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手帳本を読んで

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手帳の活用について書かれた本の所感。ノート本、メモ本についても。
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記事一覧

著名デザイナーの手書きノートが眩しい。『仕事と勉強ができる人のリアル「ノート&メモ」術』から。

『仕事と勉強ができる人のリアル「ノート&メモ」術』を読んでいます。 56ページから掲載の、デザイナーの根津考太氏のノートに圧倒されています。 図を描く、しかも完全な空想ではなくて、実際に作ることを意識して描く。 ゆるい全体のイメージがあって、描いて細部の解像度を上げて、全体の解像度も高まる。 他者と共有するため描く。 紙、ホワイトボード、iPad、CADに描く。 絵だけじゃなくて、62ページに載ってるような図も書く。 63ページのフォルダ内のサムネイルを目を凝ら

外科医の手書き手術記録とプロ魂に感動。『仕事と勉強ができる人のリアル「ノート&メモ」術』から。

『仕事と勉強ができる人のリアル「ノート&メモ」術』を読んでいます。 50ページから掲載の、外科医の橋本瑞生氏の手術記録、いいですね。 10時間に及ぶ手術もあって、でも手術しながらは書けないから、全て記憶しておいて、後で書くそう。 そのカルテが掲載されています。 臓器のようす、重要な血管、どのように手術したか。 鉛筆で下書き、ボールペンで書き、色鉛筆で彩色されていて、素人の私が見ても何のことやらさっぱり。 でも、経験を積んだ医師の知見が詰まった迫力は伝わってきますね

考古学者の50年間のノートに感動。『仕事と勉強ができる人のリアル「ノート&メモ」術』を読んだ。

『仕事と勉強ができる人のリアル「ノート&メモ」術』を読みました。 できる人に取材して、彼ら彼女らが書いたノートを掲載した本。 このnoteでもたびたび書いていますが、誰かのノートや手帳を見るのが大好きなので、こういうのは大好きなのです。 衝撃を受けたのが、38ページから掲載の石川日出志氏のノート。 高校生のころから現在まで、自分の道(考古学)のノートを取り続け、それが全部残っているのです。 最初期のノートには「昭和48年」という日付があって驚きます。字や図が丁寧で、

「書く瞑想」で手帳に書く日記をおもしろくする。

「書く瞑想」をしばらく前に読みました。 この本に書かれている「放電日記」と「充電日記」を、手帳に書いている日記に取り入れています。 この数日、ずっと日記について書いていますが、それは日記こそが、手帳をおもしろくするから。 ▼関連記事 そして、本書にある放電および充電日記には、日記を充実させる効果があるようです。 簡単に、放電と充電日記の説明を。 まずは、1日の中で、感情、気分、エネルギーを下げたものを、箇条書きで書き出します。 寝坊した、ランチを食べすぎた、報告

究極のノート本「未来ノートで道は開ける」を繰り返し読んでいる

「未来ノートで道は開ける」という本を、繰り返し読んでいます。 2008年の刊行。当時、書店で表紙(著者のノート)に何かを感じ、すぐに購入したことを今でも覚えています。 やれることを書いて全力でやる古い本ですが、書いてあることは今でも光り輝いています。kindle版(168円!)も買って、繰り返し読んでいます。 行き詰まり。マンネリ。壁。迷い。繰り返す日々でそんなことを感じたら、この本を開きます。勇気が湧きます。 今やれることをノートに書け。書いたら、それを全力で実行し

「自分を変えるノート術」を読んだ 3時間スマホを見ず人にも会わずノートを書き続ける効果とは?

ある程度のまとまった時間を確保し、集中して、大量に、ノートを書こう。 この本の趣旨を1行に要約すると、こうでしょうか。 「まとまった時間」が貴重な現代現代の日本では「まとまった時間」が貴重です。いつでもどこでも、スマホでネットにつながれるから。SNSを開けばとりあえずはヒマをつぶせますよね。 アップルやグーグルのエリートたちが、どうやって消費者の脳をハックするか、研究し続けた成果がスマホです。その気になれば我々は、何時間だってスマホで時間をつぶせます。 この「スマホの

人生後半戦の長期目標を作るため「一冊の手帳で夢は必ずかなう」を再読した

今後20年の長期目標を作るため「一冊の手帳で夢は必ずかなう – なりたい自分になるシンプルな方法」を再読しました。 GMOグループ代表の熊谷正寿氏の著書。夢の実現のために、夢を長期目標とし、日々のタスクにまで落とし込もう。そのためのツールとして、システム手帳をつかおう、という内容です。 2004年の発刊。しかし、長期目標の作成とその達成の手法として、古さを感じさせず、今なお優れた著作ではないでしょうか。 「やりたいことリスト」で夢を具体的にリアルに描く本書では、長期目標

