七村ふみ

「ただそれが好きだから」で選んでいきたい。読書と小説と日々の記録です。

七村ふみ

「ただそれが好きだから」で選んでいきたい。読書と小説と日々の記録です。

マガジン

  • 本と物語のはなし

    本|映画|アニメ|エンタメにまつわるはなし

  • 日々のはなし

    日々のあれこれ|すきなものとか、なんでもないつぶやきとか

最近の記事

  • 固定された記事

本|名刺がわりの小説10選

こんにちは。七村ふみです。 SNSでよく見かけるこのハッシュタグが大すきです。 というわけで、さっそくですが、 七村ふみの2023年の名刺(がわり)はこちらになります。 ★☆★ 01 きらきらひかる|江國香織 02 テレヴィジョン・シティ|長野まゆみ 03 雨更紗|長野まゆみ 04 西の魔女が死んだ|梨木香歩 05 ピスタチオ|梨木香歩 06 李歐|高村薫 07 舟を編む|三浦しをん 08 魍魎の匣|京極夏彦 09 流浪の月|凪良ゆう 10 ゲド戦記 影との戦い|アー

    • たぶん、出会いたいから

      もうずっとむかしに、当時の職場にやってきた短期バイトのお兄さんたちと仲良くなってカラオケに行ったことがあった。 そこで一人がアルマゲドンのテーマをいれた。エアロスミスの。 洋楽! しかもすごく壮大な! 有名ではあるけど滅多にカラオケで歌う人にはお目にかからない選曲かもと思っていたら、それを見透かしたようにお兄さんが言った。 「カラオケなんかすべて自己満でいいんだよ。自分が歌ってて最高ならそれでいい。だから俺はこれを歌う」 私はそのひと言になんだかやたら感銘を受けた。 お兄

      • 「会いたい」をすこし億劫にさせるもの

        友人のすくない私でも、「あのこに会いたい」「会って話したい」と思うときはけっこうあるのです。 でもそれが、あんまり行動とイコールにならない。 というのも「会う場所選び」が苦手だからです。 いい大人ともなると、人に会うときって場所選びが重要じゃないですか。 ひさびさに会って話したいとなれば どこか素敵なお店でランチしよう 新しくできた雰囲気の良いカフェでお茶しよう となるのが自然な流れで。 その場所決めに毎回悩んでしまう。 そもそも私は素敵なお店を見つけ出すことが下

        • わたしのすきな図書館は

          老朽化していた図書館が地域の憩いの場となるよう明るく開放的な雰囲気に生まれ変わってリニューアルオープンしました、というニュースを見かけて「うわぁ」と思った。 うわぁ、また『明るく開放』されてしまった、と思った。 どうしてこうどこもかしこも『明るく開放』してしまうのか、と私は思う。 明るくて開放的で地域の人が憩える場所、という理念には悪い要素なんてひとつもないのだけど、私は暗くてじめりとしてどこか人を寄せつけない雰囲気の図書館に惹かれる。 たぶんその感覚は森に近いと思う

        • 固定された記事

        本|名刺がわりの小説10選

        マガジン

        • 本と物語のはなし
          6本
        • 日々のはなし
          7本

        記事

          読書記録

          ぼちぼち読んでます。 少女は卒業しない|朝井リョウ 学校×朝井リョウ って相性抜群ですよね。トキメキすぎて声が出る、みたいな体験をしました。ド直球正統派恋愛小説というかんじ。青くて苦くてキラキラで切ない。意外とひねったものを読むことのほうが多い気がするので逆に新鮮でした。 短編小説自体、私はそんなに得意ではないんですが、これは全部でひとつの長編というふうにも思えて気持ちが途切れずに読めました。 全部良かったけど図書室のお話が一番印象に残ってるかなぁ。 映画にもなっているよ

          読書記録

          ギリギリな創作

          今年こそは創作を頑張ると心に決めていたので、今回noteの創作大賞に応募してみたんですが、これがとても大変でした。 なにがって、体力が、です。 もうとんでもなく消耗しました。 書きだしてから何かのスイッチが入ったらしく、放っておくと何時間でもPCの前に座っていられるテンション。自律神経がバグを起こしているのか何をしてても頭がフル稼働状態で、夜も眠れなくなりました。普段は22時から6時までぐっすりの健康優良児な私が、朝の3時か4時にはハッと目を覚ます日々。目覚めた瞬間からギ

          ギリギリな創作

          余命80年は長すぎる! 第3話

           次に告知現場に遭遇したのは、前回から二週間ほど経ち、俺たち高校生が夏休みに入ったころだった。その日の夏期講習の帰り、雑踏のただなかで俺は例のゾロゾロした悪寒に襲われた。  世間では解散総選挙が行われていて俺の住む町にも毎日選挙カーの声が響いていた。いまも道路の一角ではどこかの立候補者が街頭演説をしていて、町はいつもよりも人手が多くて騒々しい。  これじゃあゾロゾロの発信源なんてわからないけど。と思って見渡したら意外なところに死神はいた。  選挙カーの上。街頭演説の真っ

          余命80年は長すぎる! 第3話

          余命80年は長すぎる! 第2話

           今日こそは消えさせないでこいつを問い詰める。  鼻先を突き合わせるように睨んで、俺は努めて冷静になろうとした。 「お前たちが本物の死神だっていうのはわかった。で、なんで俺の前にきた? なんで古川の前にでた? なんで古川を殺したんだよ」 「……」 「答えろよ!」  イラつく。こいつがいつもこんな調子だから俺は困ってきた。 「……殺してなどいない」 「……は?」 「我々は、死を前にした人間にただ告げるだけだ。命を奪えるわけじゃない」 「ただ、告げるだけ……?」 「そうだ。

