクの吉祥寺事務所の一室を試写室にしました。 DCP プロジェクター、劇場用スクリーン、アップリンク渋谷から移設した 5.1 スピーカーと椅子を備えたコンパクトな試写室です。 DCP のチェック試写、関係者試写、決まった媒体のプレス試写にご利用いただけます。 試写室基本情報会場名:吉祥寺試写室 所在地:東京都武蔵野市吉祥寺南町 1 丁目 15-16 コーワビル 201 号室 席数:客席 10 席・補助席3席 ビデオプロジェクター:GDC Supra5000

          アップリンク・DCP 試写室レンタル

          『阿彦哲郎物語 戦争の囚われ人』トークショー  小笠原瑛作さんと佐野伸寿監督が登壇

          カザフスタン・日本合作映画『阿彦哲郎物語 戦争の囚われ人』のトークイベントがアップリンク吉祥寺で行われた。 映画の主人公阿彦哲郎役の小笠原瑛作と佐野伸寿監督が登壇した。 冒頭、小笠原さんが阿彦さん役を演じることとなった経緯を語る。「今日来るはずだった清水聡(ボクシング・ロンドン五輪銅メダル)さん、彼が小笠原さんを紹介してくれました」と佐野監督が触れると、「合同練習会で清水さんと会って、『僕の先輩が映画に出てくれる人を探していて体を酷使できて減量ができる人なんだけど、小笠原く

          『阿彦哲郎物語 戦争の囚われ人』トークショー  小笠原瑛作さんと佐野伸寿監督が登壇

          『阿彦哲郎物語 戦争の囚われ人』 <オフィシャル イベントレポートリリース 2023年12月22日(金)>

          シベリアからカザフスタンへ民間人抑留者の記録・2作品同時公開! 『阿彦哲郎物語 戦争の囚われ人』 この度、長編映画『阿彦哲郎物語 戦争の囚われ人』が12/22(金)よりUPLINK吉祥寺ほかにて全国順次公開となりました。公開を記念し、初回上映後に舞台挨拶トークイベントを行いましたので、オフィシャルレポートをリリースさせて頂きます。ぜひ、この機会に貴媒体にてご紹介のほど宜しくお願い致します。 ■日時:2023年12月22日(金) ■場所:UPLINK吉祥寺 ■登壇者(敬称略)

          『阿彦哲郎物語 戦争の囚われ人』 <オフィシャル イベントレポートリリース 2023年12月22日(金)>

          映画『サタデー・フィクション』 12月9日(土)佐野伸寿様、関智英様トークイベント事後リリース

          第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門正式出品 コン・リー×オダギリジョー共演 太平洋戦争開戦前夜の魔都上海 日本海軍少佐と女スパイの偽りの愛と策略の7日間の物語 中国、太平洋戦争が勃発する直前の魔都、上海。世界各国の諜報員が暗躍していた時代を舞台に、人気女優とスパイの二つの顔を持つ主人公を中心に据え、当時上海の中心とされていた現存する劇場「蘭心大劇場」で巻き起こる愛と謀略の物語を美しいモノクロ映像で描き出す。 この度『サタデー・フィクション』の公開を記念して、

          映画『サタデー・フィクション』 12月9日(土)佐野伸寿様、関智英様トークイベント事後リリース

          映画『サタデー・フィクション』 12月8日(金)枝優花様、根矢涼香様 トークイベント事後リリース

          第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門正式出品 コン・リー×オダギリジョー共演 太平洋戦争開戦前夜の魔都上海 日本海軍少佐と女スパイの偽りの愛と策略の7日間の物語 中国、太平洋戦争が勃発する直前の魔都、上海。世界各国の諜報員が暗躍していた時代を舞台に、人気女優とスパイの二つの顔を持つ主人公を中心に据え、当時上海の中心とされていた現存する劇場「蘭心大劇場」で巻き起こる愛と謀略の物語を美しいモノクロ映像で描き出す。 この度『サタデー・フィクション』の公開を記念して

          映画『サタデー・フィクション』 12月8日(金)枝優花様、根矢涼香様 トークイベント事後リリース

          絶賛公開中『サタデー・フィクション』トークショー第一弾 2023/12/1    登壇者:森直人さん、徐昊辰さん

           12月1日、『サタデー・フィクション』トークショー第一弾が開催いたしました。  全国公開中のロウ・イエ監督の『サタデー・フィクション』イベント企画として、12月1日、映画評論家森直人さんと映画ジャーナリスト徐昊辰さんの登壇によるトークショーがアップリンク吉祥寺にて実施いたしました。映画の物語が始まるのは82年前の12月1日。  ロウ・イエ監督の作品を熟知している森直人さんと徐昊辰さんの登壇により、話は映画の物語の入れ子構造からロウ・イエ監督の作品や中国検閲などまでわたり、い

