Kazu

全般性不安障害、双極性障害、その他色々抱えて日々は綱渡り。INFJ型。

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狐の嫁入り《短編小説》

「あれ、狐の嫁入りだよ」 おばあちゃんはそう言って、慌てて縁側の釣竿に干してあった布団を取り込んだ。 「狐の嫁入り?」私はその言葉に、とても惹かれた。 狐がこの天気雨の中、お嫁入りする姿を想像して、ドキドキしたのだ。 「おばあちゃん、今外に狐のお嫁さんが歩いてるの?」 おばあちゃんは笑いながら「諺なんだよ、天気雨の」そう言って、布団を畳に敷き、少し雨に濡れた部分をタオルで叩きながら拭いていた。 私はそんなおばあちゃんを見ながら「じゃあ、狐のお嫁さんは居ないの?」そう聞く

    • 無垢《詩》

      もし 生まれ変わりがあるならば 私の穢れた身体と心を清めて 誰からも愛される 真っ白で純粋無垢な 美しい花になりたい 真っ黒に塗り潰した身体と心を 真っ白に そうして ただ愛されたい

      • END《詩》

        伸ばす指先は枯れた小枝 みすぼらしい私に咲く花はもうない 根元に落ち朽ちた花々 鴉達が啄み私の体もつつく 壊れかけた心臓は 半分止まりかけている 私の肩に置かれた手 死神が囁く 「MEMENTO MORI…」 そう 私は忘れていた 払い除ける事なく 私は静かに向き合う もう全てが手遅れ

        • 姉妹《短編小説》

          シャボン玉とんだ 屋根までとんだ 屋根までとんで 壊れて消えた 風 風吹くな シャボン玉飛ばそう 私の耳に入る澄んだ声はまだ幼さが残り、時々私の目の前を 透明な丸い玉が飛んできた。 私は不思議な物に好奇心が抑えられずに、思わず口を開けて… パクっ。 「こら!玲!ダメ!お口に入れちゃダメ!」 まだふっくら柔らかい手のひらが、私の口許を触る。 私は大人しくされるがままにしている。 「紫織。どしたの?」ママの声に、紫織は今の事を話した。 ママは「あらあら。でも紫織、口許

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        狐の嫁入り《短編小説》

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          片翼《詩》

          見えた君の背中には 血に染まり汚れた片翼 千切られた片翼の痕が痛々しい… 私のこの手は無力だから 君に施せる術が何も無い 私の言葉には魂がないから 君の胸に響く音を届けられない 雑音ばかりの街中でたった独り立つ君 孤独に疲れないかい? 悲しみに潰されないかい? どうやって過去を越えて来たんだ? 君が教えてくれた苦悩 今も私の胸に刻まれてる 君は優しい… 片翼の…

          片翼《詩》

          木片《詩》

          望まれた命でも 思った通りに動けない人形なら 心優しい人以外 きっとただの木片として扱う 作り出した事が間違いだと あったはずの心という 一番肝心なモノすら奪われ ただの操り人形と化する 辛み苦しみ打ち明ける事すら 唇が固く閉ざされ 何も話せなくなり 作り笑いと愛想笑いだけが得意の 良い時だけの自慢の人形 醜い時にはそのままを吐かれ 私はどんどん自分が消えていく 半透明の私は 意地の悪い人には見える 今日も私の身体と心は半分死んだ 人形のまま

          木片《詩》

          セピア《短編小説》

          「今日は奈留がずっと食べたいって言ってた、スイーツのお店行くよ」 朝起きて、まだぼんやりしてる頭。 低血圧だから、尚更直ぐには起き上がれない。 しばらくベッドでウトウトしていると、瑠偉が来て覗き込んできた。 「無理そう?無理なら、俺が奈留の為に作るよ」 いつもの優しい瞳に癒され、やっぱり辛い身体の事を伝えた。 瑠偉は本当に嫌な顔も態度も取らない。 私の体調を優先してくれる。 けどきっと、急な誘いは珍しいから、瑠偉なりに何か考えがあったのかな?と少し後悔した。 瑠偉は「

