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多様性ある人材価値を活かす #134 グローバル人材

企業とは、その保有する経営資源を日々の事業活動へ投入して利潤を追い求める存在です。
経営資源とは、一般的にヒト、モノ、カネ、情報といわれています。
この経営資源を必要な部署や取り組みに供給するのも、インフラストラクチュアの取り組みとなります。
なかでも、筆頭の「ヒト」、つまり人事の重要性が高まっていることから、人材と組織の側面から変革をリードしていく戦略的な人的資源管理(以下、HRM:Human Resource Management)を重要視されています。
しかしながら、そのベースともなる「労働力人口」が大幅な減少傾向にあることが重大な問題となっています。

群馬県は、全国的にも総人口に対する外国人の割合が高い地域です。
総務省が発表した2019年1月1日時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査で群馬県の外国人の占める割合2.86%は、東京都(4.01%)、愛知(3.35%)に次ぎ全国3位でした。

特に、モノづくりの街として発展した太田市、伊勢崎市、大泉町などの東毛地域の割合が高いとされています。
これは古くから、この地域が労働力不足を補うために海外からの労働者を受け入れてきたことが背景にあります。

本社を群馬県太田市に置く私共としても、自然と外国人の雇用が多い状況です。
しかし、最初から積極的に外国人を雇用してきた訳ではなく、寧ろ、敬遠していた時期もありました。
原因は、言葉の違いなどのコミュニケーションの取り難さだけではなく、勤怠問題でした。
給与を支給した翌日から出勤して来なかったりの無断欠勤や仕事に対する無責任さが目立ったのです。

それでも、懲りずに雇用し続けた結果、真面目に、責任感を持った方々も現れ始めます。
すると不思議なもので、その方の紹介などで雇用した方も、やはり真面目で、責任感があるのです。
現在は、その良い意味での連鎖から、多くの日系外国人の方々の雇用が増え現在に至ります。

また、2014年から導入した外国人技能実習生制度を活用し、グループ会社のあるベトナムから実習員の受入れも行っています。
結果的に、本社および工場では40人を超える外国人社員が働いており、その国籍もブラジル・ペルー・フィリピン・ベトナム等と多様です。
職場の雰囲気ですが、特に陽気な南米のスタッフが多いからか、元気で明るいのが特徴です。
誰かの誕生日が来ると昼の休憩時間を利用して、ケーキをはじめとした手作り料理をみんなで持ち寄って、誕生パーティーを開催しています。
私も飛び入り参加をしたことがありますが、圧倒されるくらいです。
休日も日本人スタッフも含めて集まって楽しく交流しており、既に外国人とか、日本人の精神的な障壁はないと言って過言ではないと思います。

しかし、様々な母国語が飛び交うために、どうしてもコミュニケーションを取るのが難しい問題があるのも事実です。
そのため掲示板などには、日本語、英語、ポルトガル語などと、様々な言葉で併記したり、日本語が得意な外国人スタッフに通訳させたりなど工夫しております。
また、日本人スタッフが講師になっての日本語勉強会も定期的に開催されております。

HRMとしても、この外国人の皆さんの労働力は非常に有益な資源であると捉えています。
そのためにも、国籍、性別、学歴などの成果とは関係のない部分での手当的な評価を極力排除し、業績や貢献度に連動した公平、公正な人事評価を重要視して、より良い制度構築を目指しています。
また、これらの取り組みは、NHKや上毛新聞などの各メディアの特集で取り上げられたり、各官庁団体のご視察の受け入れにつながっております。

5月21日は、対話と発展のための世界文化多様性デー(World Day for Cultural Diversity for Dialogue and Development)です。
その目的は、「文化の多様性の価値をより深く理解し、その保護と発展、文明間の対話を促進させる」こととなっています。

この日にあたって、あらためて、世界的な文化の多様性を尊重し合って行きたいと考えました。

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