メモは習慣 熱狂 生きざまだ 「メモの魔力」を読んだ

「メモの魔力」を読みました。 著者の魅力もあいまって、熱量が高く、一気に読めました。 執念でメモを取る▼以下のリンク先の記事に、この本の重要なところがまとまっています。 これ読んでみて、面白そうなら本書を読んでみましょう。 著者はメモを取ることに執念を持っています。自分の心に引っかかった事実(ファクト)をなんでもメモし、それを抽象化し、なんらかの行動にまで転用します。 熱狂しろ、オタクであれ、と著者。そこに独自の視点がプラスされれば、それは社会に新たな価値を提供でき

苦行ではなくノートを楽しむ 「歩くのがもっと楽しくなる 旅ノート・散歩ノートのつくりかた」を読んだ

大ヒットしたノート本「情報は1冊のノートにまとめなさい」の著者が送る、旅ノート作りのための本。 ノート術の本というと、たいていは生産性が上がり、仕事ができるようになり、年収が上がり、タスクが片付き、夢がかなうようになるのだが、本書では一切そういったキーワードは出ない。記録するだけで旅と散歩はおもしろくなる。楽しむためにノートを作ろう、というスタンス。 私的には、ノートを書く目的は、事業を成功させ、収入をアップすることなので、その視点から読んでしまうのだが、気づきが多く、お

1冊に絞って迷いを断つ 「情報は1冊のノートにまとめなさい 完全版」を読んだ

分けない、時系列ですべてを1冊に書く、情報は選別しない。そんなシンプルなノート術で大ヒットした「情報は1冊のノートにまとめなさい」の完全版。ノートの使い方に迷ったらたまに読み返す。 ちょっと増補改訂したぐらいかと思ったらほとんどが新たな書き直しだった。 ノートの使い方に迷いが出たら使うノートはB5で30枚のドット入りB罫線のキャンパスノートと決めている。しかしたまにこれを変えたくなることがある。悪いクセなんだけど。 A4のルーズリーフだとノートをもっと活用できるんじゃな

手書きメモのほうが数十枚のパワポより価値が高い 「一流の人はなぜ、A3ノートを使うのか?」を読んだ

パワーポイントで作った数十枚のスライドがまったく相手に刺さらなかった。プレゼンを途中で打ち切られた。 という苦い思い出がありまして。思い出すだけでイヤな汗が出る。なぜそうなった? 本書「一流の人はなぜ、A3ノートを使うのか?」にその答えがズバッと書いてました。 数十枚のパワーポイントのスライドよりも、手書きのA3メモのほうが価値を生む、と。 広大なA3で思考を「拡大」する本書の趣旨を一行に要約すると、 A3一枚にまとめよ です。 A3で思考を拡大し、分割し、俯瞰

「システム手帳STYLE」のキャッチコピーに時代の移り変わりを見る

80年代。システム手帳が日本に輸入され、ビジネスマンに普及しました。ユーザーは、男性が多かった気がします。 2010年代後半。システム手帳はビジネスの道具としては第一線を退きました。しかし、趣味の道具としてじわじわとユーザーが増えていきます。市場を引っ張っているのは男性ではなく、女性です。 2016年から年に1回、10月ごろに発刊される「システム手帳STYLE」という雑誌があります。その表紙に、そんな時代の変遷を見てみましょう。 第1号「一冊の手帳に知を集積せよ!」記念すべ

手書きのノートはこんなにすごい 「伝わるノートマジック」を読んだ

「伝わるノートマジック」(著 西寺郷太)を読みました。 他者のノートや手帳を見るのが好きなのでこんな本は大好物です。 音楽家のノートをそのままひたすら本にしてしまった音楽プロデューサーであり、作詞作曲家である著者のノートをそのまま掲載した本です。 著者はラジオ出演や大学の講義のために、ノートを書きます。 鉛筆、定規、消しゴム、資料を用意し、1テーマ4ページに5時間かけて書くそう。 マイケルジャクソンやプリンス。日本のポップス。 学生のころだと世界史、日本史。事実を

プレジデント2020年5月1日号のメモ術特集を読んだ

この記事は、プレジデント誌2020年5月1日号特集「脳科学が実証! 一行で差がつく 超一流109人のメモ術」を読んだときの所感です。 書けば行動の指針となり夢に近づく巻頭は「メモの魔力」の前田裕二氏と脳科学者の茂木健一郎の対談です。 ファクトをメモする 本質を抽出する 長期記憶となる 行動の指針となる 夢の実現に近づく というのは面白いですね。書いて考えて行動すると結果が出る、と。 人間って、書かなければ自分が何したいかもわからない、やっかいな生き物なのです。