          余命80年は長すぎる! 第2話

          余命80年は長すぎる! 第1話

           虫も、猫も、犬も、人間も。  命あるものはみんな、やがて死ぬときが訪れる。  そんなのはもちろん知ってるけれど、実感があるかっていうとそれは別だ。  高校二年生。健康で、たぶんちょっと顔が良くて、頭も良くて、全然快適に人生を送っているいまの俺なんかには、本当にそんな日が自分に訪れるなんてピンとくる話じゃない。目標とか強い意志とか覚悟とかそんなのがなくたって、たぶん俺らは普通に生きていける。今日も明日もその次も、なんかずーっとこんな毎日が続くんだろうなぁって、疑いもなく思っ

          余命80年は長すぎる! 第1話

          すきなひとから隠れたい

          どのくらいのひとが共感してくれるのかわからないのですが、私つねづね思うんです。 すきなひとに認知されるのって怖くないですか? 認知って、あれですよ、私の存在をすきなひとが認めるという意味です。(子供を認知させる、とかの意味じゃなくて) noteでも、「うわぁ~このひとの文章すきすぎる!」と思うことや「この記事やばい。最高だ」と思うことがたびたびあるんですけど、コメントするのは躊躇ってしまうんです。 コメントしたらどうしたってそのかたの目にとまるじゃないですか、私が。それ

          すきなひとから隠れたい

          「おすすめの本ある?」ときかれたら

          「おすすめの本ある?」 そう聞かれたらなんて返えそうか。 と、考えたことはありますか? 私はよく考えます。聞かれたことなんて、ほとんどないけど。 まがりなりにも読書好き本好きを称している身としては、おすすめ本のラインナップを時折整理していつでも出せるようにしておくのも、ひとつのたしなみみたいなものかな、と思ったりしています。 でもってこの問い、すこし考えるとわかるけどけっこう難しい。 「すきな本」じゃなくて「おすすめの本」だから、私個人の趣味が強すぎる本なんかでは

          「おすすめの本ある?」ときかれたら

          20年ぶりにコナンの映画を観た

          思えば、人生初の推しは怪盗キッドでした。 コナン16巻にてキッドとの衝撃の出会いを果たした私は、当時3巻までしかなかった『まじっく快斗』を穴が開くほど読んでは胸を焦がす小学生時代を送ったものです。 月日は流れ、コナンとはアニメも映画も漫画も遠ざかっていたのですが、怪盗キッド推しの直感というべきものが働き、先日『100万ドルの五稜星』を観てきました。ブランクはなんと、実に20年以上ぶりのコナン映画!! ……最ッッッ高でした……!! ブランクありの怪盗キッド推しの感想です

          20年ぶりにコナンの映画を観た

          読書記録

          読書記録です。久々になってしまった…… 僕は、そして僕たちはどう生きるか|梨木香歩 とても良かった本。図書館で借りたのですが、買いたいなと思っています。 感想は別の記事でくわしく書いております。 ふしぎな木の実の料理法|岡田淳 以前岡田淳さんの『二分間の冒険』を読んで、とても良い児童文学を書かれるかただなぁと思ったので、こちらも読んでみました。 人間嫌いのスキッパーくん、可愛らしいし、共感しちゃいます。「あーぁ、人に会う用事があるなんて最悪だ」という気持ちはよくわ

          『僕は、そして僕たちはどう生きるか』

          2021年の秋ごろのよく晴れた穏やかな小春日和のこと。 遠くにいる友だちから久々にLINEが届いた。 簡単に要件をやりとりしたのち、ふと、思いたって文章を打っていた。 打った文章をしばし眺めて、送信した。ポンとテキストが画面に浮かぶ。 我ながらデリケートな話題だな、と思った。しかも直前のやりとりとはすこしもかみ合っていない。でも私は、その友だちには絶対的な信頼を置いている、だからきっと大丈夫。 とはいえ、いきなりこれだけを送られたら困惑させるかもな、と思っているうちに、

          『僕は、そして僕たちはどう生きるか』

          1月の日記

          車検の見積もりを9時に予約していた日曜日、グーグー寝ていたところを夫が慌てて起こしにきた。時計を見ると8:40。 平日も休日も寝坊することがほとんどないのに、なぜか寝過ごした。 まぁでも20分あればなんとかなるわよ、と謎の余裕をはっきして「こちら6時からもちろん起きてましたけどなにか?」という風格で見積もりにいった。 慌てない自分、大人になったなぁと感慨深い。 が、車検の当日、9時に車を預けにいくはずがこれまたすっかり忘れていた。 のんびり仕事(在宅ワーク)をはじめ

          読書記録

          1月後半の読書記録です。 人形館の殺人|綾辻行人 久々に館シリーズの続きを読む。本当にここ数か月、綾辻・小野夫妻の作品をいったりきたりしている。 さて人形館の殺人、館シリーズのなかで異色と言われているそうだけど、読んで納得。たしかにこれは異色。でもとても面白かった。 たまたますこし前に島田荘司さんの『占星術殺人事件』を読んでいたのもあって、ちょっと胸アツな気持ちにもなった。双方のネタバネになるからどこがどうとは言えないけれど。やっぱりミステリーは古典から読むべしですね