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刑務所にLGBTQの専用房があった!

意外と社会の流れに沿って進んでいるところもある刑務所。コロナ禍の時に府中刑務所に見学というか、更生保護関係NPOの人に同行して受刑者の接見に行ったことがある。初めての経験だったので他人事ながら貴重な体験をさせて頂いた。

刑務所の中の話や、接見中の話は詳しくは書けないが、TVドラマなどで見る、あのアクリル板越しの接見場所は意外と狭い部屋だった。声を通すためのアクリル板の穴が飛沫防止のためにテープで閉じられており、大声を出してもなかなか相手の話が聞こえなかったのが辛かったのを覚えている。

先日書いた東京拘置所に見学&接見行った時は、拘置所はマイクとスピーカーがあったので会話に支障はなかったが、府中刑務所にはマイクスピーカーの設備が無く、これは何とかならないのか?と正直思ってしまった。

そして、府中刑務所で聞いた話だが、LGBTQ専門の房が別棟であるとのこと。これは感心したものである。接見マイクはないが、LGBTQの人権擁護をしている府中刑務所には驚いた。この歳になっても世の中の知らないことが多いので、死ぬまで社会勉強は続くのだろう。

別のボランティア活動で、横浜刑務所に見学に行く機会があった。通常の接見などではないので、刑務官がついてコースを回り説明などしてくれる。もちろん質疑応答もある。我々は男女のグループだったので、見学の際は「女性を男性が囲む形」で守って見学コースを進んだΣ(・□・;)それが規則らしいのだ。

まず最初に思ったのは、えらく小さいこじんまりした施設だなと思ったこと。聞くところによると東京ドーム2個分の敷地面積だというが、府中刑務所などと較べると凄く小さいと感じられた。

独房(1人部屋)は3畳で、共同部屋(6人部屋)は12畳だった。受刑者1人が持ち込める私物は60リットル程度とのこと。外国人の受刑者は14%いるので、そのために国際対策室を立上げ、国際対策室は外国語が出来る職員や委託業務で運用しているらしい。

風呂は週2回で、1回当たり1人が使えるお湯は、風呂桶10杯までと制限があるとのことだった。何とも不自由な生活である。もちろん房の中には冷暖房はないので夏場は暑くて大変だ。共用部分の廊下だけは、28度以上になると冷房が、15度以下になると暖房が入るという。

刑務作業は、印刷、組み立て、うどん麺やパスタ製造、木工細工・・・などであった。食事は朝昼晩3食をすべて受刑者が作っている。調理師免許に必要な実務時間にも換算されるというが、肝心の調理師試験を諸般の事情で受験が出来ず、社会復帰を目指すには中途半端な取り組みに思えた。

出所前教育専用の房があり、その期間は受刑者もかなり自由になるらしい。社会から長く離れているので、社会復帰のための教育やSSTをやっているようだ。私はSSTの資格保持者なので親近感を覚えてしまった(笑)。しかし府中刑務所と違って横浜刑務所にはLGBTQの専用房もないし、今後LGBTQ房を作るの計画すらないとのことであった。

地域性なのか何かは分からないが、入る刑務所は選べないので、刑務所に入る予定のある人は気を付けましょう。
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【記】やく・たたず(屋久 佇(竚))

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