          絶賛公開中『サタデー・フィクション』トークショー第一弾 2023/12/1    登壇者:森直人さん、徐昊辰さん

          映画『サタデー・フィクション』  ロウ・イエ、歴史・フィクション 晏 妮(日本映画大学特任教授)

           11/3(金)全国公開の映画『サタデー・フィクション』につきまして、映画研究者晏 妮先生より寄稿をいただきました。 ロウ・イエ、歴史・フィクション  『スプリング・フィーバー』が東京国際映画祭で上映された際、『映画芸術』の企画により、ロウ・イエは青山真治と誌上対談を行った。日本に留学し、1945年にシンガポールで憲兵に殺害されたとされる郁達夫が発表した短編小説『春風沈醉の夜』という原題をそのままこの映画のタイトルに使用していることで、二人の対話は映画から文学に及んだ。『

          映画『サタデー・フィクション』  ロウ・イエ、歴史・フィクション 晏 妮(日本映画大学特任教授)

          映画『サタデー・フィクション』      プロダクションノート           樋口裕子(翻訳家)

          11/3(金)全国公開の映画『サタデー・フィクション』につきまして、翻訳家樋口裕子さんよりプロダクションノートを執筆していただきました。  二〇一七年の十二月、中国のSNS上に「婁燁〔ロウ・イエ〕の新作『人間の条件』がコン・リー主演で間もなくクランクイン」という情報が出た。だが撮影に入ったのは、この『サタデー・フィクション』(原題:蘭心大劇院)だった。ただ、その情報の元をたどれば、フランスの作家アンドレ・マルローの名作『人間の条件』をロウ・イエ監督がその年の二月に、ベルリン

          映画『サタデー・フィクション』      プロダクションノート           樋口裕子(翻訳家)

          『サタデー・フィクション』           上質なスパイ映画                      小谷賢(日本大学危機管理学部教授)

          11/3(金)全国公開の映画『サタデー・フィクション』につきまして、日本大学危機管理学部教授小谷賢さんより寄稿をいただきました。 上質なスパイ映画  本映画の舞台は、1941年12月の上海だ。この時代の上海は既に日本軍の占領下にあったが、フランス租界と各国の共同租界が治外法権を維持したままの「孤島」として存在しており、物語はこれら租界内で進展していく。当時の上海は日中のみならず欧米各国のスパイが暗躍する都市でもあり、本作のテーマの一つがまさにこのスパイ戦だ。そのためここで

          『サタデー・フィクション』           上質なスパイ映画                      小谷賢(日本大学危機管理学部教授)

          映画『サタデー・フィクション』         スタンバーグとヒッチコックの記憶も蠱惑的な史実と「フィクション」の入れ子構造                   森直人(映画評論家)

          11/3(金)全国公開の映画『サタデー・フィクション』につきまして、映画評論家森直人さんより寄稿をいただきました。 スタンバーグとヒッチコックの記憶も蠱惑的な史実と「フィクション」の入れ子構造  ロウ・イエ監督の多彩なフィルモグラフィの中で、2019年製作の『サタデー・フィクション』は久々の歴史物だ。満州事変から第一次上海事変への流れを背景とした『パープル・バタフライ』(03)を受け継ぐ内容とも言えるだろう。あの作品、原題『紫胡蝶』では、満州で出会い恋におちた日本人の男と

          映画『サタデー・フィクション』         スタンバーグとヒッチコックの記憶も蠱惑的な史実と「フィクション」の入れ子構造                   森直人(映画評論家)

          映画『サタデー・フィクション』       ロウ・イエと『サタデー・フィクション』                劉文兵(大阪大学人文学研究科 准教授)

           11/3(金)全国公開の映画『サタデー・フィクション』につきまして、映画研究者劉文兵先生より寄稿をいただきました。 ロウ・イエと『サタデー・フィクション』               映画監督のキャリアを人生に例えるならば、ロウ・イエは思春期がきわめて長い監督だ。デビュー以来の30年間において、とりわけ若者の心情を、過激な暴力と性描写をもって表現しつづけ、『天安門、恋人たち』(06)、『スプリング・フィーバー』(09)など、映画史に残る数多くの名作を世に送った。  一方で

          映画『サタデー・フィクション』       ロウ・イエと『サタデー・フィクション』                劉文兵(大阪大学人文学研究科 准教授)