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【向日葵は枯れていない!】12.ギラヴァンツ北九州ミニレビュー~第12節 vs Y.S.C.C.横浜~

YS横浜戦を前にして、ギラサポさんたちが「相性が…」とか「去年はここから…」などポストされているのを見まして、筆者も最近の対戦成績や昨年の対戦など色々チェックして、大体の流れを把握しました。

サッカークラブは毎年メンバーも戦術も変わるのに、不思議と拭い去れない相性や流れというものはありますよね。

G.W.初戦でしたし、今月唯一のホームゲームでしたから本当に勝ちたかったですね。しかも最後はハンドの見逃しで終わるという後味が悪いどころでは済まされない終わり方でした。
その後のコミュニケーションも不十分で、当事者であれば誰だって怒るところにイエローを乱発するという酷さでした。
失った勝点1も、無駄に積み重なったイエローも、シーズン終盤ここぞというゲームで響くことがあります。
少なくともそうした面での想像力が欠けている審判とみられても仕方なかったと思います。

得点を奪えそうで奪えなかったことを考えると、自信を持って即座に次節に繋がる一戦とも言い切れませんが、単なる負けだけではない悔しさを次戦に繋げてほしいです。

J3第12節 北九州-YS横浜 メンバー

前節長野戦からの変更点です。RSBに(22)山脇華織を先発起用、(50)杉山耕二をCBに戻しました。LSBには(33)乾貴哉に代わりレフティ(24)前田紘基が入ります。
筆者は(24)前田のプレーは見たことがなかったので楽しみにしていましたが、キックが正確でした。安定感がある良い選手との印象を持ちました。

更に注目しましたのが中盤以上の構成です。
(20)矢田旭がボランチ、トップ下に(8)若谷拓海を起用してきました。RSHには(19)井野文太が先発で入ります。

一方、YS横浜は3-5-2とも3-1-4-2とも呼べるシステムです。WBも含めて2トップの背後に4人が構えて分厚い攻撃を展開します。
敵陣で奪われたら、そのまま人数を掛けて即時奪還をねらうという今流行のやり方であったと思います。
保持時に北九州陣内に人数を割く分、自陣からのビルドアップには人数を割けません。その分、LCBベテラン(50)中里崇宏からのロングフィードで一気に前進を図るボール運びが目立っていました。

非保持時には5-3-2に可変します。

北九州のボール運びは、YS横浜の3-1-4-2から5-3-2のトランジションに時間がかかる(WB、IHが長い距離を戻る)点を突こうとしているように見えました。
普段よりも自陣からCF(10)永井龍へのロングフィードが多かったのもそうした理由によるものと推測します。

そして、YS横浜がセットしてからの攻めにも工夫がみられました。

J3第12節 北九州-YS横浜

少々、デフォルメしていますが、攻撃時に(20)矢田を一列上げて、WBも高く押し上げていましたね、後方は2CBに(34)高吉正真がアンカーのような位置から配球していました。これなら、中盤で数的優位をつくれますし、サイドでも同数を維持できます。17分の決定機はこの可変からの良い攻撃であったと思います。

こうした大きな枠組みの工夫から、高さがあるYS横浜に対して、セットプレーでもショートコーナーを使うなど細部に渡る工夫がみられた北九州でしたから、これらの工夫がより有効に機能していた前半のうちに得点を奪いたいところでした。

失点シーンはYS横浜のパターンのひとつである左からの崩しでした。
GK(27)田中悠也に任せても良かったようにみえましたが、(50)杉山にも1点たりとも失点は許されないという焦りがあったのでしょうか?
PKを献上してしまいました。
増本監督のコメントからも想定していたYS横浜の攻撃であったと思われますので、少々もったいなかったですね。

結局のところ、北九州とYS横浜の明暗を分けた部分はボックス内での動きの有無であったと思うのです。
北九州のボックスに運ぶまでの設計は毎試合見事と感じますし、1週間でよく選手に落とし込んでくるなと思いながら試合をみています。
ゲームプランが完全に当たらなかったのは前節長野戦ぐらいではないでしょうか?

しかし、肝心のボックス内でウェイトになっている選手がまだまだ多いとも思います。この辺りがラストパス、クロスがゴール前で繋がらない要因かもしれませんね。出されている指示にもよりますが(30)髙橋隆大はフィニッシュまでトライしてもいいとも思います。

以上、簡単ですがYS横浜戦を振り返りました。
次節はG.W.のトリですね。
相変わらずDAZN越しではありますが、引き続き応援を続けていきます。

今回もお読みいただきありがとうございました!

【余談ですが…】
(8)若谷拓海が西岡明彦氏のフットメディアとマネジメント契約を結びましたね。現在の所属選手ですと(27)田中悠也に続いて2人目となります。
西岡さんは、数年前まで岡山のテレビ中継実況もよく担当されていて、試合前のトークショーにも出演、現在岡山の複数選手ともマネジメント契約を結んでいることから、個人的に注目しています。
(8)若谷にはしっかり北九州で結果を出して、今後に繋げてほしいところです。

※敬称略

【自己紹介】
雉球応援人(きじたまおうえんびと)
岡山のサッカー好き社会保険労務士
日常に追われる日々を送っている。

JFL時代2008シーズンからのファジアーノ岡山サポ。
得点で喜び、失点で悲しむ、単純明快なサポーターであったが、ある日「ボランチが落ちてくる」の意味が分からなかったことをきっかけに戦術に興味を持ちだす。

2018シーズン後半戦の得点力不足は自身にとっても「修行」であったが、この頃の観戦経験が現在のサッカー観に繋がっている。
レビュアー3年目に突入。今年こそ歓喜の場を描きたい。

北九州大学(現:北九州市立大学)法学部出身
北九州は第二の故郷ということもあり、今シーズンからギラヴァンツ北九州もミニレビュー作成という形で追いかける。

鉄道旅(独り乗り鉄)をこよなく愛する叙情派。

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