Wife407号

投稿誌「Wife」の最新号が届いた。東京地方は雨続き、濡れた郵便受けの中でひときわ光る黄色の表紙を見つけて、「きた、きた」と思わず声が出る。編集作業に関わらなくなってから1年と数ヶ月。今号も、ずっしりと重みのある中身だ。新しい書き手も増えているようで嬉しい限り・・・。
でも、正直に言おう。75歳の私、文字中毒を自負していたのに、この頃長い文章の内容が頭に入ってこない。特に長すぎるエッセイは、目からは読み取っても、結局何が書いてあるのか、何を言いたいのか理解できないことも多い。こことここと、この部分を削ってまとめて、せめて半分、いや3分の1くらいにすればもっと面白いものになるのに・・・なんて思ってしまう。
私がこの投稿誌の編集発行を引き継いだあと、初期の頃からの常連投稿者から購読中止の連絡が届いたのを思い出す。長い文章を読むのが辛くなったと、彼女たちは申し訳なさそうに言った。目が悪くなるだけでない、理解力が落ちる、読む気力がなくなる・・・。今思えば、後期高齢者に突入した人たちだ。「なぜみんな歳を取ると短歌や俳句を作りたがるのかしら」と、かつて田中喜美子さんが言っていた。短い言葉を操って思いを表現する事しか出来なくなるのだと、今の私なら理解できる。
日本語が大好きな私、歩いていても掃除をしていても、何をしているときでも、自然に言葉が頭の中に湧いてくる。テーマが決まっているお仕事での書籍はともかく、書きたいことを自由に書くなら、このブログの長さくらいがちょうどいい。そして、ひとさまの文章は、いったいいつまで読めるかなあ。


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