          セピア《短編小説》

          マウント《詩》

          マウント《詩》

          独り《詩》

          私は愛されるべき人間じゃない 私は誰かを愛する資格もない 暗い幼少期 怯えながら親の顔色窺って イジメの事すら言えず 気付いてくれた兄 兄だけが味方だった こんな出来損ないの妹 恥ずかしくなかったかな 私はどこでも馴染めない 普通、協調性 分からない 嫌なものは嫌 嫌いな人は嫌い 白黒つけなきゃ気持ち悪い それが私の悪い所 それが私の欠点 だから生きづらいんだよ だから精神疾患になるんだよ 発達障害のグレーでも黒に近いんでしょ? 見下され貶される バカにされ

          独り《詩》

          散りゆく運命《詩》

          散りゆく運命《詩》

          君のstory《短編小説》

          いきなり来たメッセージ。 そこには、止まった時間を動き出させてくれる、愛があった。 初夏が訪れ様としていた。 私は精神病院に入院して、もう1年が経つ頃だった。 閉鎖病棟ではなかった為、何か必要な時は看護師さんが携帯を渡してくれる。 「誰かからメールが来てるみたいだから」 穏やかな雰囲気の、大らかな看護師さんは微笑みながら携帯を渡してくれた。 確かにメールの表示が出ている。 私にメールを送ってくるのは、家族以外居ないはず。 少し不安になりながら開いた。 そこには、かつて私

          君のstory《短編小説》

          枯れない花《詩》

          記憶を改ざんする事は出来ない 言葉のやり取りは 消えない指針となり 迷いが出た時は そっと取り出す 私がShamであった時 羽根が降り注いだ 綺麗事じゃない本音 私の中に刻まれた 夜空の向こうは何時でも澄み渡る 見付けてくれた可憐な花 忘れない

          枯れない花《詩》

          偽善面《詩》

          偽善面《詩》

          エンジェルマーク《詩》

          遮断された外界 何も聴こえない私の世界 闇の中 このまま忘れてしまえば良い 私が母のお腹に忘れた欠片 全てに繋がる答えも何もかも 見えない何かに掴まれた手 『そっちじゃないよ』 捻れた視界が徐々に開かれた 私を呼び続けていた二つの絆 『ありがとう。私まだ約束果たしてなかった』 聞こえた泣き声 「良かった…」 画面越しで見た不安な声 『ごめんね。ただいま。ありがとう。愛してる…』

          エンジェルマーク《詩》

          複雑な心の迷路《エッセイ》

          あまり当てにはならない気もしたけど、2回目の診断結果もINTP型。 ほぼ当てはまっている。 感情を外に出しにくい為、誤解されたり何考えてるか分からない、と幼少期の時から言われた。 「ミステリアスだよね」と、弟の様な存在に前に言われた。 私は十分、心をオープンにしていたつもりだったから、少しショックだった。 「え、それって何考えてるか分かんない奴って事じゃん…」と、少し寂しくなり返したら「いや、そういうのじゃなくて…何て言うか、全てを掴んだ気になってもまだ知らない部分がある

          複雑な心の迷路《エッセイ》

          心眼《詩》

          呼び覚ませ本能 平和ボケしてるお偉いさん 世の中はいつも何処かで人が争い 血を流し命を落としてる 綺麗事並べるなら馬鹿でも出来る 良い大学出て何を目指してそのバッジ? 裏金手垢に塗れた虚像 今日も下らない論争 意味あるの? 無くならない自殺 世界ランクで見ても高い位置にいる このお国の何処が平和 腹を空かせた子供 18になったら出て行かなければならない 児童養護施設 まだ大人になりきれてない奴なんか 腐る程いる中 あんたらは裏金工作に夢中 夜の高級料亭 密

          心眼《詩》