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#同じモノを見る

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このマガジンでは「モノの見方が異なる人と、同じモノを同じ見方で見ることは可能か?」を探究する。例えば親と子、顧客と作り手、上司と部下が、同じものを同じ見方で見ることは可能なのか。… もっと読む
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記事一覧

「デザインの態度を学ぶ」とはどういうことか ー仲間になり、悩みに触れ、語ること

「デザインの態度を学ぶ」とはどういうことか ー仲間になり、悩みに触れ、語ること

最近、仕事でご縁をいただいて「デザイン教育」に関連するリサーチをしている。

「どうすればデザインを教えることができるのか」「子どもや若者、社会人がデザインを学ぶために最適な教材は何か」といった問いをめぐってあれこれ調べながらも、そこには「デザインとは何か」という沼のような問いがある。

今日は、デザインの重要な要素として語られる「デザイン態度」を軸に、『コ・デザイン』『わざ言語』という2冊の本を

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「感想」を重ねる対話型鑑賞の問いと技

「感想」を重ねる対話型鑑賞の問いと技

見た作品について語れば語るほど、思い入れが生まれる。あまり面白くないと思っていた映画でも、感想を人と語りあうからこそ、対象への愛着が生まれる。

今日この記事では、個人の感想をおさえつけず、多くの感想が交わされる場の作り方として、対話型鑑賞のファシリテーションにおける姿勢と技法を紹介する。1万字越えの長文なので、じっくりお付き合いいただきたい。

筆者は、2015年から対話型鑑賞のファシリテーショ

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目を合わせる、目線を合わせる

目を合わせる、目線を合わせる

「目が合う」と「目線が合う」の違いはなんだろうか?

仕事のなかで、「プロジェクトの目標について目線を合わせたいです」と頻繁に言っている。「目線」は見えない。合っているかはわからない。でも「目線が合った」という感覚はなんとなくわかる。

今日はこの不可視疑な現象について、「赤ちゃんと大人の目線」を追いながら、みなさんと目線を合わせていきたいと思う。

目が合う、この不思議な現象「目線が合う」のまえ

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「見る」とは何か? ー対象と同時に「記憶」を見る

「見る」とは何か? ー対象と同時に「記憶」を見る

この問いを巡って、このテキストは探索を進めていく。今日のテーマは「人はものを見るとき、対象と同時に記憶を見ている」というもの。

ぜひみなさんも、たとえば、企業理念に対する見方が先輩と後輩で違う、夫と妻で家事に対する見方が違うなど、「同じものを見ていても経験の差や違いでものの見方の違いが生じている」と感じる事例を頭に思い浮かべながら読んで欲しい。

(前回の投稿はこちら)

同じものを、同じ見方で

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同じものを見るとは何か? ー子育て、アート教育から組織づくりまで

同じものを見るとは何か? ー子育て、アート教育から組織づくりまで

この素朴な問いに、いつもぼくの探索は帰結する。

ぼくはいまファシリテーター/アートエデュケーターとして活動している。株式会社MIMIGURIで組織づくりのコンサルティングを主要な仕事としながら、個人では美術館や福祉施設でのアート教育事業の開発支援をしている。

アート教育事業をはじめたキャリアの最初期である2000年代後半から、組織づくりのコンサルティングをするようになるまで、15年以上にわたっ

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